第4話愛、限りなく(男唄)

聖なる地をふみしめて

山河に入って 空に雲わたる

照らす太陽の 一日が終わる

ぼくは君に あげたいものがある


太陽の歌が 星の歌に変わる

匂いやかな 草花の香りに変わる

空の雲になる

ぼくの心は永遠だ


血の絆 大地との絆

この血を哀しいと思わない

君のやさしさと 痛みをとりのぞく

その手をうれしく思う


君と見上げる月は美しい

歩くと銀のそれが 追いかけてくる

狩猟は終わった

大地に感謝しよう


ああ 聖なる山よ 気高き地よ

流れる河に 河になろう

空へと舞い上がる 鳩は

毎日何をしているのだろうか?


太陽の歌が 月の歌に変わる

その一瞬を忘れない

新たな発想 着想がうまれる

大きく息をつく


母なる大地が いつも恋しい

ぼくの生きる地はどこにあるのか?

老いた聖者の耳にたずねる

――風になろうよ 涙かくして


大地になろう 空になろう 雲になろう

ああ わが血族のきょうだいよ

逃げもかくれもしまい

この声を聴けよ――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る