~ epilogos ~  (甘め←詰めが甘め)

 ※ここからは、普通エンド以外のマルチエンディングです。最終話からの分岐ルートとお考えください。









 ………………………………

 

 い……


 き…………


 て………………


 い……………………


 る…………………… ?




 柔らかなぬくもりに目を開けると、そこには優しい笑みを浮かべる武藤さんの顔が間近にあった。


「武藤さん?」


 俺を抱きかかえるようにして。その背中には巨大で真っ白な翼が。


「人の世界に舞い降りた天使……。

 それがわたしの真の姿。

 あなたの翼はわたしの翼でもあったの。

 それを今だけはちょっと貸してもらったわ」


 何がどうなったのかわからないが……。


 俺も武藤さんも無事だったということだけは確かだ。


 それに、ミエラも市ノ瀬もエルーシュだって。


 武藤さんの瞳には悲しみの欠片はこれっぽっちだってない。


「最後の最後で……。

 やっぱり武藤さんに助けてもらっちゃたな」


 しかも抱きかかえられるという、男女の役割で言えば真逆の状態。


「わたしがこの姿を、

 わたしの背に翼が戻ったのは、

 全部石神君のおかげだから……」


 その言葉だけでもありがたい。


「帰りましょう。

 みんなの元へ。

 わたしたちが出会い、そして暮らした元の世界へ」


 武藤さんはゆっくりと翼をはためかせながら。


 旋回しながら降下していく。


 みんなの待つ元へ。元の世界へ戻る門をくぐるために……。

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