第22話 とある挑戦
物体Aは、不規則な振り子運動をしている。
目標は、この物体Aを僕が制御する物体Bと接続させ、同一運動をさせることである。だが、あと一歩というところで壁にぶつかっていた。
計画当初、AB間の最短距離はメートル単位だった。
しかし、物体Aを制御する人物と友好的な関係を築くことに成功し、数秒間ではあるが最短距離5センチを記録した。
問題は2つある。
1つは物体Aの運動を長時間観測できないこと。観測行為自体が計画を失敗させる可能性を高めてしまうのだ。
次に、これが最大の問題だが、物体Aとの距離が近づくほど、物体Bの制御が不安定になるのだ。
しかし私は、ある条件下において物体Aがほぼ静止、あるいは運動を弱める瞬間を発見した。その時を狙えば、成功率は跳ね上がる。
あと必要なのは、結果を恐れないというチャレンジ精神だけ。
そしてついに私は、赤信号で立ち止まった隙に、彼女の手とつなぐことに成功したのである。
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