第14話 コンドームの廃棄と不可逆な変化
コンビニからの帰り道、俺たちの足取りは、行きとは比べ物にならないほど、軽く、そして、どこか浮ついていた。詩織が大事そうに胸に抱えたビニール袋の中には、俺たちの背徳的な夜を、さらに深く、長くするための「弾薬」が、ずっしりと詰まっている。その事実が、俺たちの興奮を、じりじりと煽り立てていた。アパートの階段を駆け上がり、俺は、まるで自分の城に凱旋する王のような気分で、玄関のドアを開けた。
カチャリ、と鍵が閉まる音が、外界との完全な断絶を告げる。その音を合図にしたかのように、俺は、隣に立つ詩織の身体を、乱暴に壁へと押し付けていた。
「んっ……!」
詩織が、驚きと喜びに満ちた、甘い声を上げる。俺は、その桜色の唇を、もはや待つことなどできないとばかりに、貪るように塞いだ。コンビニの無機質な光の下で、かろうじて保たれていた理性の仮面は、この密閉された空間に戻ってきた瞬間に、粉々に砕け散っていた。舌と舌が、飢えた獣のように絡み合い、互いの唾液を交換し合う。詩織もまた、俺の激しいキスに、必死に応えようと、俺の背中にその腕を強く回してきた。
俺の手は、もはや意思を持つ生き物のように、彼女の服の中へと滑り込み、その柔らかな肌の上を、自由に、そして、大胆に這い回っていた。そして、俺の指先が、彼女の下着に触れた瞬間、俺は、ある事実に気づき、思わず動きを止めた。彼女のショーツが、信じられないほど、ぐっしょりと濡れていたのだ。
俺は、ゆっくりと唇を離し、驚きと興奮が入り混じった、複雑な表情で彼女の顔を見下ろした。
「……お前、コンビニで、興奮してたのか?」
俺の問いかけに、詩織は、顔を真っ赤に染めながらも、決して目を逸らさずに、こくりと、小さく頷いた。
「……うん……❤️ 陽介くんに、命令されて……みんなが見てるかもしれない場所で、あんなにたくさん、コンドームを買わされて……。すごく、恥ずかしかったけど……でも、それ以上に、興奮しちゃって……❤️ 陽介くんの、雌なんだなって、実感できて……嬉しかったの……」
その、あまりにも健気で、淫らな告白。公衆の面前での、あの倒錯的な支配と服従の儀式が、彼女に、これほどの快感を与えていた。その事実は、俺の脳を、強烈な電流で打ち抜いた。俺は、もはや、一秒たりとも我慢することなどできなかった。
俺は、その場に詩織を抱きかかえると、彼女のスカートを乱暴にまくり上げ、濡れそぼったショーツを、力任せに引き裂いた。そして、すぐそばで、その光景を息を殺して見つめていた瑠璃の存在など、まるで意に介さないかのように、俺の硬く猛った肉棒を、再び、詩織の熱い膣内へと、深く、深く、突き入れた。
「あっ……!❤️ あぁんっ……!❤️」
玄関の冷たい床の上で、俺たちは、獣のように、ただ互いの身体を求め合った。その時だった。俺の視界の端に、詩織が床に落とした、あのビニール袋が映ったのは。その中には、先ほど、俺たちの欲望を満たすために、わざわざ買いに行った、大量のコンドームが詰まっている。
社会的な規範。理性。避妊という、当たり前の常識。その全てが、そのビニール袋に象徴されているように、俺には思えた。俺は、詩織の身体を突き上げながら、その袋へと手を伸ばす。そして、それを掴むと、何の躊躇もなく、部屋の隅に置かれたゴミ箱へと、力一杯、投げ捨てた。
ガサリ、という、耳障りな音。その音が、俺たちの運命を決定づけた。
俺は、理性や社会的な規範といった、煩わしい鎖を、自らの手で断ち切ったのだ。これからは、ただ、本能の赴くままに、この二人の「雌」を、愛し、支配し、そして、俺の種で満たしていく。後戻りなど、もうできない。いや、する気もない。
俺のその行動の意味を、二人は、即座に理解したようだった。詩織の瞳が、驚きと、そして、悦びに、大きく見開かれる。瑠璃もまた、その場で立ち尽くしたまま、これから始まる、本当の意味での「饗宴」を前にして、ごくりと、生唾を飲み込んでいた。彼女たちは、俺が作り出す、この狂った世界のルールを、その身をもって受け入れ、自分たちの運命として、完全に受け入れたのだ。俺たちの、本当の夜は、今、始まったばかりだった。
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