7:祝勝会 その1
「それ、
姿勢正しく椅子に腰掛けた、
見方によっては無骨な
「要らん子扱いは、可哀想じゃねーか」
ピピチュイ♪
羽ばたく、半透明の小鳥。
「なあー」
と、
ビョビョビョーォン♪
謎の効果音が発生する。
町中の、
デジタルペットや、スターバラッド
「ちがう! そっちの、
コッチと、小皿に乗ってる抹茶色を、
「要らなく無えよ、俺ワサビ大好きだっつの!」
小皿をマイ箸で引き寄せる、
振るだけで付着した汚れが
「この本
「何だってー!? 益々、笹木にゃやらんぞ、俺が食う」
ここは、学園
立ち食い専用のカウンターを抜けた、奥に用意されている、結構な広さの部屋だ。大きなテーブルが並んでいて、やや本格的な、……お値段的にも本格的な”せいろ
特区内の食堂で出される蕎麦・うどんも全てここの本店が、
ずぞぞぞっ。
「こりゃ、イケるぜ!」
大量に付いてきた小皿の薬味を、次から次へと試していく
「ほんと、どすなあ。……薬味の種類も……
小柄な女子生徒は、
―――テーブルの大きさに対して椅子が少ないのには訳があったらしい。
小さいお
”天せいろ
『※2016年6月18日(土)現在―――
それによれば、”天せいろ
「
「ずぞぞぞぞっ! ……鳥は好きですよ。なんかカワイイし」
たたた。小さな足音をたて、
これほど、小さくて、美少女フィギュアみたいなのがウロツいてたら、約一名、喜々として飛びかかりそうなものだが、ここ数日で、いい加減、免疫が付いたのかもしれない。
美少女フィギュアは、ガシリと抹茶色のズングリしたボディーをひっつかんで、
小鳥は、スケールサイズが”15センチ”に満たないため、実寸大で出現している。
「あらあらぁ? 焼き餅かしらぁ?」
全員が特上ざる蕎麦を
とたたたた。
小鳥は、
テーブル上には、薬味小皿、せいろ、
それらを華麗に
クルリと振り向き、抱えている洋梨のようなフォルムを、
「やっぱりお前等、仲良いーんだな、安心したぞ」
―――具体的には、上半身をひねり、
ぼちゃん!
「わっ!
「
なにやってんのよと、
小鳥は光の粒子と共に、
「見事な
ピチチッチ♪
小鳥が羽ばたき、
「どしたんだせ? 鳥?」
ピチチッチ♪
「ん? 何よ、その
すさまじい勢いで、くるくると旋回し続ける小鳥。
「……ひょっとしてぇー、
ビビビヂヂヂッ!
耳が痛いほどの重低音で、
耳を塞ぐ一同。
「うっせーな。……コウベの回転技は、お前、発案なんか?」
ビビビッ―――!
再び重低音で、
「なんか、そうみたいね」
そう言いながら、
海老天を箸で掴み、満面の笑みを浮かべる、笹木特別講師。
「私の”にゃんばる”もぉー、連続技にはぁー、回転系がぁー、沢山ありますよぉー❤」
「まあな、回転技とか円の動きとか、よくマンガとかゲームで格闘家が使うしなー」
筋骨隆々のイケメン男子生徒は、宝石箱のような、天ぷらの乗った
「あれ?
「それは、……通常の戦闘の時に、……使うと思いますえ」
VR設計師:たこ焼き大介。成人女子生徒、
「ボス戦でぇ、しかもぉ、……はぐはぐっ……こっちがぁ”
姉さん、落ち着いて食べて。
「……これでハッキリしましたね」
ずそそっぞ。もぎゅもぎゅもぎゅ。
巻き毛をかきあげ、
顔を上げた視線が、泳いでいた
「……そうですねぇー。”
そして、本日午後、調子に乗って行った、”
「お前等、俺たちがやられた後、
「だって、
小鳥の首を絞める、小さな
ピピチュイ、ビビジュイ―――ッ♪
小鳥も、何かさえずってたが、途中から断末魔に変わる。
食器のぶつかる軽やかな音に混じる、
「そうどす。……”試作コード65”は、……
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