第105話 ウサギと亀


「やあやあ。亀さん、こんにちは。今日も駆けっこをしようじゃないか」

「やめておくよ。よく考えたら、亀がウサギに勝てるわけがない」


「おやおや。みんなにノロマな亀だとバカにされて、君は悔しくないのかい?」

「悔しくないよ。君はそう言うけれど、僕のまわりは仲間の亀ばかりだ。そんなことを言うものは誰もいないし、足が遅くて困ったこともないからね」


「やれやれ。君はもっと向上心を持ったほうがいいみたいだ。足が速い亀がいたら、きっとみんなの人気者になれる。この僕がコーチしてあげるから、挑戦してみたらどうだい?」


「そんなことより、君はどうして仲間のウサギと競走しないのかな。もしかして、みんなからノロマだとバカにされているのは君なの? もしそうなら、僕が悪口を言われても気にしない方法を教えてあげるよ。実は僕、そういうの得意なんだ」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る