JAXA VS YAKUZA

恋住花乃

第1話 製作会見

「えぇ。この度、JAXAは新しい人工衛星を打ち上げる事になりました。未来01という人工衛星です。来年の四月に打ち上げます。」

公式に宇宙航空研究開発機構は声明を発表した。

「親父、どうなさったんスか。」日本最大の極道組織、大京会本部の直参が会長に声を掛ける。

「ワシは思ったんや。堅気も極道も宇宙レベルじゃ何も変わらねぇ。ワシらの手で江戸にドカンと一発大きな花火、いやロケットを咲かせるんや。」

「えっ?でも、膨大な費用がかかりますよ。親父、このままじゃ組の存亡にも関わりますよ。冗談はよしてくださいよ。」


「冗談じゃねぇ。俺は本気だ。江戸に大きなロケットを打ち上げるんや。ミサイルじゃないぞ。」


「それで、当ては有るんですか?親父。」

「ある訳ねぇだろ。宇宙なんか俺らと接点なんてなかった。だけど、ジャクサとヤクザは似てんだよ。だから、決着をつけようと思うんや。」

なんて事だ。名前が似ているからって勝負に出るのだ。恐るべし大京会。

「例え、これで組が倒産しても世界平和に散れるんわ幸せじゃないか。それもまた一興や。なぁ、先代。」

「お前も考えもつかない名案を考えるな。よし!高峰。いっちょ、この新発田しばた権三郎ごんざぶろう町工場に言ってまいりましょう。みかじめ料免除する代わりに、とびきりの物を作らせましょう。」

大京会の企みは始まった。





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JAXA VS YAKUZA 恋住花乃 @Unusually_novel

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