1:ワルコフ爆誕! その5
「
おい、
だな、全く、この時間ねーときに、ややこしい! ヒソヒソヒソ。
「有ったぁ!」
『音声ライブラリ:プロファイルイメージデータ』
今、ワルコフの文字チャット入力を、自動的に音声再生している音声ライブラリのおまけデータだ。猫耳キャラクタは、デザイン形状としてはポピュラーなものだし、
「姉さん、それ、似てるけど、ワルコフにあげた音声ライブラリ付属の、
「……いや、待て。取りあえず、ワルコフ、オマエ、あれだけあった、”特選おやつ”全部喰ったのか?」
「
凄まじく
「アレだけ有ったのに、よくも全部、喰ったもんだぜ」
ヤレヤレと手のひらを手のひらを天井へ向けるイケメン。
「あー、トボケなくていい。もー、怒ってる場合じゃない」
口笛を吹きながら、この場から離れようとしていた宇宙服が、嬉々として戻ってくる。スキップで。
「やっぱり、一回くらい叩いといた方がよくねえか?」
「
高速で口笛を吹き、走るように逃げていく、宇宙服。
「例の”謎椎茸”、”特選おやつ”換算で100個分。すぐに出せりゃ、勘弁してやれん事もない」
ピタリと止まり、わずかな自由度イッパイに、間接を
ワルコフから見れば、
その瞬間、宇宙服は、返答した。
「
そのかわいらしい口調と、元からカワイイ音声ライブラリの音声。何かの物まねでもしているのかもしれないが、誰も気にした様子は無い。
「は? ”海産物”? オイ、ふざけてる場合じゃねーぞ。椎茸はもう
「その小ささだと、……無いのかもしれないわよ。”余剰リソース”ってやつ」
ワルコフは、何もせずとも時間経過と共に、”余剰リソース”を体内に溜め込む。そして、その量に比例して巨大化する。”特選おやつ”の大量摂取なんてしたら、元々の大きさ2メートルよりも、大きくなることはあっても、小さくなるはずが無い。
「やっぱり、オマエ、
ワルコフを心配し出すHMDお化けへ振り向き、対峙していた相手へ隙を見せた小柄な少女。
その瞬間、凄まじいスピードで、ワルコフへ振りかぶる、逆上した特別講師。
AR表示の
ひょろろろろっ! ぽこっ
『音声ライブラリ:プロファイルイメージデータ』がワルコフの頭にヒットする。
エプロンドレスの猫耳キャラが現れ、
「ワルさぁん! ワルにゃんわぁ? どこに隠したんですかぁ!?」
そして、手当たり次第に、指先に
小さいアイコンのまま、ワルコフへ向かって飛んでいく、共有金庫の中身。
素手でも、アイコン化したAR・VR物体を選択し、投げたりすることは出来る。
『クイズ◯✕ガンマンのゲームデータ』
あっ! 俺のゲームデータッ!
接触する瞬間、キューブ状に変化し、即座にスコン!
『
紐が絡んだ板っぺらに変化し、スココン!
その他、『
『✕壊れたアイテム』
『✕壊れたアイテム』
『✕壊れたアイテム』
スコッ! スコン! スコーン!
直立不動のまま、側面に付いているスラスターを全開。横方向の動きだけで、すべてのアイテムを、確実に飲み込んでいく、宇宙服の
「
小さな宇宙飛行士は、”来いよ”と挑発する拳法家のごとく、揃えた指先をちょいちょいと動かしてみせる。
「おまえ、人間じゃねーだろ、返せ、俺のゲームデータ!」
反射的にワルコフに飛びかかる、
ノイズ混じりに、
燃料切れで、
その軌道は、まるで月面を飛んで歩く
「ちょっと、今すぐ出るわよ!
「
ぐりん。首を傾けるHMD。
「んーーー? アイツ、そういう
ぐりん。倒れたまま、同じく首を傾ける
煮え切らない男子どもの尻を、小柄な少女がキックする。
「取りあえず、しゃーねー。あれだ、手間と時間がかかるけど、小型銃とか全部売り払ってる間に、試験始めてて貰おうぜ」
「そうだな、全部かき集めりゃ、”特選おやつ”結構買えるだろうし、試験終了くらいまでなら待ってくれそうな気もしてきた」
「ワルさぁん! 今すぐー、
美人顧問は、金庫が消え、宇宙服へ投げつける物がなくなったため、やや冷静に問いつめ出す。ミミコフへの執着は凄まじい物がある。ひょっとしたら、一介のVR技術者に甘んじているのには、この辺も影響しているのかもしれない。
ウォロロン。ピーコンピーコン♪ 外から
「どうしたのルフトさん。え? お客さん?」
HMDお化けだけの主観に、メッセージダイアログが表示される。
トントントントン。階段を登ってくる足音。
開いたままのドアから、顔を出したのは、
成人女子高生にして、VR設計師:たこ焼き大介でも有る。
デニムのショートパンツに、薄手の白いサマーコート。柄シャツ&ループタイ代わりか、濃緑のネックストラップを下げている。背中には
本日は、準主役と言っても良い。
ゴチャゴチャしそうなコーディネートだが、美少女は何を着せても、
試作コード65”
その足下を、
AR物体へ、
AR対応
ましてや、素足で、蹴り倒したところで、さっきの
そして本日、美少女は、裸足ではなくハイソックスを装着していた。もちろん黒地に赤いラインが入っているデザインだ。
”
ガチン!ボキュン!ドドン!ボキュン!ボキュン! ガチーン!
―――パッパパパッパパパパパァーーーーッ♪
カヒューーーーゥイ!
トラップされ、上下逆の
「―――きとした正式
ズドドン!
上下逆さまの状態で
猫耳に、
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