Ⅸ:王(ワン)の訪問
「はい」
俺が今しがた着いたばかりの
「デイヴィスさん、さっきちょうど部屋の窓からアパートに帰ってくるのが見えたもんでね。実は故郷の
小柄な体格に比して大きく筋張った手を口元でくいっと手酌して、目と口元をかすかに微笑ませる。
「ありがたいが、もう30分ほどでまた仕事に出るんでね。バーで飲んできた酒も抜かなきゃいかんし。お
「そうですか! よかった! 実はうちの奥さんが、今アメリカの別な所にいる親戚の所に出かけてましてね。一人じゃ寂しいもんで、ちょっとでも相手してくれると助かりますよ」
そこまで言った所でふと口をつぐみ、ちらと俺の顔を上目遣いに覗くようにした。
「お仕事なら大丈夫ですか?
「いや、家にも置いてあるし問題ないよ。まず
俺が言うと
「わかりました。先に茶を用意しておきますね」
軽く頭を下げて、右隣の部屋へ帰って行った。
俺は会話を聞きつけてすでに立ち上がっていたミリーに、「
俺は、コップに入った水と
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