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2017年3月12日 05:36
嗜好品が不謹慎、戦争が人々の生活に暗く重い影を落とす。 それぞれの事情を抱え艦に乗る少女たち。 そして語られる五十子の来歴。
作者からの返信
コメントありがとうございます。>不謹慎一昨日は3月11日でした。痛ましい震災の様子が脳裏に生々しく蘇るとともに、当時吹き荒れた「自粛」の嵐を思い出します。本作では70年前の世界を描きながら、私達の生きる「今」にも通じる問いかけのようなことをしたいと思っております。>少女たちの事情、五十子の来歴山本五十六をテーマにした物語を書く上で、決して欠かしてはいけないことがあります。なぜ彼が対米開戦にあれほど強く反対したのか、その背景となる彼の生い立ち、郷土である越後・長岡の記憶です。今の日本では考えられないことですが、当時は戊辰戦争という内戦、祖父の代に同じ日本人同士が新政府と幕府に分かれて殺し合った記憶が色濃く残っていました。五十六が長官に任命された時、地元では「朝敵の長岡から連合艦隊司令長官が出た」と喜ばれたといいます。戦いに敗れ「朝敵」となった地域に対する戦後の差別、そして貧困。その土壌が彼の「決して負け戦はしてはいけない」という信念に繋がりました。同時に、そうした貧困が国内の政情不安を生み、大陸への進出も含めた長い戦争の一因となったことは歴史の皮肉です。
嗜好品が不謹慎、戦争が人々の生活に暗く重い影を落とす。
それぞれの事情を抱え艦に乗る少女たち。
そして語られる五十子の来歴。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
>不謹慎
一昨日は3月11日でした。痛ましい震災の様子が脳裏に生々しく蘇るとともに、当時吹き荒れた「自粛」の嵐を思い出します。
本作では70年前の世界を描きながら、私達の生きる「今」にも通じる問いかけのようなことをしたいと思っております。
>少女たちの事情、五十子の来歴
山本五十六をテーマにした物語を書く上で、決して欠かしてはいけないことがあります。なぜ彼が対米開戦にあれほど強く反対したのか、その背景となる彼の生い立ち、郷土である越後・長岡の記憶です。
今の日本では考えられないことですが、当時は戊辰戦争という内戦、祖父の代に同じ日本人同士が新政府と幕府に分かれて殺し合った記憶が色濃く残っていました。五十六が長官に任命された時、地元では「朝敵の長岡から連合艦隊司令長官が出た」と喜ばれたといいます。
戦いに敗れ「朝敵」となった地域に対する戦後の差別、そして貧困。その土壌が彼の「決して負け戦はしてはいけない」という信念に繋がりました。
同時に、そうした貧困が国内の政情不安を生み、大陸への進出も含めた長い戦争の一因となったことは歴史の皮肉です。