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「え?何?」
停電?
そのわりには、電機も消えていない。
故障かな?
私はテレビのリモコンを探した。ふと見ると、リモコンは、聡が握っているではないか。
「ちょっと、テレビつけて」
「てゆうかさ、その態度何?」
「へ?」
リモコンを握りしめながら怖い顔をした聡。
私、何か悪いことした?
ぽかんとする私に、聡は言った。
「せっかく人が買ってきたものを食べかすの散らかったテーブルに放り投げておくなんて酷いよ。お弁当の殻だってそのまんまだし、それ、俺に片付けろってこと?」
「な、何よぉ。今やろうと思ってたわよ」
聡が怒ったことに面食らいながらも、私は重い腰をあげて、お弁当の空き箱をビニール袋にまとめた。
まとめながら、残りのサイダーを飲み干すと、
「瓶から直接飲むの、みっともないからやめたら?」
また、聡が小言を言う。
なんだか今日はやけにつっかかってくるなぁ。
私は聡の手からリモコンを奪い取るとテレビのスイッチを入れた。
白けた雰囲気の中に、場違いに明るい笑い声が響く。
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