隠し味には憎愛を
剥製の愛を砕くことは不可能だけど、満たされた欲情を供給することはできる。僕には血液型がないのだから、君との相性は最悪だ。だから赤い雫を目薬にすれば、僕は
「
夢中。夢の中。夢中。ステキな言葉ね。
夢の中で君を愛して、葬って、
夢の中でも君は燃える赤を纏っていたよ。
「夢中」
背骨が溶けるような恋をしようと13歳の少女達は誓った。無血の休戦協定は果たされなかったけど、少女達は相も変わらず花と口付けを交わしている。樹液は若さを欲し、少女は醜さを貪った。皺の数は美しさと比例する法律が貼り出されれば、彼女達の勝ち。
命を捧げる前提の恋なんて知らない少女達はいつの間にか糸を切り刻んで儚い友情へと手を伸ばす。結局は何も知らない、無知の罪だった
「裏切り」
通販で恋人を購入できる時代が来たら、僕らはおしまいだ。右クリックで条件を絞って首を絞め上げよう。生け捕りにできたら半額らしい。そして初回特典は焼肉定食で。
「技術革新」
嘘つきは一人ぼっちの始まり、ってなんで大人たちは教えてくれないんだろう?泥棒なんて可愛らしくも
誰も一人になんてなりたくないから、お花をたくさん配ってるんだ。自分の庭もないくせに、名前も知らないくせに、みんなに自分の花だと豪語してはしゃいでいるんだ。醜いね?
「花壇」
つり革が均等に並んで、電車に合わせて揺れ動いているのが羨ましい。大嫌いなあの子に抱擁をされて、それでも、なんだか、とても懐かしい匂いがしたんだ。泣きたくなるくらい、もっと抱きつきたくなるけど、私はあの子のことが嫌いだから、ささくれをいじることしかできないんだ。
「郷愁」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます