第85話 社員食堂改革
新型コロナウイルス対策で、社員食堂内の私語が禁止になった。
食事中に会話がないのは寂しいものだ。
そう思っていたが、数日もすると静かな食事にも慣れた。そして、いつもより料理の味や香りがはっきりとわかることに気づいた。
おかずの味つけはもちろんのこと、みそ汁の出汁の香り、野菜の触感、ごはんの甘味といった、今まで感じなかった繊細な部分まで味わうことができるようになったのだ。
これには驚きだった。今までは、忙しい仕事の合間に空腹を満たすことだけを考えていて、味なんて気にしていなかったのだ。
でも、これからは違う。幸いなことに、社員食堂には日替わりでいろいろなメニューが用意されている。これからは、食事そのものをもっと楽しもうと思った。
その後、私たち社員は会社に対して食堂改善計画を提案した。社員食堂の料理が不味いことに、ようやく気づいたのである。
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