ミドルアの組織


 大きく分けて三つの組織がある。


 探求者シーカーたちを統治するシーカーズユニオン。探求者協会。


 シーカーにギフトを与えるギフトマイスターたちの集まるマイスター組合。


 そして、ミドルアの統治者たち。

 高位クラスの所持者によって運営されるクラウン。




 多くの者はシーカーとなり、遺跡へと潜っていき様々な富を得るために探索を続ける。

 そして、一部の者はシーカーからマイスターへとなり、訪れるシーカーたちにギフトを与えることにより、安定した富を得ようとする。

 さらに上位のシーカーは、クラスを変え、上位存在となり、クラウンに入って都市を支配しようとする。


 クラウンは、都市の上層部にあり、滅多に下層へ降りてくることはない。




探求者組合シーカーズユニオン

 一般的に『ユニオン』と言えば、こちらを指す。

 遺跡に入るには、ユニオンの発行する許可証が必要である。

 そして、許可証が降りるのには手続きが必要。

 許可はわりと簡単に下りるのだが、制限がある。

 時間制限である。

 時間制限を破ったものには罰金と、または遺跡侵入禁止の罰が与えられる。

 あまりにも頻繁に繰り返す者には、シーカー資格の剥奪と、都市外への追放もある。

 協会の仕事はシーカーたちに遺跡侵入の許可を与える他に、都市に関わる他の職業とシーカーの仲介役という側面もある。というか、そっちの方が主な仕事。

 ギフトマイスターの紹介から、仕事の斡旋など、その仕事内容は多岐に渡る。

 探求者協会の職員たちは、ミドルアの公務員たちである。

 同時に、彼らはシーカーになることのできない奴隷身分であるとも言える。

 結構複雑な問題があったりするのだ。

 なお、シーカーの証明書であるエンブレムは、かなりの高額で売買されていたりもする。




●マイスター組合(ユニオン)

 ただし、組合に所属していないマイスターも多い。

 ギフトマイスターたちの相互互助組織の側面が強いが、その所有する情報量は膨大であり、油断はできない。

 ちなみにマイスター組合の代表はイーハ・ブレヴィアリオである。彼は、ミドルアの基礎を築いた人物ではあったが、シーカーではなく研究者としての側面が強いためか、現在では都市の実験を握ってはいない。だが、彼の信奉者は、上位のシーカーたちの間でも多く、一目置かれている。

 彼がいるため、単なる互助組織にすぎないマイスター組合が、ミドルアの中で一定の地位を保ち続けているのだろう。




●クラウン

 都市の最上層部に棲む最上級のシーカーたち。

 都市の代表権を持ち、外部との様々な交渉のやりとりを行っている。

 かつてはその地位を巡って争いも行われたが、現在では七人の間でほぼ落ち着いている。

 人を超越して上位存在へと進化した者がほとんどであり、真の外見は人とは異なっている。

 だが、普段は人と同じ姿を取っているのだとか。

 恣意的に人とは異なる外見を取る者もいる。




●その他の組織


▼魔術師組合

 個人主義者が多い魔法使いの間で、状況を共有することにより魔法総体としての発展を目指すべく結成された組織。

 旗印とされているのはクラウンの一人、魔女アイリーンだが、アイリーン自身はその活動にあまり興味がないようである。


▼商工組合

 第一層にのみ存在する、ミドルア外部からの商人たちによる組織。

 上層にも商工施設が存在しないわけではないのだが、上層にいる者は、ほぼ例外なくシーカーである。


▼ジャッジ

 シーカーズユニオンの下部組織?

 犯罪者を独断と偏見により取り締まる一団。

 全身鎧に身を包んだ謎の存在。

 ジャッジというクラスの存在であると思われるが詳細は不明。

 他者からマナやギフトを奪い取ることができる。

 また、エンブレムを失ったシーカーを狩る。


▼アテマリス神教会

 アテマリス神群を信仰する集団。南部に大聖堂を持つ。様々なシーカーたちが心の拠り所としている。シーカーとしてクラスチェンジを繰り返すことのより、神に至ると考える一団もある。赤の神々。


▼ティオリア神殿

 ティオリア神群を信仰する集団。アテマリス神教会とは時折対立するものの、大きな諍いはない。北部に神殿を持つ。ティオリア神群には戦神と呼ばれるものが多く、個人主義のシーカーに広く信仰されている。青の神々。


▼報道局

 ジャーナリズムなシーカーたちの集団。

 ミドルア全体の報道を取り仕切る巨大組織。

 大きく三つの派閥に分かれている。

 中央塔放送局(CTB)は中立。獅子心通信(LHR)は獅子頭レオン寄り。ミドルア騎士新聞(MNN)は尖晶石(スピネル)の塔に本部があり、当然騎士王サディアス寄り。その三つの他にも中小様々な報道機関が存在し、情報を競い合っている。

 しかし、物理的に争い合うことはまず無く、情報の共有や協力作業もかなり頻繁に行われている。


▼ギルド

 シーカーたちが、お互いの探索活動を有利にするために、独自に作り上げた様々な組織を総じて『ギルド』と称する。

 正確な制度として存在しているわけではないが、自然発生的に産まれてきた。

 なお、実際に迷宮に潜るチームは『パーティ』と称する。

 通常『パーティ』は同じギルドで結成されることがほとんどであるが、仕事によっては、ユニオンがパーティ結成の斡旋をすることもある。

 特に、ミドルアに来たばかりの初心者たちに対しては、ユニオンが特別に組み合わせる。


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