妹弟子と、一緒に寝たい! その1

あれから、妹弟子の2人も魔法使いになった。


俺が魔法使いになった翌年にはハリティも魔法使いとなり、プリシャも最近になり魔法使いになれた。彼女達も単独での行動が可能になったとはいえ、まだまだ実力不足は否めない。特にプリシャがだ。


プリシャは自信過剰なところがあり、一人で魔物討伐に行けば危険が多いだろう。彼女の性格上、一人でも稼げるところを見せて自分の実力を見せたがるだろうが、慢心は危険だ。妹弟子の身に何かあってからでは遅い。そこで、俺と一緒に魔物討伐による実戦訓練を行うこととなった。


「ライナー。今日もよろしくな」

「ライナー! よろしくね」

「……モゥ」


相棒ライナーに挨拶をして荷馬車を走らせる。向かうは東の草原だ。

最近では特殊魔法を使った魔法付加効果エンチャントを付ける仕事が主なため、魔物討伐は久しぶりだった。せっかくプリシャがいる事だし、兄弟子としていい所を見せようと思う。


「2人きりで仕事をするのは初めてだな」

「そうだね! 私も荷馬車を買うお金貯めたいなぁ」


御者台に並んで座り、何気ない会話をしつつ俺達は魔物を探して移動していく。

魔物が近くにいれば、即座にライナーが反応して危険を知らせてくれる。彼は優秀な相棒だ。


「それにしても、プリシャも成長したね」

「そう? 魔法使いになったからね!」

「そうだね、背も高くなったしね」


プリシャの身長はすでに師匠を超えている。プリシャに抜かれた時の師匠の絶望した表情が忘れられない。それに、成長したのは身長だけではなかった。


「……」

「ん? どうしたの」


もう子供の頃とは違う。ハリティ程の胸はないが、そこそこ育っており絶妙なバランスと言えた。健康的な肉体に目を奪われるのは男としての本能だろう。決してよこしまな思いからの視線ではない。兄弟子として、日々の成長を見守っているだけだ。


「……なんか、視線がいやらしいよ」

「気のせいだよ」

「本当に? 興味もない?」

「興味はある(断言)」

「……あるんだ」


プリシャは、少し赤くなった顔を俯かせてモジモジとし始める。

その可愛らしい仕草を見守りつつ、俺は馬車を走らせ続けた。

結局、この日は魔物に会えずに野営する事となる。


「ごちそうさまでした!」

「ご馳走様でした」


夕食も終わり、その後は2人で魔法の練習をして寝る事となった。

もちろん、夜は魔物の襲撃を警戒して土魔法で迷彩をした大地の鎧に囲われている。


「さて、そろそろ寝ようか」

「うん、おやすみ」


うーん。昔は師匠やプリシャと一緒の布団で寝ていたのに寂しいな。

そう昔を思い出して寂しくなった俺は、その言葉を発してしまった。


「久々に同じ布団でプリシャと寝たいんだけど、ダメかな?」

「―――ふぇ!?」

「一緒は嫌?」

「ぇ、ぁ……い、嫌じゃないけど」

「それじゃ、一緒に寝ようか」

「ぅ……ぁ」


―――そして、深夜……。




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