六月と顔のない肖像画 3
「こんなの絶対無理ですよ!」
石畳の道を歩きながらわたしは声を上げる。
「今更何を言い出すんだ。俺の頼み事を引き受ける約束だっただろう?」
「それはそうですけど、限度ってものがあるじゃないですか。まさかこんなおかしな頼み事だったなんて……完全にわたしの処理能力の範囲を超えてます」
「おかしな頼み事だからこそ、お前を連れてきたんじゃないか。簡単だったら俺が自分で引き受けてる。それに、ねえさまもお前に期待しているようだし……」
「わたしの事、ロザリンデさんになんて説明したんですか?」
「俺のルームメイトで、ねえさまの頼み事に協力してくれる人物だと伝えてある」
なるほど。だから初対面なのに色々話してくれたのか……
「あれ? でも、そのためにわたしを連れてきたのなら、お風呂に入らされたり、着替えさせられたりしたのには何の意味が……」
「酷い格好でねえさまの前に出すわけにはいかないだろう?」
「……それだけの理由で?」
「充分な理由じゃないか。それにしても、あのねえさまが夜しか眠れないだなんて……ああ、いたわしい」
この人、本気で言ってるのかな……
確かに、先ほどの二人のやり取りを見るだけでも、クルトがお姉さんのことを大切に思っているのはなんとなく伝わってきた。休日ごとに逢いに行っていたようだし。でも、ちょっと度が過ぎているような。
思わずクルトの顔をみつめると目が合った。
「なんだ?」
「あ、いえ、ええと……意外とお姉さん思いだなと思って」
「『意外と』は余計だ。当たり前だろう。家族なんだから」
「……家族かあ」
わたしは自分の育った孤児院の人々の顔を思い浮かべた。彼らの事を『家族』と呼んでいたが、血の繋がりはなく、厳密には本当の家族ではない。それは最近思い知ったつもりだ。でも、その人たちが困っていたら何をおいても力になりたいし、助けてあげたいという気持ちもある。だが、彼らにはもう逢えない。わたしがどんなに彼らの傍に寄り添い、支えたいと願っても、それは叶わないのだ。
だからお姉さんの近くにいられるクルトの事が、素直に羨ましいと思う。
「いいなあ……」
思わず呟くと、クルトが一瞬はっとした後、気まずそうに目を伏せる。
どうやら彼もわたしの家族事情について思い出したらしい。まずい。無意識とはいえ余計な事を口走ってしまった。これでは変に気を遣わせてしまうじゃないか。
案の定、それをきっかけにお互い黙り込んでしまう。
どれくらいそうしていたか、やがてクルトがぽつりと口を開く。
「最初、ねえさまの【お願い】は些細なものだったんだ。庭に咲いている花が欲しいだとか、街で評判の店のケーキを食べたいだとか。けれど、俺がそうやって大人しくねえさまの願いを聞き続けたのが原因なのか、徐々に内容がエスカレートしていって……ある時なんて、真冬に『サクランボが食べたい』だとか言い出して、国中に使いを出して探し回ったこともあった。けれど、どんなに無茶な事でも、俺はねえさまの願いを叶えてやりたいと思ってる」
そう言ってクルトが急に立ち止まるので、つられてわたしも足を止める。
「お前があの広場の噴水での事件や、美術室でのデッサン紛失の件、それに……フランツとテオの件の真実を明らかにしたのを見て、お前ならきっと、ねえさまのあの妙な【お願い】を解決してくれるに違いないって思った。お前、言ってたよな。『才能』が認められてクラウス学園に通うことになったって。俺が思うに、お前には普通の人間にはない洞察力がある。それを元に真実を導き出す能力も。それがお前の『才能』なのかもしれない。俺にはとても敵わない才能だ」
まさか。自分にそんな才能があるなんて、にわかには信じられない。
わたしの戸惑いをよそにクルトは続ける。
「お前の、その……『家族』について知っていながら、自分の家族の事を頼むだなんて無神経だと判ってる。けれど、俺ひとりではどうにもならないんだ。だから頼む。お前のその力を貸してほしい」
いつも高圧的な態度のクルトがこんな風に言ってくるなんて、ちょっとびっくりしてしまった。
その真剣な眼差しに、思わずどきまぎして目を逸らしてしまう。
「……わたしの事買いかぶりすぎです。わたしだって、できれば力になりたいですよ。でも、正直期待に応えられるかどうか」
「そんな事を言うな。これから行く先で何か判るかもしれないだろう?」
「だといいですけど……」
「お前には、何がなんでもこの件を解決させてもらわないと困るんだ。俺とねえさまのために。判ったらさっさとついて来い」
いつものクルトに戻った。さっきのは一体なんだったんだろう。
クルトが再び歩き出したのでわたしも後に続く。
わたしたちは、少年の肖像画を描いたという画家のアトリエへ向かっていた。正直、どこから手を付けたらいいのか検討もつかなかったが、クルトの提案で肖像画家のエルンスト・ヴェルナー氏に話を聞こうという事になったのだ。
それに、どうもロザリンデさんが、問題の肖像画の持ち主である男性に
「私がその謎を解明してみせます」
というような事を言ったらしく、彼女の願いを叶えたいというクルトは尚のこと後に引けず、少しでも絵の手掛かりが欲しいらしい。
うーん。ロザリンデさんて、おっとりしているようで結構思い切りの良くて無責任な事言うなあ……
とりあえず、顔が黒く塗り潰されているという、聞くだけで恐ろしげな肖像画は見なくて済むようだ。少しほっとした。
道すがら、わたしは尋ねる。
「クルトは、一体誰が何のために、肖像画の顔の部分を黒く塗り潰したんだと思いますか?」
「俺か? 俺は、そうだな……持ち主の少年が自分でやった、かな。肖像画の中の自分は健康な姿のままなのに、実際の自分はどんどん病み、衰えていく。その落差に耐えられなくなって顔を塗り潰したんだ」
「うーん、結構重いですね……」
唸るわたしにクルトは続ける。
「女でも、年を取って自分の美貌が失われるにつれて、鏡を極端に遠ざけたり破壊したりするようなのがいると聞いた事がある。それと似たようなものじゃないかと思ったんだ」
「でも、それだと顔だけを塗りつぶした意味がわかりません。そんなに嫌なら肖像画ごと処分してしまえばいいはずです」
「そうなんだよな。燃やすなり引き裂くなりしたほうがよっぽど手っ取り早い……そういうお前はどう思ってるんだ?」
聞かれて、少し考えてから口を開く。
「わたしは……もしかして案外単純な理由なんじゃないかなと」
「と、いうと?」
「ええと、肖像画の持ち主である男の子が、何かの拍子にうっかり顔の部分を汚してしまって、なんとか元に戻そうと試行錯誤したものの、どうにもならなくて、いっその事塗り潰してしまえ……となったとか」
「そんな馬鹿な」
「ほら、なにか物を壊してしまったり、粗相をした時に、その証拠を隠そうとした事ってありませんか? 子供なんかは特にありがちです。それと同じで、男の子は自分のせいで肖像画が台無しになった事を知られたくなかったから、誰にも見せなかったしベッドの下に隠したりしたんです。絵画ごと処分しなかったのは、それが男の子にとって大切なものだったから。自分が気に入ってるものや価値のあるものを壊しても中々捨てられないのと一緒です。いくら絵画とはいえ、進んで自分の顔を塗り潰すなんて、普通しませんよね。でも、自分の不注意でどうにもならないほど汚れてしまったのなら、もう真っ黒にしたほうがましだと思ったりするんじゃないでしょうか」
「まさか……確かに俺も子供の頃に似たような事をした記憶はあるが……いや、でも、どうだろう……」
わたしの説に一応は納得したのか、その後クルトは何か考え込みながら「いざという時は、ねえさまにそう説明しよう」だとか呟いていた。
そのアトリエ兼自宅は、こじんまりした一軒家だった。
エルンスト・ヴェルナー――かつての名肖像画家。何年か前に事故に合い、それ以来肖像画を描く事なく表舞台から姿を消した。噂では事故の際に利き腕を痛めたため、思うように絵が描けなくなったからだとも言われている。
何も知らなかったわたしのために、ここに来るまでの間にクルトが説明してくれた。彼も実際に、氏の描いた肖像画を何度か見た事があるそうだ。
作品などを出し入れするためだろうか、普通の家のものよりも大きいドアの前に二人並んで立つ。
クルトがドアをノックする。しかし、暫く待っても返事はなく、家の中も静まり返っている。
「……留守、でしょうか?」
わたしが呟いたとき、背後から静かな声が聞こえた。
「そこで何をしているんだ」
振り向いて、わたしは言葉を失った。
一瞬そこに大きな人形が立っているのかと思った。慌てて何度か瞬きすると、それが一人の男性だとわかる。
整った相貌に輝く瞳はアンバーというより金に近く、背中まである絹糸のような銀髪が陽を受けふわりと光を纏っているように見える。その現実離れした特長的な容姿と、なによりも異様に感情が欠落したような表情のせいで、もしかして目の前にいるのは人間ではないのではと錯覚してしまうほどだった。暫く言葉も出せずぼうっとしてしまう。
その衝撃から先に立ち直ったのはクルトだった。躊躇いながらも口を開く。
「……失礼ですが、エルンスト・ヴェルナーさんですよね。突然の訪問申し訳ありません。俺はクルト・ブラウモント。こっちは――」
その言葉に我に返り、慌ててわたしも挨拶する。
「ええと、ユーニ・アーベルです」
「俺たち、あなたが描いたエミール・シュナイトさんの肖像画についてお聞きしたくて。例の、顔の部分が黒く塗り潰されていたという」
エミール・シュナイトというのは肖像画の持ち主であった少年の名だ。それを聞いたヴェルナーさんの瞳が何度か瞬いた。
「その件なら、既に彼の家からの使者に説明したつもりだが」
「ええ。俺たちも大体の事情は知っています。でも、できればもっと詳しくお話を伺いたいと思いまして」
「こちらからは、これ以上話すことはない」
「いえ、そうじゃないんです。実は俺達、あなたのファンなんです」
わたしは思わずクルトの顔を見上げる。急に何を言い出すんだろう。
その戸惑いをものともせず彼は続ける。
「ここ数年は作品を発表していないあなたが、エミールさんの肖像画だけは描いたと聞きました。もし、エスキースなんかが残っていたら是非とも拝見したいと思いまして。肝心の肖像画は、その……残念なことになってしまったわけですから」
それを聞いたヴェルナーさんは首を横に振る。
「人に見せられるようなものじゃない」
「そこをなんとかお願いします」
クルトは食い下がる。なんとしても姉の【お願い】を叶えるために、彼も必死なのだろう。
「すまないが……」
なおも断りかけたヴェルナーさんを遮るようにクルトが声を上げる。
「それなら、俺達のどちらかの似顔絵を描いて貰えませんか?」
わたしは驚いてクルトの顔を見つめてしまった。彼はにこやかだが、冗談を言っているようでもない。
「お願いします。スケッチ程度の簡単なもので構いませんから」
「ちょ、ちょっとクルト、そんな事、急に頼んだら失礼ですよ……!」
小声で窘めるが、クルトは意に介した様子はない。
「もし描いて頂ければ、それですぐに帰りますので。俺達、ヴェルナーさんの絵を見る事を楽しみにここまで訪ねてきたんです」
よくもまあそんな話をでっち上げるものだ。クルトって詐欺師の才能があったりして。
でも、似顔絵なんて描いて貰ってどうするつもりなんだろう。肖像画の事を直接聞きにきたわけじゃないのかな?
ヴェルナーさんはそんなクルトに無感情な瞳を向けていたが、やがて
「……わかった。描こう。その代わり終わったら帰ってくれ」
そう言いながらポケットから鍵を取り出したので、わたし達は邪魔にならないよう慌てて脇に避ける。彼が目の前を通り過ぎたとき、微かに石鹸のようないい香りが漂った。
ヴェルナーさんが開けてくれたドアから、彼のアトリエに足を踏み入れる。が、その途端、すぐ前を歩いていたクルトが立ち止まったので、わたしはその背中にぶつかってしまう。
「いたっ……ちょっとクルト、急にどうしたんですか?」
尋ねるも返事がない。何かに気を取られているようだ。その視線の先を辿ると、アトリエに入ってすぐの壁に立てかけられた一枚のカンバスに突き当たる。
それは湖を描いた風景画だった。深い色をたたえた水と朝靄にうっすらと浮かび上がる湖畔の木立。その寒々しい空気まで伝わってくるようだった。
「わあ、きれい……」
その声にヴェルナーさんが振り向く。わたし達が風景画を見ている事に気づくと、素早くその絵に近づき、裏返してしまった。
残念。もう少し見ていたかったのに。
改めてアトリエの中を見回すと、無駄な装飾のない部屋にはイーゼルや画板が壁に立てかけられ、ずらりと並んだ棚には画材が収められていた。部屋の隅には、わざわざ石を積んで作ったらしい小さな粘土槽まである。
その横に何かの乗った塑像台があるのに気づき、わたしは思わず近づく。粘土の作品のようだが、保湿のために濡れた布が被せられていて、中は見えない。
これも、あの人が作ったのかな……?
だとすれば、先ほどの風景画のように見事な作品かもしれない。どんなのだろう。うう……気になる。
思い切ってそっと布を捲ると、塑像台の上には掌大の粘土の塊が見えた。
これは、鳥……?
よく見ると胴体らしき部分が少しひび割れている。
「それに触るな」
ヴェルナーさんの冷ややかな声にはっとして、わたしは慌てて布を元に戻す。
「す、すみません……」
先ほどの絵画といい、自分の作品を人に見られる事を嫌うんだろうか? でも、芸術家という職業柄、人に見られて当然のような気もするのだが。
ヴェルナーさんは、無造作に置いてあった丸椅子をわたし達に薦め、近くのテーブルからスケッチブックと鉛筆を取りあげる。そして自身もわたしの正面に椅子を移動させると、そこに腰掛け、スケッチブックをめくりながら問う。
「きみ、年はいくつだ?」
「じゅうよ……ろく。16歳です。あの、もしかして似顔絵ってわたしの……?」
「なにか問題でも?」
「あ、いえ、そんなことは……」
このまま普通に絵を描いてもらっていいのかな。
不安になってクルトの様子を窺うも
「よかったな。ヴェルナーさんに絵を描いて貰えるなんて貴重な事だぞ」
朗らかに微笑まれた。ほんとに何しにここへ来たんだろう。
「少し口角を上げて」
ヴェルナーさんに言われるまま、わたしは唇の端を持ち上げる。変な顔になっていないか心配で、余計に顔が強張ってくるような気がする。
そんなわたしの緊張とは裏腹に、紙の上を鉛筆が滑る軽やかな音が聞こえてくる。
クルトはいつのまにかヴェルナーさんの背後に回りこみ、その手元を覗き込んでいた。
程なくして目の前の画家は鉛筆を置くと、スケッチブックをくるりとこちらへと向ける。それを見て思わず息を呑んだ。
シンプルな線と陰影にも関わらず、そこには生き生きと人の姿が浮かび上がっている。紙の中で微笑むその少年の顔は、溜息が出るほど美しかった。
「……すごい」
「これは見事だな……」
いつのまにか隣にいたクルトも感心している。
「でも、ヴェルナーさん、こいつの容姿が残念だからって、こんなに気を遣ってくださらなくてもいいんですよ」
「ちょっとクルト、それ、どういうことですか。どこからどう見てもわたしにそっくりじゃないですか! まるで鏡を見てるみたいです! 生き写しって言うのはまさにこの事ですね!」
「お前の言う鏡って、俺の知ってる鏡とは違う別の何かなんじゃないのか?」
「クルトこそ、目の前の現実を受け入れたほうがいいですよ」
そんなわたしたちのやりとりは、びりびりと紙を裂く音に遮られる。
ヴェルナーさんが、スケッチブックから似顔絵の描かれたページを破り取って、こちらに差し出す。
「満足したなら、約束通り帰ってくれないか」
アトリエを出て、わたし達はクルトの別荘へと向かっていた。
似顔絵を広げながらクルトが呟く。
「どうして彼は肖像画を描くのをやめたんだろうな。実のところ、俺は彼以外の人物がエミール・シュナイトの肖像画を描いたんじゃないかと疑っていた。それを隠すために顔を塗り潰したんじゃないかとも。あの人が事故の影響で絵が描けなくなったという話も聞いたことがあるし。でも実際はこんなに素晴らしい絵を描くことができる。それなのになぜ……」
なるほど。クルトがあの場で似顔絵を描いて貰ったのは、ヴェルナーさんが本当に絵を描けるかどうか確かめるためだったのか。
「きれいな絵ですよね。それに、ヴェルナーさん本人もすごく素敵な方でしたね」
わたしが溜息混じりに呟くと、クルトがぎょっとしたような顔をする。
「なんだお前、ああいうタイプが好みなのか?」
「うーん……なんていうか、あの人の持っている独特な雰囲気が気になるというか……なんだか繊細で神秘的で、ちょっと神経質そうなところが、いかにも『芸術家!』 って感じがしませんか?」
「お前と正反対」
「何か言いました?」
「いや、何も……そういえば彼は女性からの人気が特に高かったそうだが、もしかすると肖像画だけじゃなく、彼自身が目当ての客も大勢いたのかもしれないな」
「絵を描いている時の真剣な姿もかっこよかったですもんね。わたしもヴェルナーさんの描いた肖像画を見てみたいです。こんな似顔絵が描けるくらいだから、肖像画もきっと綺麗なんだろうなあ……あ、それにあの人、なんだか石鹸みたいないい匂いがしました。朝からお風呂に入ったんですかね? 綺麗好きですね」
「お前も見習ったほうがいい」
その言葉にぎくりとする。どういう意味だろう……
動揺を押し隠しながら反論する。
「な、何を言ってるんですか。わたしだって、できる事なら毎日お風呂に入りたいと思ってますよ? あー、わたしが男の子だったなら学校でもお風呂に入れるんだけどなー。女だから仕方ないですよねー。いやーほんと残念です」
「嘘つくなよ。お前、今朝風呂に入るのを嫌がってたそうじゃないか。メイドが言ってたぞ」
「うわあ、そんな事まで把握してるんですか? 乙女の入浴事情に干渉するなんてデリカシーのない事をよく平気でできますね。破廉恥です! 破廉恥のきわみです!」
「変な言葉を連呼するのはやめろ。メイドが俺に報告してくれたのは、お前の事を完全に男だと思っていたからだ。でなけりゃ乙女の入浴事情なんてデリケートな問題を俺に暴露するわけがないだろ。よかったじゃないか。同性に対して男で通用するという事が証明されたぞ」
「え……」
その言葉に、わたしは思わず考え込んでしまう。
確かに自分が女だとばれていない事は好都合だが、それはそれでなんだか複雑な気分なのだが……
そんな中、ふと視線を感じて隣を見上げると、クルトが笑いを堪えるように片手で自分の口を覆っていた。
もしかして、悩んでいるわたしの姿を見て面白がっている……?
やっぱりこの人、あんまり性格よくないのかな……
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