第10話 俺達の戦いはこれからだ
あの時、
実弾ではなく、痺れ効果を持つパルス弾だ。
少年院送りになったのは、佐伯達が連れて来たとある団体により処理された結果である。
緊急入院の費用や少年院送致までの手続きもすべて団体が負担。両親への説明も彼らが行い、ファンギャラ事件の事も、
そう、今回の大事件により、ファンギャラ事件とアバターの存在は世間、世界に公表されることになったのだ。
これにより、日本は世界から厳戒注意対象と見做されることになるが、そんな世界の眼から日本を守る目的で団体が呼ばれたと語られる。
事件の事後処理に皆が奔走する中、
「本当にこんな
「問題無い。我々の力を信じろ。ところでコーヒー飲むかい?」
「ああどうも。……凄く濃厚で美味しいですね」
「だろう? 自慢のエスプレッソだ。これから向かう民衆の意見栽培に一時の英気を与えてくれる」
「は、はあ……」
この外国人はやたらとコーヒーを勧めて来て、喋り方もコーヒー関連に例えることが多いので少し話にくいというのが、
「それよりも、僕が歌姫であるティンカーベルを助け出したって話した方がロマンチックに」
「確かにロマンがあるがそのブレンドはお勧めできない。
「あ、はい……コーヒー美味しいです。ありがとうございます。えっと……バ……」
「バックス。スター・バックス捜査官だ」
「ああ、はい。ありがとうございますバックス捜査官」
「本当にありがとうございますバックス捜査官」
「仕事だからね。
「そうだったのですね」
「そのインタフェイサーも問題無く使える筈だ」
「えっと、組織の名前は……せ、かんり……」
「諜報調査機関、通称アイラー」
組織の略称・通称を伝えると、バックスは微笑みながら去っていく。
小鳥は彼を見送った後、
「本気なのか?」
「ええ。私も一緒に戦いたいです。ウイルスの名残でティンクのレベルと能力も上がりましたから……」
「確かに……」
「でも
「御尤もです」
そんな
結果的に、シーネットに変身した
思い出すだけでも
そんなことがあってからか、小鳥とティンカーベルが共に戦いたいと言ってきた時は、
「これからは私も、インタフェイサーディーバとして共に戦うから、よろしくお願いしますね
「うん、こちらこそよろしく
2人とも、微笑み合い、手を握り合った。完全に指と指を絡めた恋人握り。
あの事件以来、少し歪んだ形ではあったがお互い想いが通じ合った結果である。
――俺達の戦いはまだ続く。黒幕の存在もある。俺達の戦いはこれからだ――
――――……――――……――――……――――……――――……――――……
――
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