第5話オレは大樹の幹になる!

――儀式が始まる。



オレは途方もない夢をもっている。




これは男の世界

……ふれてくれるな、君よ。



花よ 花よ きれいに咲きほこれ


風よ 風よ やさしく吹きわたれ



オレを想う君のため


オレの想う君のため



世界よ オレの故郷の姿よ


……誇らしくあれ!



吹きわたる 風のためにうたう


咲きほこる 花のためにうたう




たえまない時の流れにのせて


オレのうたは始まり、そして……


森の神韻へと消えて、


いつか懐かしい人のもとへと


めぐりめぐって還ってゆくのだろう



さあ 踊れ、炎。


めぐりめぐって 天までとどけ



胸の太鼓が 高鳴り始める


心おどる 星光よ


月が昇ったら おまえはかき消えるのか


だが オレは 沈まぬ夕日を想い


消えることのない おまえの姿を胸に抱く


灰色オオカミの笑い声が この胸を裂こうとも


オレは折れない木の 幹になる


オレは折れることのない大樹の幹になる

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