セドナさんと、魔法のレッスン?

―――夏の月、休日―――


澄み渡った空、快晴。雲一つなく日差しの眩しい日の出来事。

この日は休日で特に予定もなく、ジークはセドナに魔法の訓練をつけて貰う事となった。


「そうですわね。

 教えられる事も殆どないですが、私の特殊魔法でも教えますわ」

「いいのですか? ミディランダ家の相伝魔法なのでは……」

「優秀な孫弟子になら問題ないでしょう」

「ありがとうございます」


ジークは魔法使いとして実力者の領域に入っていた。

彼は四大根源魔法の上級は勿論の事、雷魔法と光魔法すら己のモノとしている。すでに、師であるグリーナから覚えられる魔法は、一部の特殊魔法以外は残されていなかった。


「今から教える特殊魔法は扱いが難しいですわ。

 手取り足取り教えますから、頑張りなさい」

「はい」

「では、力を抜いて……」


そう言うと、セドナはジークの後ろに回り体を密着させてきた。

彼女の豊満な胸が背中に押し当てられ、右手の綺麗な指はジークのお腹を撫で始める。甘い吐息と囁きが彼の耳元をくすぐり、もう一方の手は彼の胸に置いている。


「あ、あの……」

「……動かないで、今大事な所よ。ね」


ゆっくりと、指で刺激を与えながら囁く。

吐息が当たるように囁く。


「……魔法に、関係あるんですか?」

「勿論。私を疑うのかしら」

「―――いえ」


彼女の右手はゆっくりと焦らす様に、又は甚振いたぶる様に下腹部へと動き始める。じわりじわりと下へ動かし、左手は彼の胸をいじめ始めた。


「……そろそろ、不味いのですが」

「あら、何が不味いのかしら」


彼は理性を失い始めていた。

その甘美な刺激に、身を委ねたい衝動に駆られている。


「分かってますよね?」

「分かりませんわ。口できちんと説明しなさい」

「……離れて頂けませんか」

「魔法の練習のためですわ……」


彼女は離れようとしなかった。

彼の体は熱を帯び、鼓動と呼吸が浅く激しくなっていく。

耳元で彼女は囁く、我慢しなくてもいいのよ……と。


「……あら? どうしたのかしら」

「……」

「何か言わないと、分からないわよ……」


彼女の手は淫靡いんびに動き続ける。

右手は絶妙な部分を撫で続け、強弱を変えて焦らす様に指を這わせた。

すでに左手は彼の胸にはなく、彼の唇に情欲を掻き立てるように触っている。

彼女自身の鼓動も激しさを増し、夏の暑さのせいか二人は汗を流し始めていた。


二人の吐息が漏れる。

部屋からは熟れた果実の様な甘い香りが漂っている。

それは、彼の鼻腔から脳を誘惑する淫らな女の匂いだった。


「セドナさん……」

「……何かしら?」

「我慢……できなくなりそうです」

「フフフ、私もよ……」


彼女は、彼をベッドへと連れていく……。

火照った彼女は、一枚、また一枚と衣服を脱ぎ始める……。

露わになった彼女の艶かしい肌に、彼も理性の限界を迎えた。

彼も彼女の手によって、全ての衣服を取られてしまう。


そして、部屋の中には静かな音が響き始める……。

いやらしい、男と女の音だった……。

呻くような、喘ぐような声が外に漏れている。



        ―――ギシギシ

                 ―――ギシギシ



木が軋む。何の音だろうか。


二人分の体重を支えるベッドが、何かの動きに連動して軋んだ。

その軋みに合わせて、淫らな声が呼吸とともに溢れ出していく。

二人は汗をベッドに流しながら、激しく淫らに動き続ける。

その度にベッドは悲鳴を上げて、ギシギシと音を立てた。


そして男女は……ベッドの上で―――
























            ガバッ








ジーク「なんだ、夢落ちかよ……」  


ジークはホッとした様に二度寝した。   

                        おわり

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