第5話 牝馬はもれなくお姫様

「お嬢!」と呼ばないと反応しない姫様方がいます。号令がかかっていてもなかなか走り出さないお嬢さん、そんな時に指導員渾身の「お願いしますよ、お嬢!」の掛け声。テケテケテケテケ、走りました。


呼び捨てでこれやって!と言われてもツーンとそっぽ向きたくなる時あるじゃないですか。きっとそれです。号令は聞こえていて、合図も伝っているのに馬が動いてくれない。もう何でよ、、、と思いますが、そんな時、あぁ生き物に乗ってるんだなぁと一番実感する瞬間かもしれませんね。

まれに発生する落馬事故、でもそれは生き物と生き物の間で起きた事故です。決して暴走するロデオマシーンと化した暴走馬が人を落っことした訳ではありません。


さて、牝馬の姫様方、彼女たちはとってもデリケートなのです。「そこ触らないでちょうだい、なんなのよあなた」、ヒヒンと鳴きます。容赦なく脚が飛んでくる場合もありますね。男性が近くにいたならもれなく痴漢疑惑が浮いたり、浮かなかったり、、、はは。


姫様方、自己防衛はバッチリなのです。そんな彼女たち、好みがあるのです。子供や若い男性には優しい馬、おばさんには厳しい馬がいると噂でちょくちょく聞きます。筆者も例外ではなく、馬場で女の闘いを繰り広げることもままあります。


勝敗ですか?ご想像にお任せします。


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