第13話 深夜のコンビニと欲望の解放
どれほどの時間が、その背徳的な饗宴に費やされたのだろうか。俺の肉棒は、詩織の献身的な口淫と、瑠璃の挑発的な自慰によって、何度も、そして執拗に、その熱をほとばしらせた。枕元に無造作に転がっていたコンドームの包装紙は、あっという間に空になり、俺たちはついに、物理的な限界を迎えていた。しかし、俺の身体の奥底で燃え盛る欲望の炎は、衰えるどころか、むしろ、さらに激しく燃え上がっている。二人の少女もまた、瞳を潤ませ、火照った身体を俺に預け、次の支配を、次の快楽を、今か今かと待ち望んでいた。
このままでは、夜が明ける前に、俺の理性が焼き切れてしまう。いや、もう既に、焼き切れているのかもしれない。俺は、ほとんど本能的な判断で、彼女たちに告げた。
「……買いに行くぞ」
「「え……?」」
二人の少女が、同時に、きょとんとした顔で俺を見上げた。その無垢な表情と、今しがたまで淫らな行為に耽っていた姿とのギャップが、俺の心をさらに掻き乱す。
「コンドームだ。もう、ないだろ」
俺がぶっきらぼうにそう言うと、二人は顔を見合わせ、それから、くすくすと悪戯っぽく笑い合った。その反応は、もはや羞恥心によるものではなく、これから始まる新たな冒険への期待に満ちているように見えた。俺たちは、まるで共犯者のように、互いの裸体に無造作に服を引っかけると、深夜の静寂に包まれたアパートの外へと、そっと忍び出した。
深夜二時。アパートの古びた階段を軋ませながら下りると、ひやりとした夜気が、火照った俺たちの肌を心地よく撫でていく。見上げた空には、星一つない。ただ、街灯の頼りない光だけが、アスファルトをぼんやりと照らしていた。俺は、ごく自然な動きで、詩織の腰に手を回し、自分の身体へと引き寄せた。彼女は、驚くこともなく、むしろ、それを待っていたかのように、俺の身体に、こてん、と頭を預けてくる。その反対側では、瑠璃が俺の腕に、猫のようにじゃれついていた。美少女二人に両脇を固められ、深夜の住宅街を歩く。その、あまりにも非現実的な光景。俺は、まるで自分が、この世界の王にでもなったかのような、万能感に包まれていた。
数分ほど歩くと、煌々とした光を放つ、砂漠のオアシスのような場所が見えてきた。コンビニエンスストア。二十四時間、決して眠ることのない、文明の灯火。自動ドアが、ウィーン、という間の抜けた音を立てて開くと、無菌室のような、人工的な空気が俺たちを包み込んだ。客は、俺たちの他に誰もいない。静寂を支配しているのは、店内に微かに流れる、気の抜けたBGMと、冷蔵庫のモーターが唸る、単調な音だけだった。
その、誰にも邪魔されない無人の空間が、俺たちの倫理観のタガを、完全に外してしまったのかもしれない。俺は、詩織の腰を抱いたまま、真っ直ぐに、衛生用品が並ぶ棚へと向かった。色とりどりのパッケージが、プラスチックの棚に整然と並べられている。俺は、その棚の前に立つと、詩織の耳元に、わざと聞こえるように、囁いた。
「……どれが、いくつ欲しい?」
その、あまりにも直接的で、下品な問いかけ。詩織の身体が、びくりと大きく震えた。彼女は、顔を真っ赤に染めながらも、決して俺から視線を逸らさずに、潤んだ瞳で俺を見上げ、震える声で、こう答えたのだ。
「ぜ、全部……とか……❤️?」
その、俺の想像を遥かに超える、淫らな答え。俺は、満足げに口の端を吊り上げると、棚に並べられていた、全ての種類のコンドームを、一つ残らず、買い物カゴの中へと、乱暴に放り込んだ。カゴの中で、プラスチックの箱同士がぶつかり、カラン、カラン、と乾いた音を立てる。その音が、俺たちの背徳的な行為を祝福する、ファンファーレのように聞こえた。
俺は、そのカゴを、詩織の手に、そっと握らせた。
「会計、してこいよ。お前の金でな」
それは、彼女に対する、絶対的な支配の命令だった。詩織は、一瞬、戸惑ったような表情を浮かべたが、すぐに、こくりと小さく頷くと、従順な雌犬のように、レジカウンターへと、一人で向かっていった。俺は、瑠璃と共に、その光景を、雑誌コーナーの陰から、静かに眺めていた。無人のコンビニ、深夜の静寂、そして、大量のコンドームを、恥ずかしそうに、しかし、どこか誇らしげに購入する、清楚なお嬢様。そのシュールで、倒錯的な光景は、俺の脳裏に、強烈に焼き付いた。俺たちの、狂った夜は、まだ始まったばかりなのだと、確信するには、十分すぎる光景だった。
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