第24話 無駄


 掃除するはずが、つい漫画や雑誌を読みはじめてしまうことがある。


 その日の俺も、気づくとマンガ雑誌を3冊ほど読破していた。

 午前中に終えるはずだった掃除は、昼を過ぎても、まったく進んでいない。


 壁際には、摩天楼まてんろうのようにそびえたつマンガ雑誌の山。ざっと数えても100冊以上はあるだろうか。


 せめて、これくらいは整理したい。だが、仮に1冊250円として、2万5千円がゴミになると思うと気が進まない。


 本棚に目を向ける。

 そこに並んでいる大量のマンガやゲームも、もう読まないし遊ばないものばかりだが、やはり捨てるには忍びない。思わず計算機で買った値段を足してみると、その合計金額は50万円を超えてしまった。


 どうせ売っても、たいした額にはならないだろうな。

 なんだか無駄な買い物をした気がして、ショックでごろりと横になる。


 窓の外に、キレイな空が見えた。

 自分の本当のバカさ加減に気づいたのは、その次の瞬間だった。

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