爆走ケイトラバトル (4)

「ハーイ、お元気?」

「プリズマ!? お前!?」


 俺達の乗る軽トラックと並走するように現れたのは、大型バイクに乗った見慣れた人物。夢現怪盗プリズマだった。


「てめえ! 性懲りもなくまた現れやがって! 何の用だ? 土下座してガジェットを返しに来たのか?」

「あらあら。何の用とは、酷い言いぐさね。折角、大事なことを伝えに来て上げたと言うのに」

「はぁ? 大事なことって、何を言って……」


 そう、問い返そうとした瞬間。

 再び、背後から大きな叫び声が聞えて来た。


「先輩! あいつが、また追ってきていますっ!」

「なっ!? 振り切ったんじゃなかったのか!?」


 サイドミラーで後方を確認すると、写っているのは、確かに怪物、災害獣だ。

 悲鳴のような声を上げたと共に消えたと思っていたのに、今は、空いた距離を埋めるかのような猛スピードで迫って来ている。

 まさに鬼気迫るような迫力で。


「コハネ! アクセル全開だ!」

「やってます!」

「それにプリズマ!」

「あら? 何かしら?」


 俺は、並走するプリズマに向けて告げる。


「お前も、さっさと逃げろ」


 それを聞いたプリズマは、まるで予想外のことを言われたような反応を見せる。


「へぇ、まさかそんなことを言われるとは思いませんでしたわ。てっきり、バイクであいつに突っ込んで、足止めをしろでも言うのかと」

「うるせえな。出来ることならそうして貰いてえよ」

「じゃあ、何故?」

「お前は俺のガジェットを盗んだままだろ。あんな怪物に突っ込まれたら、下手にガジェットを乱用されたり、最悪紛失されたりする恐れまであるからな。だから逃げろ。でも忘れるなよ、いつか絶対に取り返してやるんだからな!」

「……そう」


 プリズマの顔に笑みが浮かぶ。

 それは、初めてあの美術館で会い、仲間に誘われた時にも見た笑み。

 親しい仲間に向けられるような笑みで。


「ふふん。ですから、私はアナタを手に入れたいんですのよ」

「……はぁ? 何を言ってるんだお前。だから早く逃げろっての。俺の金の為に」

「いいえ。私は逃げませんわ。たとえ、どんな災厄や危機が訪れようとも」


 瞬間、軽トラックが大きく揺れた。

 見れば、再び災害獣の触手が、軽トラックの荷台にしがみついている。

 急ブレーキをかけたように軽トラックのスピードが落とされる。

 背後から追ってきた災害獣は、すぐ側に迫り。

 延びたノズルの如き触手から、炎が今にも吐き出されそうに。


「――何故なら。私は、あの災厄獣を、倒す為に来たのですから!」


「ルドルフ今じゃ! スーパーウルトラサンダートナカイキック!!」


「スーパーウルトラサンダートナカイキッーーーーーーク!!!」


 その声と共に現れたのは、サンタのロザリアとトナカイのルドルフ。

 小っさいサンタと変態タイツトナカイのコンビは、流星の如き勢いを付けた蹴りを災害獣の本体に叩き込み、その動きを止める。


「お兄さん! お姉さん!」


 次いで現れたのは、ドラゴンに乗って大空を駆ける少女。

 少女は、サンタ達のキックによって動きを止めた災害獣に向かって行く。


「良かった。何とか間に合いました……」


 ロボットに乗った少年も現れ、その拷問器具かと見まごうロボットの武器を使用して、軽トラックの荷台に絡みついた触手を断ち切ってくれた。


 彼らだけではない。

 俺達が全力で置いて来たレースの参加者達も続々と現れたかと思うと、彼らは、協力して災害獣に攻撃を加えていく。

 それぞれの武器を、肉体を、ガジェットを使用し、ダメージを与えていく。


「――――ッ!?」


 1つ1つの攻撃は効かなくても、それが束ねられれば違う。

 俺達の攻撃ではびくともしなかった災害獣が、悲鳴を上げてもがいている。

 反撃とばかりに放たれる火炎も、連続して展開されるガジェットを前に減衰され、消えていく。

 いくらガジェットの防壁を突き破る火炎であっても、それが1枚ではなく、何枚もの防壁に阻まれれば別だった。

 幾多のガジェットに阻まれた炎は、誰を焼くことも無く、虚空に消え失せる。


「せ、先輩!? これは……一体!?」

「俺が知るか! おいプリズマ! 一体何がどうなってるんだ!」

「だから、あいつを倒す為と、言っているでしょう?」

「それが分からねえって言ってるんだよ! 何だよ倒すって!」

「実はレースの参加者全員に向けてアナウンスがあったのよ」


 プリズマは、優しく教えるように言う。


「レースの邪魔をしているあの怪物を倒せば、特別なボーナスを与えるって、ね」

「アナウンス? 特別ボーナス? 誰がそんなことを……って、いや」


 そんなこと出来るのは1人しかいない。

 『OZ』の社長だ。

 社長が、そう伝えたに決まっている。

 自らが主催したレースに現れた障害に対して、迅速に対応したと、そういうことなのだろうか。さすがに対応が早過ぎる気がしないでもないが。


「まあ、というのは一つの口実で。皆、割と楽しんでボコボコにしているみたいよ? だってこのレース、妨害やらトラップやらが多くて、ストレスばかりが溜まってしょうがないんだもの」

「まあ、そういうレースだからなぁ」

「そんなイライラが溜まっているところに、丁度ストレス解消に持って来いの災害獣が現れてくれたんだもの。そりゃ嬉々としてぶっ叩くでしょう? 皆、『ヒャッハー! 汚物は消毒だー!』とか叫びながら向かって行ったわ」

「そ、そうだったのか……」

「かく言う私も、色々溜まっているから、ちょっと参加して来るわ。特別ボーナスを他の奴に渡す訳にもいかないしね。本当にもう、どいつもこいつも!」

「ってちょっと待て! 行くのはいいけど、先に俺のガジェットを返せよ!!」

「行って来まーす。また会える日を楽しみにしてるわぁ」

「返せよぉぉぉぉ!!」


 俺の言葉も空しく、怪盗は怪物に向かって駆けて行く。

 俺から奪ったガジェットを掲げながら。

 使用すればするほど俺の給料が減るガジェットを、存分に使うつもりなのだろう。勘弁して下さい。ストレス解消に、俺の給料を減らすことはないだろ!


「――――ッ!!!」


 背後から聞える災害獣の悲鳴。

 もはや断末魔のようにすら聞えるその声に、俺達を追ってこようとする気概は感じられない。というか、物理的にも無理だろう。

 サイドミラーを見れば、見慣れたサンタが、トナカイが、怪盗が、ドラゴンが、ロボットが、配達員が、災害獣を攻撃している姿が見える。

 1人では敵わない相手。

 災害を司る、本来ならば人間が挑むべきではない存在。

 しかし、こうなってしまえば、話は別だ。

 怪物を倒すのは英雄の仕事かも知れないが、しかし、大勢の力を結集すれば、怪物くらいなんでもない。そんなことを示すような、光景だった。

 協力し、団結して、怪物に挑みかかって行く、英雄ではない、普通の人々。

 そんな、光景を見ながら。


「なあ、コハネ」

「何ですか、先輩」

「仲間って、良いものだよな」

「はい。そうですね」

「こうして、皆が手を取り合えば、普通は勝てないような怪物だって倒せる。力を合わせれば、どんな相手にだって挑んで行ける。1人1人の力は小さくても、集まれば大きな力になれるんだ。それはきっと、素敵なことだよな」

「はい、素敵です」


 感じ入ることがあるのか、コハネも、普段とは異なる感極まったような表情を浮かべている。


「じゃあそんな素敵なことの隙に、俺達はさっさとゴールするぞ!」

「本当に最低ですよね、先輩って!!」


 ぶん殴られた。

 俺が素晴らしい提案をしたのに、何故かコハネが全力で怒り出したのだ。


「な、何をする!?」

「先輩は! 皆さんに助けて貰って! 皆さんが団結している姿を見て! 何とも思わないんですか!?」

「思うさ。思うけど、でも今がチャンスだし。ほら、奴らは災害獣を倒して特別ボーナスを貰って、俺達はレースに優勝して優勝賞品をゲットする。WIN-WINの関係って素敵だよな」

「てい!」

「あ痛ぁ!?」


 また殴られた。


「仲間の素晴らしさとか言ってましたけど、先輩が言えることじゃないですよね!? 一体、どの口で言っているんですか。もう銀河系あらゆる存在に謝罪して下さい!」

「俺を何だと思っているんだ」

「ゴミ先輩」

「今凄いこと言わなかったか!?」

「ほら、さっさと乗って下さい。もうゴミ先輩の戯言に付き合っている暇はありません。こんなレース、さっさと終わらせてしまいましょう」

「訂正すらしないのか!?」


 コハネは、一度後方を確認すると、軽トラックを発進させる。

 もう妨害して来る相手もいないだろうが、念の為、辺りの様子を窺うことを忘れない。

 災害獣との戦いも、遥か後方。

 すっかり静まり返ったコースを、軽トラックは走る。


「あのな、別に俺だって、仲間の大切さとか素晴らしさとか、そういう恥ずかしいことを、真面目に考えることだって偶にはあるんだからな? 全く、仲間って最高だよな。俺が本気になれば、そりゃ仲間が100人は集まるから」

「へー、すごいですねー。仲間の素晴らしさを語れるほどの人望があったんですね―先輩に。私感心しましたよ」


 全く信じていません、というような顔をしやがったな。

 言わなくても分かるんだよ。

 まあ、今はそんな顔も、許そう。


「それに……」


 言いたいことが、あるのだ。

 喧騒も遥か遠く、静かに走る軽トラックの車内。

 何故か、今、ここで、言っておかないといけない気がして。


「いいか、コハネ。お前、何か勘違いしているようだから言っておくけどな」

「はい? 何ですか、ゴミ先輩」

「また……まぁ、いいや。いいか、俺はお前を仲間だと思ったことはないからな」

「……はぁ?」


 瞬間、コハネの感情が、怒りと消沈に満たされたような感触を得る。

 しかし、何かを言うよりも早く。


「お前は、俺の大事なパートナーだ」


 その言葉を告げる。


「仲間って言うのは、何と言うか、違う気がするんだよな。そういう、その他大勢のうちの1人じゃあなくて、お前のことは、さ」

「私が、ですか?」

「ああ、そうだよ」


 今、自分がどんな顔で言っているのかも分からないけれど。

 それでも。

 口にすべきことをちゃんと伝える、そのタイミングだと思ったから。

 機会を失って、ずっと後悔したことがあった。

 もう二度と、同じ後悔をしないように。 

 叶わない願いの前で、膝を突かないように。

 だから、自分が言いたいと思ったことを、ここで言う。


「コハネ。お前は本当に、こんな俺に、良く付いて来てくれたよ」

「あの先輩、何か悪いものでも」

「聞けって」


 普段の信用が足りないからこういう時に疑われるんだよな。


「もうすぐ、レースは終わる。俺達の優勝だ。そうすれば、俺の目的は達成されて、もう『OZ』にいる理由も無くなる」

「……はい」

「だけど、お前は。お前と一緒に変な世界に行ったり、変なものを配達したり、変な連中と関わったり」

「変なの、ばっかりですね」

「ああ、変な事ばかりだった。俺の手には負えないことばっかりだった。そんな中で、俺がここまでやってきれたのは、お前のおかげだ、コハネ」

「私の、ですか」

「ああ。本当に、お前には助けられたんだ。絶対に、俺1人では無理だった。自分の事だから良く分かっている。お前がいなければ、俺は逃げ出していたのかも知れない」

「そうでしょう、か」

「でも、無事に終わった。終わってくれた。ここまで、やってこれた。だから、本当に感謝しているんだよ。コハネ、俺のパートナーでいてくれて、ありがとう。最後のパートナーがお前で、本当に良かった」


 どうしても伝えたかった、感謝の言葉。

 しかしコハネは、困ったように微笑んだ。

 喜ぶのでも、戸惑うのでもなく。

 いつのもように、茶化すのでもなく。

 流れる汗を拭いながら、どうしたら良いのか分からないと、そんな風に。

 開けっ放しの窓から、涼しげな風が吹き込んで車内を揺らす。

 コハネのか細い声は、そんな風に邪魔されて、はっきりとは届かない。


「でも、先輩。そこまで言うのなら、もっと、私と……」


 風の音が、止まない。

 そんなコハネの最後の言葉を、聞くよりも早く。

 俺達は。

 当たり前のように、レースのゴールに滑り込んだ。


   ◆    ◆    ◆         


 そうして、無事にゴールにまで辿り着いた。

 一時はどうなることかと思ったけれど、何とかこうして達成した。

 しかし、それほど感慨深いものではない。

 既に、やるべきことは全て終わっているのだ。

 言葉も、心も。


「……終わったな」

「…………」

 

 目当ての人物を見つけ、その前に軽トラックを停車させた。

 何処か晴れやかな気分で扉を開けて、軽トラックの外に出る。

 コハネもまた、ゆっくりと軽トラックを降りた。

 その手は、まるで寒さを堪えるかのように、自らの身体を抱いている。

 

「やあ、ヒビキ君、コハネ君、優勝おめでとう! 君達が一着だ!」

「……社長」


 レースの結果を伝えてくるのは、『OZ』の社長。

 この珍妙なレースを開いた張本人。

 決して気を許してはならないと、そんな風に思う男が。

 その目を正面から見つめて、言う。


「社長。望み通り、レースで優勝してやりましたよ」

「うん、ご苦労様。完走で良いって言ったのに。まさか優勝までしてみせるなんてね。大分苦労したんじゃないのかい?」

「誰のせいだと思っているんですか。レオンや他の社員を焚き付けて、外部の奴らまでレースに参加させたのも、全て俺達を邪魔する為だったんでしょう?」

「そうだね。全ては、私の指示だ」

「認めるんですか?」

「ああ。社員の皆には、嘘を吐かないようにしているんだ。信頼されたいからね」

「……ああ、そう言えば、他にも邪魔をされましたっけ。災害配達人とか言うおかしな奴に、災害獣とかいう怪物をけしかけられましたよ」

「ああ、それも把握しているよ。レースの参加者皆に、あの怪物を排除するよう依頼もしている。ヒビキ君も襲われて災難だったね。怪我はないかい?」

「いけしゃあしゃあと……それで、よくも信頼されたいなんて、言えますね」

「ハハッ。何のことか分からないな。他に、何か聞きたいことはあるかね?」

「……ふん」


 まだまだ色々と言いたいことはあるが。

 どうでも良いことだ。終わってしまえば、それで忘れてしまえる。

 あんな奴もいたねって、思い出話をする程度の相手でしかない。

 今の俺にとっては、優先順位が低い、そんな存在でしかない。

 だから、何も心を動かすことなく。

 1つ、別れの挨拶でも言ってやろうかと、社長に向けて近付こうとして。

 しかし。


「……ッ!?」


 そこで、とてつもなく嫌な予感が、俺を貫いた。

 取り返しのつかないことになっていると、頭の中で警報が鳴っている。

 何か、致命的に終わっている何かが、そこにあるのだと。

 弾かれたように、後方を振り返る。

 そこには、コハネが立っていた。

 俺にとって最高の、そして最後のパートナー。

 そんなコハネは。

 儚げに、笑って。


「先輩……」

「コハネ? どうした?」

「……ごめんなさい」


 ただ1つの言葉を残して。

 コハネの身体が、その場に崩れ落ちた。


「おい!!」


 慌てて近付き、その身体を支える。

 どうした、お腹でも痛いのか……そう心配して支えたその身体は、酷く熱かった。燃えてしまいそうな程に、高熱を発している。

 おかしい。

 軽トラックを運転して来たコハネは、こんな熱を出しているなんて様子を見せなかった。いつもと変わらない様子で俺と話し、運転をしていた。

 いや、違う。

 それは、きっと、俺が気付かなかっただけだ。

 最高のパートナーだと、そんな風に呼んでおきながら。

 そんなパートナーの身に起きている異常を、見逃したのだ。

 自分の鈍感さに腹が立つが、そんなことは本気でどうでも良い。

 今は、倒れたコハネをどうにかしなければ。


「――ッ!?」


 そう思って、コハネの身体を抱いて。

 更なる異常に、気が付く。

 手のひらに残った、嫌な感触という形で。


「何だ、これは……」


 コハネの背中。

 軽トラックのシートのせいで見えなかったそこに、大きな亀裂が走っている。

 亀裂は、コハネの制服どころか、その背中までに広がっていた。

 どう見ても致命傷となるような、そんな傷。

 あの怪物にやられていたのだろう。

 恐らくは、触手の攻撃から俺を庇った時。

 あの時、無事に見せていたコハネの身体は、実は大きな傷を負っていたのだ。

 しかしコハネは、俺に心配させないよう、傷を隠し。 

 愚かにも、俺は気付けなかった。

 しかし。


「……何、だ?」


 真に驚くべきは、傷の、更にその先。

 本来、そこにあるべきものとは、様子が明らかに違っていた。

 これだけの傷を負えば、普通は血が噴き出すものだ。

 しかし、コハネの場合はそうではなく。

 血など、一滴も流れることはなく。

 その、代わりに。


「何なんだよ、これは!!」


 コハネの背中に、一文字に刻まれた傷口。

 焦げ臭い匂いと、散る火花。

 その向こうに見えるのは、無数の部品を組み合わせた無機質な色。

 そこにあるのは、純然たる機械だった。


「苅家ヒビキ君。今まで、ご苦労様だったね」


 茫然と、コハネを抱えるしかない俺の所に、不意に影が差す。

 祈りを捧げるような気持ちで見上げてみれば、そこにいたのは社長。

 普段の、人を食ったような様子ではない。今までにない、真面目な顔で。

 俺から、コハネを半ば強引に引き離して。

 何かを悼むような、悲しみを湛えた顔で告げる。


「後のことは全て私に任せて、君は、妹さんのところに向かうと良い」

「何を言って……コハネはどうするんだ!!」

「彼女の……コハネのことは、もう心配しなくて良い。このレースを完走したことで、君の役目は終わったんだよ。だから、これ以上君がやるべきことは、何一つないんだ」

「はぁっ!? お前、何を言って!!」

「様々な妨害を乗り越えてレースを完走して、彼女はまた一つ成長した。このような結果になってしまったことは残念だが。しかし、決して無駄ではない。だから、君が気にすることもない。全ては、私が望んだ通りに進行しているのだから」

「こんな……こんな結果が、望みだと!?」

「そうだ」


 そこで、社長の口調が変わる。

 無意識のうちに押し留められてしまう程の、異様な威圧感を纏う。


「だから、君が関わるのはここまでだ」


 そんな。

 俺の関わりを完全に拒む言葉。

 そして、目の前で苦しんでいる、人では無い身体を持つコハネ。

 目の前で起きた事態を、何も理解出来ないまま。

 俺とコハネを巡る何かの歯車は、確実に動き出した。

 逃れられない、終わりに向かって。



つづく

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