第12話 友達

地元近くの病院に入院したころ、連絡をしていた、二人の女友達以外の、僕の友達は僕のことを捜してくれていた。それこそ街中の心当たりを捜したり行ったこともない場所や病院も含めて。スマホや、携帯電話、インターネットなど、一般に普及する前の話で、簡単に、ネットで検索、とはいくはずもない、、、、、!

自分たちの知らないものを見つけ出すのに、今では想像もできないくらいの時間と労力がかかっていたころのことだ。後でそのいきさつを聞いた僕は、小さく声を出して泣いた。そして泣けることが嬉しかった。男女友達の中でも一番の寂しがり屋の泣き虫になった、、、、、!

かおると子供を亡くして、絶望的な孤独感に襲われていた時、どれだけ友達が助けになったことか。いや、前からいろんなところで、いろんなことで友達は僕を助けてくれていた、当たり前のように。僕だけが気がつかなかっただけだ。行方がわからなくなった僕を、一生懸命に捜してくれたり、足しげく見舞いに来てくれたり。それはその時の僕にはなによりも心のよりどころになった、、、、、!

病室に来てくれた友達、会社の同僚、、家族、いとこ、取引先の人は一カ月で軽く百人を超えて、先生や看護師さんが呆れて、ここは病院だよ、というくらい、一人一人に感謝して、夜になると一人で泣いて、それもさみしくて泣くわけではなく、受け身ばかりの自分になにか悪い感じがしたとき、誰かがこういった、、、、、!

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