第11話 天界監獄
(何で私が…こんな事に…)
天界にある監獄は多くの魔物たちが捕らえられていた。
そして禁を犯した天使達も捕らえられていた。
人間で天界監獄に捕らえられたのは多分みちるが初めてだろう。
…みちるはもう魔物になってしまったけれど。
天界は地上遥か上空の天界に存在し次元差異があるため基本的に地上から直接来る事は出来ない。
基本的に天使達は次元の壁を繋ぐ扉を通って地上へと降臨する。
天界には天使長などの住む宮殿、神様と交信する神殿、一般天使の住む居住区、魔物達と戦う軍部、犯罪者を投獄する監獄などがあり多くの天使達が生活している。
その天界の監獄はかつては脱出不可能と言われていた。
しかし最近は度々不祥事が起こり脱獄犯も出るようになっている。
その件に関して暗躍する存在も噂されているが真相はまだ明らかになってはいない。
監獄に収容されている極悪犯が脱獄しても全ての囚人には術式が掛けられており
その術式を解かない限り脱獄した所で無害なものに姿を変えられてしまうため
あまり天使たちも脱獄者を脅威とは感じていなかった。
天界の監獄はさすが天界の一部だけあって白を基調とした美しい造形になっている。
建物は強固な素材で出来ており、しかも聖なるな力で守られているため通常の武器では破壊不可能である。
そこで普通に過ごすだけなら特に何も不満もないほどの待遇ではあるのだが…。
そこに収監されたみちるは暇を持て余していた。
ここでは何もする事がないのだから仕方ない。
仕事を頑張る事も趣味を楽しむ事も出来ないのだ。
「ひまひまひまーっ!」
と、叫んでみても何も変わらなかった。
みちるには一週間の拘束期間が与えられた。
その間に彼女の処遇を検討するらしい。
何も出来ない、する事もない彼女はそれまでの期間をただ怠惰に過ごすしか出来なかった。
「レイチェルのやつ、面会にも来ないし…」
みちるは不満たらたらである。
多分レイチェルはみちるのために各方面を奔走しているのだろうとは想像出来たのだがそれでもこの拘束期間中に一度も彼がみちるの前に姿を表さない事に彼女は憤慨していた。
周りを白い壁に囲まれた通称「白い拷問」にみちるの精神も徐々に消耗していくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます