今をください
くたばり損なった頭で
僕は何かについて考える
それは詩についてであったり
君のことであったり
愛のことかもしれない
行く末についてかもしれない
ただの
どれであろうとただの児戯なのかもしれない
けれど僕は
何かについて考える
圧倒的で鮮烈な
day by day をください
刹那をください
今をください
捨て時を見誤った頭で
僕は何かについて考える
それは詩についてなのかもしれないし
人についてなのかもしれない
本末が転倒してる思考で
つまらない重大事項を考える
まったくのお遊び
虚構で計る虚構
けれど僕は
何かについて考える
圧倒的に鮮烈な
day by day をください
刹那をください
今をください
人と人が戯れています
それはともすれば鬼気迫るものであり
死の恐怖であり
必然そのものです
虚実ばかり並べて
死の恐怖から逃れて
けれど
ついと振り返る
真実なんかじゃないよ
それは真実なんかじゃない
見ないでいい
けれど
ついと
振り返る
人と人が転びじゃれ合い生を謳ってそして
振り返る
今をください
どうしても何かについて考える
僕が人であるゆえに?
ベランダを鳩が歩いている
僕は脅えます
自分以外の全てが恐ろしくて仕方ない
ああもしかして
君は例外なのだろうか
そうなのか
それを考える?
どうやって
この死に体になった頭で
ベランダの鳩を呪いながら
人と戯れることに脅えながら
振り返る?
何かについて考える
鮮烈をください
フィードバックする
何かについて考える
フラッシュバックする
ベランダの鳩はいつの間にか飛び去った
落ちたのかもしれない
その可能性について考える?
何かについて考える
何もかもに脅えて呪いながら全てを求めて
涙をこらえて息を乱して振り返って
ああ
星に願いをかける時は気をつけて
また振り返ってしまう
振り返ってしまうのだから
涙でしょうか?
今でしょうか?
君でしょうか?
些事ですか?
児戯ですか?
いっそ全てが遊戯であるなら
ああ
人と人が戯れています
そしてついと振り返る
涙ですか?
今ですか?
君ですか?
些事?
児戯?
児戯?
児戯?
いのちで
あいで
しですか
僕は何かについて考える
それが君のことであったらいいと願う
どうして触れられているのですか
戯れることができていますか
今をください
圧倒的で
鮮烈な
今を
ベランダで煙草を吸いながら僕が見る矮小な世界
鳴いている鳩
アスファルトに降り立つ雀
向かいの三階の廊下をゆるりそろりと歩く老人
雲がすこしずつ揺らぐ
陽がわずかだけ落ちる
昨日の月はたった一時だけ赤かった
矮小で流れゆく世界
小さい
小さい
小さすぎて
その全てを呪いながら
煙草の煙を見つめて
僕は何かについて考える
今日の月は青いだろうか?
君は何を考えているのだろうか?
世界はきっと明日も似たような戸惑いを僕に与えるだろう
僕は何かについて考える
児戯?
今が欲しい
圧倒的で鮮烈な
ふりかえらないで
それは真実なんかじゃない
真実なんかじゃない
星にねがいをかけないで
振り返ってしまう
またふりかえってしまう
涙をこらえて
まるで死に体の頭で
呪って願って救って助けて連れ出して
ふりかえりたくない
ふりかえりたくないよ
僕は何かについて考える
それは詩についてであったり
君のことであったり
愛のことかもしれない
僕の矮小な世界で煙草を吸いながら
時折どこからか聞こえる鳩の鳴き声に脅えて
死に損ないの頭で
君のことを考えていたらいいと
今をください
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