果てしない徒労

女子高生のまま死ねたらどれだけ幸せか、考えること10年。白魚の肌も煌めく爪も全部なくなったら泥に埋もれた化石になるしかないんだ。ロマンチックでエロチックなキスシーンを空の上から眺めるだけで、雨に日は特別苦い果実を齧って泣く。残された選択肢に瑞々しさがないのは、ガラスを長い間磨き忘れてしまっていたからなの?

「腐敗」


水槽に沈められるような陳腐な虚勢なら、いっそ宇宙に打ち上げた方が綺麗な星になってくれる。本当に純粋で素直なものだけが浮力に逆らうことができるんだから。きっと僕は宇宙の塵に成り果てるんだろうね?でも悲しくないよ。だってそうしたらきっと誰かが僕を綺麗だと褒めてくれるでしょう?

「見て」


天使のラッパが吹かれたとき、君は蟻が整列するアスファルトを眺めていた。この世に未練がないと、神に誓える君になら無理心中も悪くないと思えたよ。でも結局僕らはまた今年もエアコンを切り忘れて風邪を引く。そんなありきたりな夏を過ごして、終焉の合図を聞き逃すんだと思うよ。

「夏休み」


水に包まれて生まれてくる子供はなんて幸せなんだろう。頬を伝う雫は星空よりも輝いていて、思わず流れ星がうっとりしてしまうほど純度が高い。歌詞がない子守唄は誰もを深い眠りにつかせて、世界は静謐さを取り戻す。次はあの子が言祝ぎに恵まれるように、僕らはシャボン玉を静かに膨らませよう。

「祝福」

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悟らずにいられない 柚子胡椒子 @yuzu_koshoko

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