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その日の夜、私たちはひさしぶりにセックスをした。
体を求め合う時期はとうに過ぎ、忘れたように数ヵ月しない時だってある。
だからこそ、自然ななりゆきで抱き合う今夜のような日は尊い。
私たちは互いの気持ちのいい所を知尽くしている。互いの愛撫の仕方も、流れもわかっている。
だから新しい発見や、溺れるような快楽に飲み込まれることなんかないのだけれど、それよりずっと気持ちのいい深い安堵感に包まれることができる。
変わらず愛しあい、労りあえていることを確認するように、時々思い出したかのように抱きあっては、同じことを繰り返す。
でも、それでいい。
永遠に、このままでいたい。
凪いだ海に浮かんでいるような
不動の山に寄り添うような
春のひだまりの中にいるような
そんな変わらない生活をずっとしていきたい。
聡とともに。
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