第11話 詫びと不穏
「壱号、弐号。二人をそれぞれ部屋で休ませておけ」
「畏まりました」
「お嬢様方のことはお任せください」
どこからともなく現れた、同じ顔の壱号と弐号が眠る弟子達を抱きかかえ、部屋を出て行った。
客間には昔なじみの三人だけが残され、メロスは腕を組んで沈黙し、リンはいつも通りすまし顔で。騒動の原因であり張本人であるユウキは気まずそうに居住まいを整えていた。
やがてメロスが重くため息を吐く。静かになった部屋では妙に大きく聞こえた。
「さて、言うことはあるか?」
「……マジですまん。まさかあそこまでショックを受けるとは。つーか、メロスを恨む奴がホムンクルスになるなんて考えなかったからな、ちょっとした後押しというか、プレゼントのつもりだったんだけど」
ユウキはメロスが余程気に入った相手でなければホムンクルスにしないだろうとは思っていた。人間関係が苦手なメロスのこと、変な虫が付き纏うのも嫌だったのも確かだが、それ以上にちょっとした後押しのつもりで仕掛けたのが〈親愛の種〉だった。
〈親愛の種〉は感情を生むだけのもでしかない。ついでに恋愛感情を抱いたときの保険にもしたが、根本の機能は親しみをゼロから一にするだけ。あとは本人達の努力次第というものなのだ。
まさか一になることさえ拒まれるとは、予想外にもほどがある。
メロスはそんなユウキの言い訳を、黙って聞いていた。
「……つまり、これは不幸な事故だったと?」
「そうだって。本当、こんなに嫌がられるとは思わなかったけどさ」
「せめて私には言っておいてもよかったんじゃないか?」
「言ったら、お前がホムンクルス使う訳ねえじゃん。何でわざわざ子供型にしたと思ってんだよ、コミュ障のメロスにも接しやすいようにって考えたんだぜ? 育っていく様を見てたら情も湧くだろ」
「余計なお世話だ。……だが、お前の説明だとむやみに感情を煽るような機能はついていないんだな?」
「ああ。それは信じてくれていい」
「それにしては、随分懐かれているような気がするが。恨まれている割には、な」
普段の何気ないやり取りを思い返し、ティーナの始めの気炎が弱まっているような気がする。あるいは内面でひっそり息を潜めているのだろうか。
どちらにせよ、親しみの感情は確かにティーナとルカの中で育っているらしい。
だがメロスとしては、好かれるような行動を取った覚えがひとつとしてない。毎日恨み言をぶつけられているほどだ。
ユウキが腕を組み、また少し考え込む。何だかんだと、ホムンクルスの製作者だけあって頭を使っているときの彼女は、凛々しさがあった。
「……推測だけど、もしかしたら住んでる場所が原因かもしれねえ」
「ほう。なぜ?」
「あの二人、ここの危険性をよく理解してるんだろ? もしかしたらこんな要塞みたいな家の中でもちゃんと落ち着けてねえんじゃねえか?」
メロスは頷く。
ユウキが来たときの大声に、二人が過剰なまでに反応していたのを思い出した。
「だろうな。二人にとってナユタ大陸にいるってのは、家の中にいてもストレスなんだ。ってより、平然と暮らせる奴の方が少ねえし。家が要塞化しててもな。普通に暮らしているように見えて、常に警戒している。そんな生活の中で、圧倒的な力を持った者――メロスが自分達を守ってくれていると考えれば、本人達も自覚しないまま信頼を寄せ始めている、なんて考えができる」
「最後の最後で曖昧だな」
「仕方ねえだろ、会ったのは今日が初めてだし。喋ったってより怒鳴られただけだしな。ただ、環境を考えるとそう外してないんじゃねえかと思う」
「何だかんだと助けてくれる人には、どうしても信頼を返してしまうものだと、私は思いますよ」
ずっと沈黙を保っていたリンが口を開いた。ユウキが喋っているときに話すとは珍しい。単にユウキの推測を補強したかっただけかもしれないが。
「なるほどな」
「もっともその感情の向かう先がメロス様となれば、あの二人にとっては不幸以外の何モノでもありませんでしたね。本当にお可哀そうです」
「……お前は相変わらず私に当たりが強いな。だがわかった、おそらくユウキの推測はそう外れたものでもあるまい。しかしそうなると困ったな」
ユウキの推測によれば、ナユタ大陸にいることが大きな問題なのであり、出て行けば問題ないということになる。
だが、メロスに今更他の大陸で暮らす意思はない。ティーナとルカのことを考えても、この大陸が強くなるのに一番利便性が高い。それに考えようによっては、常に周囲を警戒する環境というのも悪くないではないか。ストレスなら偶に発散させる機会さえ設ければ、常に負荷を与え続けるぐらいで丁度良い。
メロスが弟子達に芽吹いた〈親愛の種〉のことを忘れ、徐々にナユタ大陸に居座り続ける決意を固めていると、
「ほんっとーに、今回はすまんっ!」
突然、ユウキが両手を合わせて深く頭を下げた。
「やるならもっとよく考えてやるべきだった。無闇に苦しませることになってしまって、本当に申し訳ない」
その顔は本当に申し訳なく思っているようで、メロスの気勢が削がれてしまう。いや謝罪されるより先に怒りのほとんどは霧散していたのだが。なんだかんだと昔から世話になっているし、今回も悪意ではなく親切心から――余計ではあるものの――仕組んだことなので、少々怒りにくい。
「もういい、わかった」
「っ、それじゃ!」
「私は許す」
「おおっ!」
たちまち、ユウキが顔を綻ばせた。
「あの二人にもしっかり謝っておけよ」
「そりゃもちろん!」
ようやく許しが与えられたからだろうか。さっきまでと何も変わらないはずなのに、急に場の空気が弛緩した気がした。
メロスがインベントリから酒とコップを三つ取り出し、それぞれに渡す。
「メロス様、私が」
酒瓶を受け取ったリンがそれぞれに酌をする。
「
「おお、サンキュー」
仙術から作り出す仙酒に、ユウキが花の咲くような笑顔を見せた。
容姿が整っているだけに、一度笑えばユウキは魅力を全力で周囲に降り注ぐ。だが、お酒を出されたときだけにその笑顔をするというのは、どうなのだろう。
疑問を抱いている内に注ぎ終えて、コップを持ち乾杯する。
「久方ぶりの友人達に」
チン、とコップのぶつかり合う軽やかな音が鳴った。
「そういえば、二人は何しに来たんだ?」
メロスがそう訊ねたのは、飲み交わし始めて二時間ぐらいした頃だった。ずっと昔話を肴に飲み交わしていた割には、リンがほんのりと肌を朱に染めているぐらいで、飲む前とまるで変わりがない。
仙酒は仙人が酔うための酒だ。それでも変化がないのは単にメロスが酒に強いからであり、ユウキは表にでないだけだ。許容量を超えると突然倒れ、いびきをかいて寝るのはいつもの光景だった。本当に女性としては残念な人物である。
それはそれとして、ユウキもリンも、ここまで来ることに実力的な問題はないがいかんせん距離がある。ちょっとそこまでというには些か無理のある理由だった。
色々あってうやむやになってしまったが、本来の目的があるのではないだろうか。
そう考え聞いてみたのだが案の定、ぽんと手を打ったユウキは忘れてた、と口にする。
「前来てから結構経ったし、そろそろ顔見せとこうってのもあったんだけどな。お前んところに
メロスの片眉がわずかに上がった。
「ウェルのことか? あいつは飼っているわけじゃない。機嫌のいいときに時折来るだけで、牙をくれと言っても聞かんぞ」
「そこは無理矢理にでも」
「阿呆。ウェルと戦えば一帯が焦土になるわ。お前達二人合わせたより強い魔物だぞ、牙一本でそんなことできるわけなかろう」
メロスは時折遊びにくる大きな赤い狼を思い出す。最近では大人しいぐらいだが、その実力は文句なしの超位クラス。しかも七大罪の憤怒を冠するだけあり、憤怒が強まるほど理性を失い、代わりに強くなる特性を持つ。
いくら長く生きているとはいっても元々戦闘を得意としないユウキと、
二人には悪いが、それほど強い魔物を相手に、必要のない戦いをするつもりはメロスになかった。
「あー、やっぱり無理かな? 本人に頼んでみるとか」
「諦めろ、無謀だ。大体そんなもの、何に使うつもりだ」
「いやぁ、この間大罪シリーズの武器四つ目手に入れてな。ここまで来たら狙ってみようかって思い立ったんだわ」
「……コンプリートのためだけにウェルと戦うつもりはまったくないからな? どんな理由かと思えば趣味とは……」
「ま、しゃーない。じゃあ偶然でもいいから手に入れたら連絡くれ」
「それぐらいならいいが、報酬もなしか?」
「やー、ホムンクルス用の装備――今じゃティーナちゃんとルカちゃんだけど、その二人の装備の全面サポートなんてどうだ? ま、迷惑掛けた詫びも含めてさ」
「ほう、大盤振る舞いだな。正直助かる」
存外にいい条件が示され、メロスは口元を綻ばせた。ティーナとルカがどういうジョブを選ぶとしても、装備は必要になる。元々そのときになってから用意すればいいかと考えていたメロスだが、ユウキが作ってくれるというのなら願ったりだ。
ユウキのジョブは超位クラスの〈創成者〉。オールマイティな生産職であり、本職の超位よりは劣るものの、生産可能な物は幅広く超一級に届く。
彼女が全面サポートしてくれるというのなら、今後装備については一切心配しなくていいということと、同じ意味だった。
詫び、とユウキは言うがむしろ貰いすぎな気がするほどである。
「しかし、困ったな。頼みたいことがあったんだが、これではな」
「……お? メロスが俺に頼みごとかぁ。いいよいいよ、気にしなくて。ホラ、何でも言ってごらん? 答えはオーケーしかないけど、一応聞いてみるからさ」
やたらと上機嫌で捲し立てるユウキに、思わず苦笑した。
「大したことではない。確か、ティーナとルカはここにいることでストレスが掛かっているとか、言っていたな」
「まー、予測だけどな」
「なら二カ月に一度くらいの頻度でユウキに預けたくてな。ミユーラならストレス発散には丁度いいだろう」
「メロスは――行くわけないな。ミユーラは人が多いから。……けど、なあ」
この程度であれば一も二もなく頷くだろうという予想に反し、ユウキが難しい顔で腕を組んだ。
ミユーラはランディール大陸の南部にある大国である。農業が盛んで、黄河のように大きな川が国を縦に割っているため、船を使った流通にも強い。
その王都となれば様々な国から物品が集まり、見て回るだけでもティーナ達が楽しめるかと思ったのだが。
「何か問題が?」
「いや。国の治安が悪くなりそうな傾向があってよ、二年三年じゃ大きく変わらねえだろうけど、うちにくるのは止めといた方がいい。念のためにな」
「物騒だな」
「ま、仕方ねえって。それよりティーナちゃん達を向かわせるならアルセリアの方がいいぞ。大分変わって賑やかになってるぜ」
「あそこか。寒い地方の田舎というイメージしかないんだがな」
「それ、八百年前のイメージだな」
ユウキがカラカラ笑う。
八百年はいかにメロスといえど短い時間ではない。千年以上の長命種がいるこの世界で当てはめるのは不都合かもしれないが、元の世界では国の寿命は五十年だと聞いたことがある。平和な日本に住んでいた身とすれば意外かもしれないが、歴史を紐解くと数十年で滅亡している国を挙げれば枚挙に暇がない。
アルセリアはライディール大陸の北にある国だ。ならそこに住んでいる種族はヒューマンのはずで、八百年という期間を国として成立させていたのなら、これは一つの快挙だ。
人の世に降りるのは苦手だが、一度ぐらいなら見に行くのもいいかもしれない。
「ふむ、覚えておこう」
「わりいな、力になれなくて」
「いや、いい情報を聞かせてくれた。それで十分だ」
「……そういえば、メロス様」
聞き役に徹していたリンが口を開く。
「治安の話で思い出しましたが、どうやら最近ナユタ大陸の一部に大きな盗賊団が根付いたようでして」
「盗賊? そんなものがナユタで生きられるとは思えんが。大体、冒険者や騎士ならともかくどうやって盗賊が」
「いくらでも方法は思いつきますが、一番大きな可能性としては買収でしょうか。一月か、長くとも二月あれば淘汰されるのは間違いないでしょう。しかしメロス様一人であれば盗賊如き如何ほどもございませんが、ティーナ様とルカ様がいらっしゃるので頭の片隅にでも入れておいてもらえれば、と」
確かに、メロスの〈生体感知〉にヒューマンや獣人などの生命体が引っ掛かったことは何度かある。
ナユタ大陸は他の大陸に比べ、非常にマナの濃い土地だ。そのため、他では取れない貴重な素材が大量に散在している。当然価値ある者には欲に塗れた亡者達が集るもので、実力を認められナユタに渡ることを許可された冒険者などが、危険を冒してたまに採取にやってくることがある。
しかし、初めてナユタ大陸に足を踏み入れた者の生還率は、およそ百人に一人。ほとんどは慣れないナユタの地に深入りしすぎて魔物の餌になり、二度以上足を踏み入れるのは、生還した者のさらに十人に一人ぐらいの割合だった。
超一流の実力者でもそうなのに、たかが盗賊。世間の爪弾き者共ではとても生きていける場所ではない。せいぜいが魔物の餌となって終わるのだろう。あるいは、這う這うの体で逃げ出すか。
「まあ、覚えてはおこう。どうせ淘汰されて終わるだろうがな」
メロスはそう答え、それきり盗賊のことなど忘れてしまった。
◇◆◇◆◇
「まだ死なねえのか、この腐れ狼がッ!」
カインは伏せたまま動きもしないでいる巨狼に、剣を横一閃。胴を薙ぎ払う。
対峙する巨狼は高さだけで五メートルある巨体。上顎から伸び反り返る牙は五十センチはあるだろうか。全身は黒みがかった赤い体毛、黄色の目の中にある爬虫類のような縦長の瞳孔が、ぎょろりとカインを見た。
一見してカインが勝てるような魔物ではない。しかし巨狼は斬られながらも微動だにせず、為されるがままとなっている。
すでに二時間。何度も何度も斬りつけられた体はボロボロだった。赤い体毛は自身の血で塗れ、重さを持つほどになっている。
カインがまた、斬る。周囲の落ち葉を巻き上げる剣風。人間相手なら必殺の一撃も、巨狼に対しては浅い傷をつけるのが精一杯だった。
「一体いつ死ぬんだ、こいつは」
獣人の男カイン苦々しげな顔をして息を整える。二時間に渡って斬り続けたカインの身体も血で赤く染まっている。傷は確かに増えているのに、顔色一つ変えない巨狼は本当にダメージが通っているのか不安になるほどだった。
カインはかつて、優秀な冒険者だった。
近頃ではあまりいない、獣味の強い黒豹が立ち上がったような身体から打ち出される一撃は、並の相手では剣ごと切り裂いてしまうほどだった。
ワルディネア大陸最強の一角。そんな風に呼ばれたことさえある。
残念なことに優秀というのは強かったという意味であり、決して素行は褒められたものではなかったが。
力を持ったチンピラ。そんな言葉がぴったりなカインが冒険者を止め、盗賊となったのは当然の帰結だったのかもしれない。
もっとも、冒険者など犯罪者予備軍と変わらないと揶揄されるぐらい、モラルを期待するのは無駄なのかもしれないが。
しかも考えも何もないで動くものだから、盗賊業もあっという間に食い詰めとなり、挙句の果てに配下の盗賊と一緒にナユタ大陸まで渡ってきたのは、つい一週間前のこと。沼地は見張りも比較的甘いと知っていたので裏を掻き、買収すれば簡単に中に入れた。
守備兵からすると、相手は明らかに盗賊でなぜかナユタに向かっている。なら、勝手にそこで死ねばいいとまで考えて敢えて誘導したのだが、そんなこととはつゆ知らず、カインはさすがは俺だと自画自賛しながらナユタに揚々と足を踏み入れたのだ。
だが自分さえいれば問題ないと考えた結果の短絡的な行動は、魔物による数度の襲撃と分断に遭い、今でも残っている配下は何とか合流できた六人のみ。四十人近かったのに、落ちぶれたものである。
「てめえら! そこのちっせい奴は絶対逃がすなよ。もし逃がしたらこいつが襲いかかってくるからな、そうなると面倒くせえ」
カインは額の汗を拭き、後ろにいる生き残った部下共に命じる。
すると打てば響くような調子で後ろから声が返ってきた。
「もちろんでさ、親分。あのでけえ奴が俺らより強いってのはわかってやすからね。何しろ親分の剣をあんなに喰らって生きてるなんて、ただもんじゃねえ」
「けどあいつが死にゃあ、その素材を売って一気に大金持ちだ!」
「そうなりゃよ、こんなおっそろしいところともおさらばだ! ハハハ、帰ったら豪遊するぞー! ああ、トートはしっかりその子狼を押さえつけてろよ」
「……ああ」
「キャン!」
トートが三人掛かりで押さえつけている子狼の首に、にやあっと笑って押し当てていたナイフに軽く力を加えると、巨狼とそっくりな、しかし小さな子狼がか細く鳴いた。
「おい、糞狼! こいつの命が惜しかったら頭を下げろ!」
巨狼は伏せていても頭まで高さがある。剣はとても届かず、しかし巨狼は頭だけは下げなかった。カインが考える一番早く仕留める方法は、目から脳にかけて剣を突き刺すことである。
いかな魔物といえど、脳を破壊されれば生きてはいられない。そう思っているのに、肝心の頭が届かないというのだから、カインの中に怒りが募った。
「……チッ。こいつ、頭だけは下げやがらねえ。忌々しい」
「親分、そんなことよりさっさとぶちのめしてやってくださいよ」
「おれ、親分の強いところみたいっす」
何度かの命の危機を脱し、自分達より遥かに大きい巨狼を前にして、カインを除く盗賊達のテンションは異常だった。下手を打てば死ぬ。それを理解しているのはおそらくカインより配下達の方だろう。
運よく人質にできた弱い子狼。こいつを盾にしている限り、巨狼は動けない。だからこそ絶対に逃がしてはならないと思っていた。
本心を語れば、巨狼の素材なんかどうでもいいから逃げ出したいと思っているくらいだが、殺さなければ巨狼は追いかけて来るだろう。そうなれば死ぬのはこちら側、生き残る道はない。
「頑張ってくださいよ、親分。曲がりなりにもそいつを斬れるのは親分だけなんだから」
「てめえらが貧弱すぎんだよ。何で無抵抗の奴斬って弾かれてやがんた。おかげで俺一人でやるはめになってんだろうが」
カインは愚痴を言いながら、再び剣を振った。こいつはいつ死ぬのか。そんな不安を押し殺しながら。
そんなカインを巨狼は冷たい眼で見下ろす。斬られ続けている割には瞳の中に怒りはなかった。
(必ず、機会はある。それまで耐えなければ)
巨狼――ウェルは、ひたすらチャンスを窺っていた。
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