第五十五話 帰還
「ここです。この
なんの
「先を急ごう。ミラナどの、行けますか?」
「えぇ、
しばらく行くと、ホリクリ村の灯りが見えてきた。
すでに時間は
「おや、もう
ギサック翁が
「すまんが疲れている。一晩泊めてくれまいか。
「どうぞどうぞ。
そのままギサックの家に
「ところで幸村。ガイロクテイン侯爵に『いくさなら
「そうですね。あのままだと殺されそうだったんで、
「では『あなた方のいくさは遅れている』というのも?」
「そう、怒らせるため。いくさ
「そうね……何とかしましょう」
ミラナは街道の向こう、ウェダリアの
ウェダリアへと
「あ、
迎えに出てきた
「む、それはすまなかったな。
幸村は城の
「はぁ、織田信長?信長公は、
「我らと同じよ。こちらにおられた。我らは
「え……つまりガイロクテイン侯爵とは……」
「そう、
「そんな……!」
佐助は
「驚いてる暇は無い。信長公は、ここに向かって来ているだろう?ジュギフ
「はい、ハセガキラを出てコモロウへと向かっております。しかし
「いつ頃ここに着くかな?」
「そうですな、あと
「そうか、急がねばならんが、
幸村は、自室で
翌日早朝、幸村は
「む、どなたかな?」
「ミラナよ」
扉の前から
「少々、お待ちあれ……」
幸村は急いで
「おはよう、幸村。
ミラナは微笑み言った。
「
幸村は、立てかけてあった
「ここをミラナどのに案内していただいたのは、私がウェダリアに来た
城のすぐ脇にある白い
「そうね。なんだか
(
ミラナは女神像の前にひざまずき目を閉じると、
幸村も、それにならった。
静かな時が流れた───
ミラナは祈りを
「あの大軍に勝てる?」
幸村は
「わかりません。勝てると言いたいところですが、いくさに必ずはありません」
「そうね、はじめて会った日もそういってたの覚えてるわ。ごめん、きっと怖いの」
ミラナは硬い微笑みを浮かべた。幸村の手をとると言う。
「信じてるわ。この街も、民も、あたしの命も、すべて預けるわ。幸村しか頼れる人はいないの」
幸村はその
(髪の色こそ違えど、
若い頃から
(淀の方さまは、あのいくさに敗れすでに亡くなられただろう……俺はこの方も死なせてしまうのだろうか……それとも助けることができるのか……)
幸村、握られた手に
「拙者にできることを、やれるだけやってみます。さて、
幸村とミラナは、ともに神殿を出た。
そして、その日は訪れた───
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます