予定通り
突然、ミア/俺の視界にメッセージが現れた。
メッセージの内容は敵の出現。
三度目の攻撃だ。どういう仕組みかミアは敵が現れれば警報が出るよう、自分の脳に
「ちょっとミア、どこに行くの?」
リプの制止に耳を貸さず、ミアは仕事を放り出して駆け出した。基地の外に出ると地下街の中で適当な部屋に飛び込み、喉の
眼の前に空が見えた。その
カメラも見当たらないのにミアはどうやってこの視点を得ているんだ? ミア/俺の見えている映像に
ミアの
ミアが支配した
『今すぐ
ミアが
♦ ♦ ♦
会議室の
「リアサターセ!」
スフォーセネが
「分かっている」
リアサターセは計器を操作し、どこからハッキングされているか突き止めようとする。
他の者たちは、ただ
しかし、それの警告よりも先にプミアィエニが宣告する。
『お聞きなさい、
「ムーアたちではない⁉ 誰が話しているんだ?」
シュピヤーが
♦ ♦ ♦
『あなたたちの抵抗は全くの無駄です。今すぐおやめなさい。そして投降するのです。
これを聞き入れずまだ抵抗するのなら、わたしの敵と見倣し、今ここで
なんて尊大にして
この
俺だけが戦慄していた。
俺だけに見える今のミアの内心には、闘いを避けられないことへの諦念と静かな悲しみだけが漂っていた。彼我の戦力差を正確に分析し終えたミアの心には『敗北の可能性』というものが存在しない。こちらの損害は
これは予想ではない。確定した未来だ。
ミアは純粋、世間知らず、お人好し、疑うことを知らない。いつでも一生懸命で健気だ。そして心優しく、泣き虫で放っておけない、か弱い存在。
一方で、ミアは敵を冷静に戦力分析していた。特に意外だったのは、情緒豊かでお人好しなミアが、戦力分析に関しては機械のように冷徹に判断を下していることだ。敵の実力は個人差があるので予想に幅があるけど、それを考慮した上で同時に一四四機程度なら一一機で闘って苦戦しないこと、実際は八〇機程度しか現れないことを予想していた。
ミアは一体何者なんだ?
俺は底の見えない、途轍もない化け物の中にいる。
『舐められたものだな。
『だが俺の判断は変わらない。当初の計画通りに行動し、駆除する。これは只の単純作業だ。
今更、警告も不要だろう。後悔するんだな。今から貴様らを殲滅する。他の仲間もあぶり出してやる』
言い終わると同時に、
闘いの火蓋は、『一機の
敵も味方も、誰もが驚いただろう。ミアを攻撃した
何が起こったのか、誰にも分からなかったはずだ。
ミアの中にいる俺だけが真実を知っている。敵が話している間にミアは、交渉決裂だと判断して次の行動の
♦ ♦ ♦
「オステリノス‼」
カルムグス
「どういうことだ⁉」
ソゥトーヒューイは隣に座ってうなだれるオステリノスに訊ねた。彼等は戦場となった廃墟街から遠く離れた軍用機の機内から遠隔操作している。
「俺にも分からん。あれは
オステリノスが忌々しげに答えた。彼にとっては予想外の屈辱だった。
しかし彼は、いや彼等は未だにプミアィエニの実力を過小評価していた。だからまだ知らない。彼等が完全な敗北を被ることを。
爆炎の中で加速し姿を現したプミアィエニの
「追うぞ」
まだ若いが
「もちろんだ。このままで終わらせられるか‼」
憤慨してソゥトーヒューイが答えた。ソゥトーヒューイたちの
「逃がすかよ!」
ソゥトーヒューイは叫びながら
一度、秒速三.五キロメートルの
「チャンスだ」
プミアィエニ機が減速したことでソゥトーヒューイたちは距離を詰めていく。それが『
「俺が貰った!」
モディアーニ
プミアィエニ機は通りの突き当たりに立ちはだかる建物の一階の入口から中に潜り込んだ。追い掛けるモディアーニ機が減速が間に合わずに大通りから空に上昇した瞬間、建物の影に隠れていたプミアィエニの
「モディアーニ? くっそぉ!」
次々と撃墜されていく仲間たちにソゥトーヒューイは歯噛みする。
撃墜されたモディアーニ機の後に続くソゥトーヒューイ機は減速しながら建物の入口に入り込み、プミアィエニの
地球の高層ビルのような
ソゥトーヒューイ機はプミアィエニ機を追って建物内に飛び込んだ。
「な、何っ⁉」
ソゥトーヒューイ機の
突然、ソゥトーヒューイの視界が
「何だ? どうしたんだ?」
疑問には思ったものの、原因はともかくどういう状況に陥ったかは訓練での経験から分かる。
ソゥトーヒューイ機は突き当たりの壁を
激突によって建物に穴を開けて出てきたソゥトーヒューイ機は、幾つかの機能が損傷したがまだ動ける。とは言え、衝撃で
それを外にいたプミアィエニの
「
画面が再び
その状況を見たホロンゼヨン
「やられたわ。あの実力、敵は本当に
ホロンゼヨンは
しかしロンキナセ機も呆気なく撃墜‼
「何故だ⁉」
自信があったにも拘わらず回避に失敗したロンキナセは撃墜された事実が信じられなかった。
ロンキナセの
敵の
「誰だ? 誰が
ソゥトーヒューイはまだ生き残って任務を続ける仲間たちを茫然と眺めていた。
戦闘開始後六四秒、撃墜数五対
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