巡洋艦ルーペシネフ
虚空に
一つ、二つと生まれた輝きは一気に二万余りに増える。そしてそれらは光というボース粒子(
電磁波のスペクトルが目まぐるしく変わり、
総計二万基の
人類における最大の射程距離を持つ兵器は最大射程距離千五百キロメートルのICBM等の
時は西暦二〇二〇年四月。そしてここは
その一人、メネウィーネ
しかし今のメネウィーネは落ち着きを失っていた。彼女の目の前に表示されたホログラフィを神経質に見詰めている。しばらく
「
それ以上は告げず、映像をクザナラフに送る。
「……どういうことだ?」
眼の前に映し出された文と映像の報告書に目を通したクザナラフは首を
「私としても信じ
「うむ」
由々しき事件が発生していた。この近辺の複数の
主に惑星の治安維持で使用される
だが、それは更に予想外の成果をもたらした。
「確かに、ポリオーファトの言う通りだ。行かねばならぬ。何が起こっていようとも」
そしてクザナラフはルーペシネフに告げた。
「ルーペシネフ、
『畏まりました』
『只今より本艦は
すかさずセネンテュエ
待機中の者、および役割を済ませた者たちは各自の座席に深く身を沈める。座席の前面に現れたフードが座席ごと乗組員を包み込み、卵型のカプセルとなる。『ホロスト・ヨーロ液』という液体がカプセルの内部に注入される。ホロスト・ヨーロ液はカプセル内を満たし、人はその中に沈む。呼吸ができないが、窒息する前に仮死状態になるので問題ない。ホロスト・ヨーロ液に浸された人は
艦内のシステムがことごとく停止し、乗組員も問題なく仮死状態になったことを確認したメネウィーネは、自らも仮死状態に入った。照明も消えた暗闇の中、最後に残ったクザナラフも仮死状態になる。それらを確認した
艦内が、
そこから数十光年先の、何もない空間に
虹色の光は全長二六六〇メートルまで拡がると特定の
乗組員は仮死状態から蘇生し、システムが再起動する。フードが開いて再び座席に変わる。乗組員たちの
「
彼女の
「間違いないのだな?」
今まで数百回と行った
「……はい」
歯切れの悪い返答。しかし彼女には他に答えがないのだ。
ここは
しかし、クザナラフたちの眼前に拡がる光景は、そのような『事実』を裏切っていた。
「考えられる可能性としては、
転送先とそっくりだがわずかに違う宙域にいる。
星が突然現れた。
この星はこの宙域の外から見えない」
「どれも考えられないな」
右腕として信を置くポリオーファトの言葉をクザナラフはあっさり切り捨てた。もっとも、進言したポリオーファトも本気で信じていない。一方でメネウィーネも、口では否定したクザナラフでさえも、ポリオーファトの仮説を完全には無視できないと感じていた。ポリオーファトの提案はどれも受け入れられるものではないが、その中のいずれかが真実ではないだろうか。もし全てが違うのなら、予想もできない何かが答えとなる。
空間は天体の引力によって歪曲する。しかし無数の天体の引力を差し引いた後に、なお残った歪みがあった。通常では起こり得ない特殊な歪曲、自然現象に反して
それは、
クザナラフはこのことを三〇光年先で待機している
クザナラフ
少し離れただけで見えない
一体、自分の眼前に何が起こっているのか? クザナラフ
しかし、彼はこの時、
生涯に一度でも訪れることがまずないような稀有な機会に、クザナラフ・ゴルドフェイトは野心を
『本艦は前方、[Ⅻ]三.二
クザナラフは艦内放送で乗組員全員に告げた。セネンテュエが進路を惑星に向け、
この時の彼等は、更なる驚愕が待ち受けているなどとは予想だにしなかった。
更に彼等の向かう先には、信じられないことに彼等
そしてその惑星は『人類』によって『
このような
それが
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