告白したい人

天野

告白したい人

「無理だ!どうしてもできない」


 浅井和樹、16歳(高1)は困っていた。

 好きな子ができたのに、告白する勇気が出ないのだ。


「知るか」


 そう無慈悲なことを告げるのは、同い年のクラスメイトで友達の桐谷悠だ。


 2人は小学校からの付き合いで、こうして今も学校帰りのマックで愚痴を言い合う仲である。


「いつもより、冷たい!」


「いや、知らんし、そんなの」


「だけどさぁ。怖いんだよ後のことを考えると、失敗した時どうなるんだ?失敗したら学校で、一生笑い者になるんじゃないか……!?」


 和樹は元々は明るく、大体のことを勢いで乗りきるタイプなのだが、今回はそうもいかない。


 なんせ、一目惚れだったのだ。


「胸がさ!ドキドキしてどうすればいいか分からないんだ。何とかならないこれ?」


「俺は医者じゃない。そして、それは医者でも治せない」


「つーら!辛すぎ。はーーーー↑あーーーー↓」


「うるさい。他の人に迷惑だ」


 周りの人々がこちらに冷たい眼差しを送っている。


 悠はしょうがないとため息をついた。


「一つだけ解決法がある」


「ん?何?」


「勢いで、今すぐ告白することだ」


「いや、それができたら苦労しないよ」


「何だよ。お手本見せてやろうか?」


「は?」


「ず、ずっと好きでした。付き合ってください」

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告白したい人 天野 @xcgd4

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