爆走ケイトラバトル (3)
突如として、俺達の目の前に落ちてきた怪物。
そして、その怪物の上に立っていた何者か。
そいつは、軽い足取りで怪物を蹴り、地面に降り立つ。
俺達の目の前へと。
「…………」
怪物ではない。
俺達と同じ人間、1人の男だった。
全身黒尽くめの格好……いや、その服には見覚えがある。
「それは……『OZ』の制服?」
男が着ているのは、俺やコハネ、『OZ』の配達員達が着ている制服と似た服。
所々に禍々しい意匠が施されているものの、基本は全く変わらない。
マントのようなものを背中に羽織って、軍帽らしきものを被っているけれど、それは俺達が見慣れた服だった。
と言っても、黒尽くめの制服だなんて、配達員が着る筈もない。
配達先の相手を威圧するかのような制服、一応はサービス業である配達員には有り得ない。
だから、そんな格好をしているのは、余程どうかしている人間か。
あるいは。
その格好に、大きな意味があるか、だ。
「おい、お前、一体何者だ?」
「…………」
「突然現れてレースの邪魔をしやがって。しかも何だ、その妙に偉そうな態度は。とっとと謝罪と共に有り金を置いておくか、今すぐ土下座して全財産を寄こせよ」
「あの、先輩の言ってること、ただの山賊なんですけど」
とにかく、相手が人間だというのならば、こちらも遠慮する必要はない。
怪物を相手にするのとは大違いだ。
ここまで、ドラゴンやら怪盗やらサンタクロースやら、とんでもない奴らを相手にして来た俺だ、今更こんな輩を相手に怯むつもりもない。
「……ハッ」
黒尽くめの男は、黙って俺の方を見据えると。
鼻で笑い、俺の事を見下すような表情を浮かべる。
よし分かった。こいつは敵だ。
もうとにかく敵だって、そう決めた。
配達員として過ごして来た俺の危険感知能力が敵だと言っている。
決して、いきなり笑われたことで何かムカついたからではない。
「よしコハネ、あいつを殴れ」
「って、私ですか!?」
「ああ、俺が許す。レースの参加者じゃなさそうだしな。ひと思いにやってやれ」
ここまで来てもコハネ頼りなのは自分でもどうかと思うけれど。
しかし、とにかく得体の知れない相手だ。最大戦力でひと思いに潰してしまうのが一番簡単だろう。
別に俺が手を下すのが嫌な訳ではない。
コハネに任せた方が楽だからだ。同じ殴るなら、楽な方が良い。
と、そこで目の前の男は、手を振るう。
コハネからも注意を外すことなく、気障ったらしい様子で帽子を取って、頭を下げてみせる。
「ハッ、そう焦るなよブラザー」
「誰がブラザーだ、不審者」
「とにかく、自己紹介くらいはさせて貰いたいものだよ。こっちにも、事情ってもんがあるのさ」
「こっちには無いけどな。お前をぶちのめせば、それで終わりだから」
「まあまあ、落ち着けって。こいつもそう言っているじゃあないか、なあ?」
「ッ!?」
男が再び手を振る。
それに反応するように、背後の怪物が動いた。
「何なんだよ、こいつは」
「こいつかい? こいつは、僕の……僕達の用意した、商品だよ。丹精込めて用意をした、自慢の商品さ」
「商品、だと?」
「ああ、そうさ!!」
言って男は、何かを投げつけて来る。
反射的に受け取ったそれは、1枚の紙。
そこに書かれていたのは。
品物 :
おところ : 深淵の世界に存在する遺跡跡地
お届け日時 : 苅家ヒビキがレースのトップに立った時
配送方法 : お急ぎ便
「まさか……配達伝票か!?」
「そうとも! 君は見慣れたものじゃあないのかい?」
そう、確かに、見慣れている。
チートアイテムを配達する時、その受領の証明としてサインを書いて貰う書類。
それが、俺の手にある。
配達員と良く似た格好をした男から、渡されるという形で。
「お届け先は苅家ヒビキ、確かに君だろう?」
「違います」
「そんな見え見えの嘘を吐いている場合だと思うのかい!?」
「やっぱり、ごまかされないよな。ああ、確かに、俺の名前が書いてある。それなら、聞きたいことは一つだ」
「ほぉ、何を聞きたいんだい?」
「一体、誰が、俺の所にこんな訳の分からない配達をするように言ったんだってことだよ」
こんな配達をされる、覚えはない。
他人の恨みを買っていないとはとても言えないような人生だけど、しかしここまでの贈り物をされる筋合いはないのだ。
誰が、こんなことをしたのか。
そいつは、どう考えても、マトモではない。
ついでに言えば、ただの人間に出来るようなことではない。
「バカだな、君は。そんな情報、機密事項に決まっているじゃあないか!」
しかしその男は、俺の問に答えることなく、大きく手を広げる。
「君は大人しく、こいつを受け取る以外にはないのさ。ああ、サインは要らないよ、素直に受け取ってくれればそれでいい! 返品は効かない! 何故なら持って帰るのが面倒だからね! お届けするのは、こいつさ!!」
何が面白いのか分からないが、男はテンション高く叫ぶ。
そのまま半回転し、背後の怪物を指し示す。
「不幸を撒き散らす怪物、被害を生み出す為の兵器! そう、こいつこそ、僕達が届けるべき商品! 出来立てホヤホヤの、災害獣が1匹『
本当に何が面白いのか。
俺の事を、裂けるような笑顔で見つめて。
「さあ、存分に楽しんでくれたまえ! それこそが僕達、災害配達員にとっての仕事だから、さぁ!!」
嘲るような声と共に、俺を目掛けて。
怪物が、一直線に突進して来た。
「退いて下さい、先輩!!」
「コハネ!?」
俺の背後から、コハネが飛び出した。
俺の身体を踏み台にするように蹴って、跳躍。
こちらに向かって来る怪物……奴の言葉を借りるならば災害獣を、迎撃する。
振りかぶったその拳には、既にガジェットの起動を示す光が輝いていた。
「とぉッ!!」
コハネの一撃が、怪物に叩き込まれて。
しかし。
「え、嘘ッ!? 何で!?」
コハネの拳はまるで岩でも殴りつけてしまったかのように跳ね返される。
災害獣の動きは止まらない。
「が、ガジェットが効いていない……けど、もう一発ッ!!」
コハネは地面を蹴り、再度の突撃を選択する。
身体を捻りながら、2度、3度と、ガジェットによって強化された拳が連続で怪物に突き刺さっていく。
並の相手ならばそれだけで沈むような攻撃を、しかし災害獣は耐え抜いている。
ガジェットの威力が足りないのではない。
単純に、その巨躯が、ダメージを分散しているのだ。
「このッ! このッ!」
それはまるで、巨大な山を相手にしているようなもの。
多少ダメージを与えたところで、その本体まで届くものではない。
それにしたって頑強過ぎると思うのだが、それだけの底力を、この災害獣は秘めているのか。
そして、災害獣は、ただ殴られるだけでは終わらなかった。
「コハネ、避けろ!!」
「えッ!?」
災害獣の触手が、鎌首をもたげるような動きをしたのを理解した瞬間、コハネに向けて叫んでいた。
俺の叫びに応え、コハネが後方へと飛び退く。
「危ない!!」
「……ッ!?」
間一髪。
コハネが飛び退いた場所に、災害獣の触手が伸び、まるで火炎放射器か何かのように、凄まじい勢いで炎が噴き出す。
複数の触手から噴出された炎は、地面を舐めるように広がり、燃え盛る。
遠く離れても、その熱気が伝わる程の高温。
その攻撃には、覚えがある。
「触手に炎……まさか、こいつは」
「そうさ!」
俺の気付きに応えるように、災害配達員と名乗った男が、高らかに宣言する。
「君らの『OZ』に配達した災害獣は、まだまだ幼体だったけどさ! だけどコイツは違う、こいつこそは災害獣の成体だ! 火災を司り、災害の権化たる災害獣の真の力を……その身で受け止めるがいい!!」
確かに、あの時『OZ』の地下倉庫で見たのと同じ、炎を吹き出す災害獣。
あの時は1本の触手だけでも、相当手こずったというのに。
こいつは、その何倍もの触手を備えて、ここにいる。
災害獣が吹き上げる炎の勢いは、あまりにも凶悪。
一つの触手からの炎が絶えても、それを補うように次なる触手が伸び、炎を追加していく。
それは確かに、火災を司ると言っても過言ではない。
まさに火災そのものを相手にしているかのような、圧倒的な存在感。
それこそが、奴の言う災害の獣なのか。
災害そのもの……そして、そんなものを配達するという、奴の言葉。
その裏に、どんな事情が潜んでいるというのか。
考えている暇はない。やがてこちらにも、火炎の舌が伸びて来る。
「ははは、どうした、ただ逃げ回ることしか出来ないのかい!? 全く、どんな相手かと少しは期待していたのに、とんだ外れだったみたいだよ! ふん、配達員といえど、ガジェットの力がなければ、所詮その程度……!!」
「うるせえ!!」
「ぬぐッ!!」
こっちが必死な中で、あまりにもうるさかったので、そこら辺に落ちていた遺跡の壁の欠片を投げつける。
すると、災害配達員の腹部に見事にクリーンヒットした。
「そのまま沈んでろ!!」
「ば、バカな……」
黒尽くめの災害配達人は、腹を押さえて蹲る。
「ふ、ふふふ、こんなもので、僕を倒したとでも思っているのかい……! 僕の実力はまだまだこれからで、災害獣のストックも十分過ぎる程残っているのさ! だから、たった一撃攻撃を通したくらいで、勝ったと思って貰っちゃ」
「だからうるせぇ!!」
「ごふッ!!」
もう一個石を投げつけると、今度は顔面に当たった。
そのままあっさりと地面に倒れ込む配達員。
「ふん、口ほどにも無い。そっちだって、あの化け物がいなけりゃただの一般人じゃねえか」
ちょっと石が当たったぐらいで倒れるとは、鍛え方が足りないのではないか。
災害配達とか訳の分からないことを言っていたけれど、これで終わりだ。
結局正体は分からないままだし、これを届けさせた奴のことも一切分からないけれど。とにかく今は、こいつを締め上げて、災害獣を止める方法を……。
「……いない!?」
しかし、災害配達員の姿は、何処にもなかった。
確かに俺の投石攻撃を受けて気絶した筈なのに、その姿を消していた。
まるで、気絶したら自動的にそうなるようになっていたかのようだ。
不可思議な状況だが、しかし可能性は考えられる。
似たような効果を持つガジェットがあるのだ。
使用すると、自動的に会社に転送されるガジェット『イグジッ戸』……俺の持っていた奴は、あのにっくき怪盗に盗まれてしまったけれど。
「まさか……あいつもガジェットと同じような力を?」
そう言えば災害配達人、ガジェットのことを知っているような口ぶりだった。
どうしてあいつが、『OZ』の秘奥である筈のガジェットの事を知っていて、なおかつガジェットを使用して消えたような状況になっているのか。
頭の中で渦巻く疑念。
思い当たるのは、一つの可能性。
人知を超えた災害獣を、まるで一つの商品のように配達させ。
『OZ』の内部にも、我が事のように詳しい。
その条件を満たす相手なんて、そう多くは考えられない。
例えば、俺も良く知っている、誰かとか……。
「……いや、今は」
ここで悩んでいるよりも、今やるべきことを考えるべきだ。
どういう形であれ、あの災害獣を使役していた災害配達人は、ここからいなくなったのだ。
「これで、あの災害獣とやらも、止まって……」
「先輩、まだです!!」
「いないのかよ!!」
そんな都合の良い感じにはいかないようだった。
主を失ったことを知ってか知らずか、怪物の進撃は止まっていない。
というか、むしろ制御すべき人間を失ったことで、より一層暴走することになるのではないだろうか。
せめてあの配達人を騙すなり煽てるなりして止めさせるのが唯一の方法だったのではなかったか。
「本当に考え無しですよね、先輩って!!」
「ああもう、うるさいな!! とにかく、俺達の手に負えるような奴じゃないんだ! もうこいつを倒す必要なんてないんだから、とっとと逃げるぞ!!」
「逃げるのは、賛成なんですけど……それより先輩! それ!」
コハネは、俺の胸ポケットを指さした。
そこに入っているのは、先程災害配達人から受け取った、配達伝票だ。
「これが、どうかしたか?」
「えっと、その伝票がある限り、あの怪物は先輩を追って来るんじゃないでしょうか?」
「受け取り拒否は?」
「出来ないでしょうねえ」
「不在通知を」
「ここにいますよね、先輩。不在でも何でもないですよね」
「サインとかしてねぇんだけど!?」
「それ、あの災害獣に直接伝えてみたらどうでしょうか。印鑑でも良いですか、って。もしも言葉が通じるのなら、ですけど」
「ええええ……」
恐る恐る、振り返る。
災害獣は、相も変わらず触手を振り乱しながらこちらに迫って来る。
別にサインを求めている訳ではないだろう。だって燃えちゃうし。
そして、言葉が通じる様子なんて一切見られないし。
「ああ、追って来るな!!」
「そうですね、追って来ますよね!!」
「やっぱりかよぉ!!!」
と、俺が逃げようとしているのを察知したのか。
怪物が、触手を地面に突き立て、その勢いを利用して一気に疾走を始めた。
そして残った触手を、俺に向けて一直線に伸ばしてくる。
間違いない。俺だけを、一心に狙っている。
「危ないッ!!」
「コハネ!?」
触手がまさに俺を貫こうとしたその時、コハネが横から俺を突き飛ばした。
行き場を失った触手は、コハネによって迎撃されるも……しかし、その背後から間髪入れずに何本も伸びてくる触手が、更に攻撃を加えようと迫り来る。
「くっ……」
「おい、無事か!?」
「は、はい! 何とか!」
サムズアップを決めるコハネ。
良かった。大分スレスレだったが、どうにか無事だったようだ。
「先輩! 早く、ここから逃げないと!!」
「ああ、このまま走って逃げてたんじゃらちがあかない。軽トラに乗り込むぞ!」
「はい!」
物凄い勢いで向かって来る怪物から逃げる為に、急いで軽トラックに乗り込み、シートベルトを締める間もなくスタートする。
いや、シートベルトはしましたよ? しましたからね!?
運転席に同じく乗り込んだコハネは、思い切りアクセルを踏み込んだ。
土煙を立て、跳ねるように、軽トラックが走り出す。
しかし、災害獣もまた、逃げる俺達に追いすがるように猛スピードで駆ける。
「もっと! もっと飛ばせ、コハネ!!」
「逃げていますよ!! もう全力でアクセルベタ踏みですもん!!」
「ちっとも差が拡がらないぞ!?」
「限界があるんですよ軽トラックには!!」
見れば、運転席の速度メーターは既に限界を振り切っていた。
いかに次元を越える軽トラックといえど、走る速度には制限がかかっている。
このまま走り続けてタイムスリップするなんて便利な機能は、付いていない。
俺達に出来るのは、ひたすらに走り続けることのみだ。
「攻撃用のガジェットはないんですか、先輩!!」
「だから俺のは、さっきの怪盗に奪われているんだよ! というか、そもそも俺は攻撃用のガジェットなんて持っていないっての!」
「使えない先輩ですね! そんなんだから給料が減らされるんですよ!!」
「給料は関係ないだろ!?」
こうして無意味に口論している間にも、怪物は迫って来る。
何本もの触手が、軽トラに取りつこうと伸ばされている。
「先輩! 大変です!」
「どうした!?」
「ガソリンが切れそうです!」
思わずズッコケそうになってしまった。
何故シリアスが持たないのか。
「満タンにしとけよ!!」
「しましたよ!」
「切れてるじゃないか!」
「先輩が無茶な運転をさせるからこんなことになったんですよ。アラタさんにスピードを上げて貰ったせいで、燃費が悪くなっているんですから!」
「あのヘタレメガネ、本当に、余計なことしかしねぇよな!」
「そうだ、先輩が車から飛び降りれば、怪物はそっちの方を追っかけて行くんじゃないでしょうか」
「おいやめろ」
「ちょっと試してみるのはどうでしょうかね」
「止めて下さい。お願いします」
コハネの目がマジだ。
こいつ、いざとなったら、俺を本気で軽トラックの外に投げ出しかねないぞ。
俺がコイツの立場だったら多分そうするし。
「どうしましょうかねぇ」
「止めろって! って、そんなこと言っている場合じゃないぞ、おい!!」
「ごまかされませんよぉ」
「違う! 後ろ! 後ろだ!!」
「え」
俺達が騒いでいる間に、災害獣の速度が上がっていたのだ。
いつの間にか怪物は、軽トラックの荷台にまでその触手を伸ばしていた。
バックミラーにもサイドミラーにも、災害獣の姿が大写しになっている。
災害獣の重みを掛けられて、車体が激しく軋み、スピードが落ちている。
「おいおいおいおい!!」
「ヤバいですよ!!」
「どうにかならないのか!!」
「飛び降りるしかないですね! という訳で、お先にどうぞ!!」
「お前俺が飛び降りたら全力で逃げる気だよな!? そうだよな!? 意地でも降りてやらねぇからな!!」
「私のことはどうぞ気にせずに! こっちまで伸ばしてきましたよ!! うわぁ、気持ち悪い!!」
怪物が伸ばした触手が、運転席の窓から侵入して来たらしい。
コハネは苦い顔をしながらも、その触手を何度も振り払おうとする。
当然、コハネは片手でハンドルを握ることになり、バランスを崩した軽トラックがガタガタと揺れる。
「ああもう、運転の邪魔ですよ!!」
「ハンドルは離すなよ!? 絶対だからな!!」
「はい! 絶対ですね!」
「言っておくが、これは絶対にフリじゃないからな! 絶対だぞ!」
コハネは必死に、窓から伸びて来る触手を跳ね除けている。
しかし、運転にも集中せざるを得ないコハネの隙を縫って、1本の触手が、軽トラックの中に侵入する。
「なッ!?」
触手は、軽トラックの助手席に座る人物、俺の目の前まで伸びてくると。
何かを吐き出そうとするかように、一瞬その先がすぼまる。
巨大な災害の力を帯びた炎を、吐き出そうとして。
「――ッ!!!」
しかし次の瞬間。
怪物が不意に、悲鳴のような声を上げた。
「何だ!?」
「何ですか!?」
急いでサイドミラーで確認し、気付いた。
追って来ていた筈の怪物の姿が、消えている。
軽トラックの荷台に絡みついていた触手は既に解き放たれ、遥か後方の地面に転がっているのを確認した。
まるで何らかの手段で切断されたように。
そして背後から聞える怒号。
まるで集団で何物かを袋だたきにしているような声が聞えてくる。
「先輩! 何ですか? 何が起きてるんですか!?」
「分からん。でも、ひょっとして助かったのか?」
背後を確認しようと、軽トラックの窓から身を乗り出そうとして、目の前に影が差した。
背後から跳んで来たのだろうか。
軽トラックと並走するのは、大型バイクに乗った、これまた見慣れた人物。
「ハーイ、お元気?」
「お前!?」
にっくき夢現怪盗プリズマが、災害獣の代わりに俺達の前に現われたのだった。
つづく
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