第6話 アンソルブド・ドリーム

 この物語が始まる数カ月前。


 オレ=巻田ソウジュ(漢字は『草樹』である。念のため)の生活に、大きな転機が訪れた。


 ある日散歩に行った堤防で、数匹のヒトデが転がっているのを見つけた。子供が遊んだ挙げ句、ほったらかしてしまったのだろうか?近付いてみるとまだ生きているようだった。だがこのままでは干からびてしまうのは目に見えていた。


 みんなつまんで、海に投げてやった。ちょっとした親切心のつもりだった。いい事をした、と少し気分がよくなってもいた。


 だが、最後の1匹を逃がし立ち上がったところで、おれは止まった。動けなかった。その事態はあまりに唐突だった。

 海の向こうから、何か来る。まさしく『何か』だった。それが何なのか全く思い当たらない、本当に謎の何か。


 一言で表すと、赤い球。そうとしか言いようがなかった。その赤い球体が猛スピードで近付いてきていた。


 突然の事に、オレは動けなかった。どう反応すべきか分からなかった。そして球はどんどんスピードを上げ、こちらに向かってきた……。




 そして、今。より正確には、ある日の昼間。


 SNSも新聞も、世間では不明体のニュースで持ち切りだ。中部地方の住宅街に突然現れたタイプHと、そのタイプHを倒したタイプB。死者も10数人出ていた。


ここは築数十年の、学生向け安アパートの一室。リビングの窓際に長机があり、その上にはパソコンが置かれている。その前に置かれた椅子の上に、1人の青年が座っていた。それがオレだ。


 オレはパソコンの画面に見入っていた。パソコンでアニメを見ていた。青い髪の少女が、雨の降る街を傘もささずに走っている。雨に紛れて、その目には涙が浮かんでいた。彼女はついさっき、友人の少女に八つ当たりしたばかりであった。


 好きなアニメだった。これで何周目か正直覚えていないくらいだ。正直このシーンはいつ見ても辛かった。先を知っているだけに、2週目以降余計に辛くなったといっても過言ではない。


「おい」

 オレの頭の中で声がする。


「何だよ」

 ビデオを止め、おれはトゲのある声を出した。この声=バイオコップが持ち掛けてくる話は、大抵よからぬものだった。


「君のお母様からSNSに連絡があってから、これで17時間経過してる。そろそろ返信した方がいいんじゃないのか?」


「チッ」

 予想通り、よからぬ話だった。


「見終わったらテキトーに返信するよ」

「2時間前も同じ事を言ってただろう。お母様も心配されるぞ」


 オレは母親からのメッセージに目を通す事にした。昨日の夜にメッセージが来てから、かれこれ3回くらいは引き延ばしていた事になる。


「自分で勝手にメッセージ送ったくせに、こっちが返信よこさねーと怒るんだよ」


 文句を言いながらスマホを手に取る。

「いつ帰ってくるの?」

 というメッセージ。


「まだ決まってない」

 無機質な返信を送る。夏休みの予定が決まっておらず、実際まだ決まっていなかった。そして、帰省は出来る限り遅らせるつもりでいた。


「大体の目途くらい経つだろう。遅くともお盆直前には夏休みになるはずだぞ」

 頭の中でまた声がする。


「うるせーな、帰りたくねーんだよ」

 オレはイラついた声を出した。


「なんでこの大学選んだか分かるか?1人暮らし出来ればどこでもよかったんだよ。あいつらの顔見るの、もう限界だったからさ」

「お前なー」


 バイオコップは呆れた声を出す。

「仮にでも君の親だろう。そんな邪険に扱うな」

「扱うな、じゃねーよ」


 苛立ちがオレの頭の中をグルグル回る。親の話題が出る時はいつもそうだった。

「あんなクソ親、丁重に扱う義理なんてねーよ。就職して自活できるようになったら、とっとと縁を切りたいぜ」


 バイオコップに1度聞かせた事のある自分の生い立ちを、オレはまた思い出していた。


 元々オレは夢を持っていた。


 絵描きになりたい。そう思うようになったのは、確か小3とか小4とか……とにかく、小学生の頃だ。


 アニメも漫画もゲームも特撮も好きな子供だった。好きだから、ファンアートもたくさん見た。自分も同じものを描きたい、と思うのはオレにとって自然な事と言ってもよかった。


 実際、絵を描くのは人よりうまかった。小学生の頃、図工の授業で描いた絵が県のコンクールに入選した事もある。絵の描き方を学んで、イラストレーターになって……という考えがオレの中でムクムクと沸き起こった。有名になったら顔バレとかするんだろうか、と妄想して楽しんでいた事もある。


 だが、問題は小学校を卒業してからだった。

 両親に何でもいいから運動部への入部を強く勧められた。というか、強制された。社会に出た時のためにも、運動部で社会性を身に付けないと、と言っていた。絵は運動部と並行して勉強すればいい、と。


 オレは何も知らない子供だった。両親はそこに付け込んだ。「あなたのためだから」とかうまい事を言う両親の意向を結局は吞んだ。だが、運動部といっても色々ある。オレが選んだのはサッカー部だった。体験入部に誘われ、言いくるめられるようにして入った。


 間違いだった。全くの間違いだった。時間を巻き戻してやり直したい過去ナンバーワンだ。


 筋トレ、シュート練習にドリブルの練習。元々運動が得意ではないオレにとってはハードそのものだった。


 毎日ヘトヘトになって帰ってきて、その後も勉強しなければならない。遅くまで塾に行ったり、通信教育を受けたり。まともに絵の勉強をする時間もエネルギーも残されてはいなかった。


 サッカー部を辞めたい、と言ったが拒否された。絵の勉強どころか、ファンアートを描く時間も瞬く間に削られていく。そのくせ、両親は『勉強やサッカーだけじゃなくて、絵の勉強もしないと』などとぬかしやがる。


 サッカー部で得たものは何か?ない。何もない。ただただ時間を浪費しただけだ。結局絵の勉強などまともに出来ず、オレは中学を卒業した。


 高校に入って、ようやく念願の美術部に入れた。だが手遅れだった。中学時代を絵に捧げた周りの連中とは、すでに埋めがたい差が開いていた。夢を諦めるには、それで十分だった。


 もしかしたらオレに大した才能なんかなかったのかもしれない。中学時代絵の勉強をしたところで、結局は挫折していたのかもしれない。だがオレはサッカーなんかのために、スタートラインに立つ事すら出来なかった。


 諦めをつけてからのオレはまるで燃えカスみたいな存在だった。そこそこの大学に受かり、夢も希望も目標もないまま日々を送っている。


 毎日が楽しくないわけじゃない。だが同時に、あれからずっと何かがポッカリ抜けたような感覚を覚えていた。楽しい時も、そうでない時も、何かが足りない。そしてそれが抜けた穴は、もう二度と塞がる事はない。


 そんなオレの生活にも1つ、大きな転機が訪れた。それがこの、バイオコップとかいうわけの分からない奴だ。


 銀河連邦の刑事、と言っていた。この星への不法な侵略の兆候を察知してここに来た、らしい。で、オレを気に入って、本人曰く『寄生』したんだそうだ。そのせいで、オレはわけの分からない怪物と戦わなければならなくなった。


 オレからすればデメリットしかなかった。得体の知れない怪物との戦いが延々と続く。いつ終わるかも分からない。


 怖いし、痛い。生身で受けたら確実に死ぬような攻撃を、オレはもう何度も受けている。相手は文字通りオレを殺す気なのだ。それこそ、文字通り死ぬかと思うような経験を、もう何度もしている。


 そして、称賛を頂戴するのはタイプB=バイオコップだ。世間はオレの事なんか知らない。就活のガクチカにだって絶対書けない。奇妙な話だが、オレがタイプBとして戦っている間、オレは何もしていない、という事になる。


 実を言えば、給料は出ている。バイオコップから金やら宝石やらを支給されている。確かに換金すればビックリするような額にはなる。しかし、本来そんな大金は必要ないのだ。命がけで戦って大金を手に入れるよりも、普通にバイトした方がずっといい。


 ある夜『もうヒーロー辞めたい』という旨の相談…‥というかケンカして、勢い任せにその事を聞いた事がある。


「大体何でオレなんだよ!!自衛隊員とか警察官の方が明らかに適任だろーが!」

「頼む!私と君は体の相性が抜群なんだ!」

「はあ!?」


 バイオコップの寄生のメカニズムを知ったのはこの時だ。人間の体に取りつくだけなら、どこの誰であっても問題はない。だが変身するとなると、人間側が拒否反応を起こして最悪命の危機に瀕する可能性が高いという。


 バイオコップがこの町を拠点にしたのは、この辺りに黒幕がいるのではないか、という推測を立てたから。そして、オレが選ばれたのは……ハッキリ言って、消去法だ。


 変身に耐えうる適性を持つのは、オレも含めこの町に3人いたらしい。1人は体質も気質もオレ以上にヒーロー向きだった。だが彼はまだ17歳。銀河連邦の少年兵禁止条約に引っかかる。そしてもう1人は強盗殺人を犯して塀の中にいた。


 で、選ばれたのがオレというわけだ。ヒーロー適性が高い、というわけですらない。


 ヒーローってこんなにもブラック労働だったのか……と、なってみて初めて実感した。先にあげた理由だけではない。日常生活との兼ね合いも簡単じゃない。そうでなくてもコイツはいちいちうるさい。とにかく、負担。負担でしかなかった。


 今までに経験した戦闘は7回。日本各地に現れる不明体に対し、遠方であればバイオコップのUFOに乗り、近場なら足で駆け付け立ち向かう。


 いずれも生きた心地がしなかった。しまいには夢の中でも、不明体と戦って死にかけた。こんな生活を続けていれば、オレのメンタルはぶっ壊れる。


 辞めたい、他をあたってくれ、という事はバイオコップに何度も伝えた。だがアイツは『戦ってくれ』の一点張りだ。他に人がいないんだ。この星の軍事力は、不明体への対処にはとても追いつけない。警察や自衛隊に任せたら、彼らに犠牲者が増え続けてしまう。


 そうこうしているうちに、バイオコップは

「少し外に出よう」

 と言い出した。


「そろそろタイムセールだろう」

 たまには役に立つ事を言う。アパートを出て徒歩1、2分の場所にあるスーパーのタイムセール。オレの大学生活はこのスーパーに大分助けられていた。


「そうだな。行くか」

「なあなあ、あの麻婆豆腐ってヤツもっかい食ってみたい!今度はちゃんとネギつけて!」

「わーったよ」

 寄生される事で、オレとバイオコップは味覚や視覚などの五感を共有しているのだ。こいつはうるさいだけじゃなくて、食い意地も中々のものがあった。異星の食事が楽しみなのだろうか。




 スーパー。

 小さなスーパーだった。買い物かごをカートに入れて、店内を回る。流行りの歌の、チープなインストゥルメンタルが流れている。野菜コーナーの辺りはオープンケースの冷気で肌寒い。


 ネギ、豚肉。買うものを頭の中で思い浮かべながら歩き続ける。


 タイプFとの戦いで、体についた臭いはまだ消えていない。ヤツとの戦いから時間は経ったし、新たに2体の不明体とも戦った。それでもニオイは消えていない。


すれ違う人々のうち数人がこちらを振り返るのも感覚で分かった。オレでさえ未だに慣れないくらいの、異様なニオイだ。


 そして。

「よっす、久し振り!」


 その声は、静かな店内には不釣り合いなくらいよく響いた。


 活発そうな女子だ。身長は160cm後半くらい。短髪でボーイッシュな見た目。半袖短パンで、まるで小学校の頃の同級生みたいな服だった。


 簡単にご紹介する。三村ミク。おれと同じ学部で、大学サッカーに打ち込んでいる。関西出身だ。ただ体を動かすのが好き、というだけではなく、高校時代にはインターハイに出場した事もある実力者。動画サイトに投稿されている公式ハイライトにも彼女が映っている……らしい。おれは直接見ていない。


 そしておれが挨拶するより早く、三村は

「巻田君全然教育史の授業出てへんやん!こないだまで皆勤やったのに…って臭っ!?」

 と大声を出した。


「何があったんその匂い!?洗ってないユニフォームの方がまだマシやで……」


「ドブさらいしたんだ、子供が野球ボール落としたとか言ってて」

 事前に考えておいた言い訳、というか虚偽。


「へー、それで授業行かれへんかったのか。災難やなあ」

 三村は特に疑う様子を見せなかった。


 それから日常的な事を少し話して、それから別れた。


 三村の事は嫌いじゃない。というか、この大学の人間の中でも好感度は高い方だった。あっけらかんとしてて、誰に対しても物怖じしなくて、オレにはないものを持っている。


 ただ、三村はサッカーが好きだった。すごく好きだった。よくサッカーの話を振られた。本人に面と向かって言った事はないが、それはどうしようもなく苦痛だった。




 数日後の昼間。


 おれ=千堂シュンジはアパートの一室の中にいた。いつもと変わらない。ちゃぶ台、部屋の奥の巨大な機械・プロジェクター。そしてちゃぶ台の向かい側に座り、軽薄な笑みを浮かべているマオ。左腕の、雪の結晶のタトゥーが目立つ。


 普段と違う事があるとすれば、匂い。香水か何か焚いているらしかった。部屋の隅に、赤いロウみたいなものが入った透明の容器が置かれてある。バニラっぽい匂いがした。


 ちゃぶ台には紙が置かれてあった。オレが描いた絵のコピーが置かれている。


 一言で言えばUFOだ。3、4メートルくらいの大きさ。茶色くて、三日月状の機体。機体には苔むしたような緑色の部分もある。半円の外側の部分が正面だ。


 正面には赤いモノアイがついている。ここから光線を出す、という設定だ。


 自作のUFOのデザインを宇宙人に見せる、というのも奇妙な体験だった。しかも当の宇宙人は怪訝な顔をして、こんな事を言い出した。


「改造車っすか?」

「……改造車?」

「あ、いや、千堂クンが知ってるわけないっすね。一昔前に、ファントゥス星人の暴走族がこういう違法改造の宇宙船に乗ってたんすよ」

 ……族車みたいに思われてるんだろうか?


「何にせよ、確かに受け取ったっす。必要なメダルもあるっすよ。で、須崎クンの指定通り、明日の午前11時頃に出現させる予定っす。

 今のところバイオコップは格闘技しか使ってないっす。空中から飛び道具を使う相手にどう対処するか、見ものっすねえ」


 おれはうなずいた。最初はめちゃくちゃ怖かったのに、最近はこんなやり取りにどこか慣れつつあった。


「ちなみに、この……改造車?の名前聞いてもいいっすか?純粋な興味っす」

「クレソーサー。中2の時に考えたんだ」

「クレソーサーね」

 マオは満足げにうなずいた。


「それにしても……こないだDVD借りて、特撮の映画見たんすよ。面白いっすねえ、あれ!」

「ホントか?」


 おれの声が上ずっているのが分かった。ネット上ならともかく、ぶっちゃけ面と向かって『特撮は面白い』と言われたのは、兄貴を入れて2人目だ。


「ホントっす、ホントっす!話も面白いし、何よりヒーローと怪獣の戦いがいいっすよねえ!空中で怪獣と宇宙人が飛び回りながら、光弾を打ち合うヤツ。あれは巻き戻し再生したっす!」


 ウルトラガイシリーズの、どの話の事を言ってるんだろうか?怪獣と宇宙人の、光線の打ち合い。宇宙人がウルトラガイの事だとすれば、マオが見てたのって……。


「もしかして、イエローアイズ?」


 マオは意外そうな顔をした。

「分かるんすか?」


 ウルトラガイシリーズの映画だ。見どころの1つは、当時の最新CG技術を駆使した空中戦。


 その後、答え合わせをした。正解だった。やはりマオが見ていたのは、イエローアイズだった。


「オレも初めてそのシーン見た時は、すごいとか通り越してもう呆気に取られてさ。CGってこんな事出来るんだって初めて知ったっていうか……」


 しばらく蘊蓄を話してしまった。迷惑だったかと思ったが、マオは

「ホントに好きなんすねえ」

 と笑っている。


「地球の文化は本当に興味深いっす」

 改まったように、マオは切り出した。


「物語とか、絵とか、音楽とか。わたしの星とはどこか似てる部分もあるけど、全然違うところもあって……。地球人は素晴らしいものをいっぱい作ってると思うっす」


 マオの口からそんな言葉が出るのは意外だった。地球人をもう3ケタ単位で殺しているのに、そんな事を考えているのか。


「ところで、本題に戻るっすよ。クレソーサーを召喚する場所について、一応千堂クンにも共有しておこうと思って」


 特撮の話をしていた時の浮かれ気分はスッと消えた。代わりに何か冷たいものが胸の中に入ってくる。


 バイオコップの宿主にニオイをつけて、正体を探る……兄貴の作戦はまだ続いていた。


「敵にこっちの狙いを悟らせないため、前のデッドレイブンはここから離れた中部地方に出現させたっす。でも今日は、本格的に宿主を捜索するっすよ。

つまり、今回はこの近辺に出現させる、っていう方針っす。場所なんすけど……」


 マオは一瞬言葉を切った。


「この街にはデカい公園があるっすよね?小学生から大学のサッカー部まで、色んな地球人が使ってるっす。それでいて、ホワイトリストに入ってる人間は普段寄り付かない。

 まずはそこに出現させるっすよ」




 同じ頃。

 自分の部屋で、オレは普段通りの生活を送っていた。パソコンでオンライン授業を受けながら、別ウィンドウでこっそり好きなキャラクターの絵を見たり。SNSで相互フォローしてる人にメッセージを送る。


 それから、時折自分のニオイも気にしていた。まだ全然消えていない。永遠に消えないんじゃないか、と思うほどだ。タイプFの悪臭は相当なものだった。


 人の絵を見るのは好きだ。版権ものもよし、オリジナルもよし。フォローしている絵師も何人かいる。自分もネットに絵を投稿していて、ちょこちょこフォロワーもいる。


 そんな風に過ごしていると、急にサイレンのような音が鳴った。オレのスマホからだった。


 オレの気分は一瞬で吹き飛んだ。このスマホはバイオコップがいじって改造したものだ。ニュースアプリと連動した機能を付けてあった。不明体が出現した、というニュースが出ると、この音を出すようになっていた。


 オレはスマホを手に取る。電源を付けるや否や、画面にニュースのタイトルが現れた。


『速報 ○○公園に不明体出現』


 通算10体目の不明体だった。つまり、タイプI。


 オレは玄関まで突進していた。急いで靴を履き、ドアを開ける。


 不明体が出現した時はいつもそうだった。正義感が強い、とかじゃない。嫌々やってるくらいだ。断る事が出来ないだけだ。

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