魔獣使いのサモナーを探せ 02

「ええとぉ、猫?」あんなにデカかった魔獣が、俺の目の前に……

「可愛いですよねぇ、子猫ちゃんですよぅ」

ポニテ姉さんの腕に抱かれた子猫がいる。 おい、お前俺と変われ。

俺の顔をジーッと見下した気がした。と思ったらすまし顔でポニテ姉さんの胸の中で甘えるような仕草を始めたよ、うらやましいったらありゃしない。


「さて、そうなると、これからの事ですが」バリトンさんの渋い声が部屋に響く。

元魔獣子猫ちゃんの飼い主?マッチョマンサモナーさんがどこにいるかってことよねぇ」たわわな胸を揺らしておりますね。うん眼福眼福。

「どう考えても、この部屋出ないと話にならないですよね」と、目線を胸から必死に外す俺。


「ひょとしたらぁ、あそこから行けるんじゃないかしらぁ?」

そういうポニテ姉さんからゆるりと降りた猫。

俺が最初に確認したボタン付き出口に向かって歩いていく。


「あんっ、待ってぇ」姉さんが追いかける。

「またんかい、エロ猫め」おしりぺんぺんしちゃる。


「あそこから出るだろうとは想像していましたが、やはりこうなりますか」

と落ち着いた声。ひょっとしたらバリトンさんって声優さんかなにかかな?


「あ、出口が勝手に!」姐さんの大きい声に


「「「あ! ほんとだ!(だぁ~)」」」」 俺たち前世は、合唱隊か?


「あ~ん、猫ちゃんがいっちゃうぅ」

「急ぎましょう、あの猫マッチョマンサモナーさんの所に戻りますよ」

「出口の先が気になるんだけど。はぁはぁ」追いつける気がしないんだけど。


「おい、しっかりしろ。頑張れ若者!」

「姐さん、胸揺れて…… はぁはぁ」

「それだけ元気あるなら、いけるか。私の自慢のボディを堪能するがいい!」

「え? 自慢? どこが?」

「ふんっ、ついてこれるかな?」


出口を出るとまっすぐな回廊が見え、自分の前に爆乳姐さんが。ポニテ姉さん、バリトンさんは並んでその前を走っていた。


「猫ちゃん、まっすぐ回廊の先に進んでますぅ」

「おや? なんかきょろきょろしてませんか?」


「はぁ、はぁ。Tバック、じゃなくT字路みたいっすね」

やっと先行していた二人に追いつく。

「あ、右に走っていったわ。まだ先があるのかしら」

タフネスな姐さんだ、息切れしてない。


「この石造りから察するに、お城の中でしょうな」

周りを見ながら、そう言うと走り出すバリトンさん。


「あらぁ、右に扉が見える所で待ってるわぁ、元魔獣子猫ちゃん

「ほんとね、賢いわ。誰かさんと違って」それ俺に対する嫌味ですか?

「ふぅ、やっと追いついたぁ」ほぇ~、もう走れないよ。


にゃぁん、という鳴き声の後、タシタシッと扉を叩く、元魔獣子猫ちゃん

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