襷リレーのような混沌たる火薬庫。

読み始めたばかりであれば、きっとその独特のメカニズムに困惑するだろう。視点は次々に切り替わり、群像劇でありながらそれは非常に局所的な小さなコンビニの内部で展開される。
慌ただしいそれは、しかし読み進むうちに危険な火薬庫であることに気が付き、始まりを最後まで読み終えた時、読者は作者の意図した仕組みに目を見張ることになる。テンポの良い作品。