1:ワルコフ爆誕! その4
「一種のぉ
呪術装置!?
オカルトじみてきたわね。
そういや、
なるコフー、
ダラララララァーン♪
部屋に内蔵されている、サラウンドスピーカーが、BGMを
ド派手なステージの中で、大きな箱の周りを、
部屋の壁に表示された映像は大がかりなマジックショーだ。
「オカルトじゃありませんよぉ。手品に使うー、種もぉ仕掛けもぉ満載のぉ、人が入れる大きな箱とかぁスカーフだとかぁ
ミミコフは、
「とにかく、ワルコフが”特選おやつ”食べちゃったんだとしたら、”余剰リソースに類する物”、『
小柄な少女が凛とした声で、
「見えない瞬間にー、
実妹の
「何言ってるの? 姉さん? いつにも増して、ワケ解んないんだけど」
「や、コレじゃね? 種と仕掛けを、見せないことが、
「そしてぇ、種も仕掛けもー、気づいてしまったが最後ぉ、手品がぁ有する魔法はぁ2度とぉ成立しませぇん」
―――と言うわけで、ワルにゃんを
教え子たちに向かって、徒手空拳の構え。声のかわいらしさが邪魔をして、余計に、凄みを感じない。
……あれ?
どう言うこと姉さん?
笹ちゃん先生?
生徒組が、にわかに、ざわめく。
取り上げられ、生徒たちの背後の段ボール箱に突っ込まれている、魔女帽子。その戦力不足を補うつもりなのだろう。
スカートのポケットから取り出した、VR開発者
おそらく予備にするため、いつも持ち歩いている物だ。慣れた手つきで開いた手首に巻き付けた。
真っ黒
その顔には、一昨日、同じ光景を見たぜ。ああ、俺も見た。と書いてある。
ミミコフは現在、
開いたままの宇宙服も、本物にしか見えない解像度で、床に影を落としている。
「うふふふふぅ―――音声入力」
椅子から立ち上がった笹木特別講師は、その腕のデバイスに、オレンジと赤でデザインされた、”
それはそうだろう、既に、現時点で、”
「管理者権限:行使―――」
戦闘態勢へ移行した、VR専門家は、半開きの宇宙服と、その上に座っている
卵、いや、
「フニャァーーーー……ニャュ!?」
不意に暗くなった天井を見上げ、何かを目撃し、尻尾の先までを逆毛立てる
「何だぜっ!? 何が見えたんだぜ!?」
「必死か、イケメン……きょうは大人仕様だったからな」
ボソリと
「何で、アンタが知ってるのよっ!?」
「何で、オマエが知ってんだぜっ!?」
「おい、ソレ、首から下がってる
HMDお化けは、しゃがみ込んで、自分のコメカミの、
確かに、全長20センチ程度の動く、猫耳メイドさんは、首から掛札を下げている。 彫り込まれている名目は『営業中』ではなく、『耳コフ』。
その『耳』の左に『WARWARA』『MIMIKOV』と二段組の小さな文字。その更に左に、デフォルメされた猫耳っ娘のシルエットが彫り込まれている。
そのシルエットの末尾。妙に存在感がある、猫にしては太い尻尾も、とてもよく再現されている。
「姉さん? ホントに時間無いわよ?」
痛って、何すんだよ。
『08:16:55UST+9』
「だってだって、ワルにゃん、せっかく
と、フワフワ広がるスカートを押さえ自分の足元を見る
急に、室内灯の光にさらされ、まぶしかったのか、
「ふにゃッコフ!」
その
「当方には、『ワルワラ=ミミコフ』という、れっ―――スコン」
何故か、
「「「あっ!」」」
「ワルにゃぁん!?」
生徒たちも、一応ミミコフを案じてか、宇宙服を囲んだ。
「―――ワルにゃーんっ!」
ふえーーーん、ええーーーんと、子供の声で、大粒の涙を落としていた、うら若いスタイル抜群の美人はスックと立ち上がった。
「だから言ったのにー! 本来、野良NPCが継続して存在できる確率はぁ、とぉーっても低いんですからねぇー!」
コウベちゃん達が珍しいのっ、ワルさんなんて問題外っ!
キッと、生徒たちを睨みつけるが、
それにキツい視線は、
ポコン♪ポコン♪ポコン♪
「何よ?」「な何だぜ!?」
辺りを見回す、
「共有金庫に何か入ったぞ?」
半透明の格子状のグリッドの中に、
『クイズ◯✕ガンマンのゲームデータ』
コレ、ワルコフの野郎に
『
コレは俺が、モノケロス戦の準備で使ったヤツだろ。
『音声ライブラリ:プロファイルイメージデータ』
コレは、『禁則事項リストボックス』に入れたヤツよね? なんで共有金庫に入ってんのかしら?
「
「何故でしょうって、オマエが知らなきゃ、誰が知ってるってんだ!?
バーニアを噴射し、立ち上がった、全長25センチの宇宙服は、全身で
「「「ワルコフッ!?」」」「ワルさぁん!?」
「オマエ、大丈夫なんか! その
「すっごく、気持ち悪かったんだからねっ!?」
側面に入った一直線の切断面で薄くスライスされたようになって、気密漏れ所ではない有様だったことなど、お構いなし。腰には、さっきまで見当たらなかった、
依然と変わらぬ姿の、
「
音声は作業台の上から届く。
「ワルさぁん! ワルにゃんは、どごぉーーーー!? うわぁーーん!」
「姉さん、
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