研究施設にて 02

NNSニューロネットシステム内のLiFE生命維持システムからの通信情報を信じるなら5前後、最大でも8パーセント程度となっています」

「あら?LiFE生命維持システムに関しては、医療方面から問題なしって言われてるでしょ、慎重なもの言いねぇ」

「今までこういう市販前提の新デバイスで、今回のような人数のテストデータがないだろ。 慎重にならざるを得ないよ」


「だからこそ、私たちのゲームに白羽の矢が立ったんだ。もっと前向きにいこう」主任が励ますように言う。


「話を戻すようで恐縮だが、例の彼愛しい人は元気かね?」

「愛しい人だなんて、や、やめてくださいよ。」頬が赤くなる、鶴川。

「彼のLiFE生命維持システムからの情報は他の被験者とかなりデータが違う、と報告が上がっていたが?」

「それなんですが、見てください。この部分です」


町田、玉川、鶴川の三人は、例の彼被験者No000125の生命情報の表示されたモニターを覗き込む。


「明らかに、脳への負荷が他の被験者より高めだな」

「あらぁ? 心拍数は試験中はあまり変化がないみたいねぇ」

「他の被験者は、試験中はかなり変化がみてとれるのですが」と該当箇所を指し示す。

「ドローンや隠しカメラでモニターしている分には、結構大げさなポーズをしていたりするのだがなぁ」意外な顔をする主任。

「ん? 玉川主任、これってやっぱりぃ」

「え、なに?」訳が分からない、という表情の鶴川。

「うむ、冷静に対処している、と考えられるな。 まさか、気づかれたか?」

「そうだぁ! 次のモニターテストでちょっとした仕掛けをして揺さぶりをかけてみたらどうでしょう?」

「だ、だめですよ。そんな事したら、ばれちゃうのでは?」

「ふむ、それも一つの手ではある、いいかもしれないな。 喜べ、鶴川君。 君の出番だ」

「え? 私がですか!」

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