第四十三話 関所
ウェダリアとカヌマの
「
「うん……
スカートとブーツの間に
「ウフフ……
なんだかミラナは
幸村の
才蔵は
幸村たちは「
冒険者とは、シナジノア島各所に
この地下迷宮では、
そんなお宝を求めて、命がけの探索を行うのが冒険者たちだった。
「才蔵は、魔導士というわけだな」
幸村が
「どうも、古代語魔法という忍術風のものがあるみたいですがね。とりあえず格好だけ
才蔵のローブの下には、投げナイフのホルダーが腰に
ミラナが、幸村を見て言う。
「幸村は、いつもとそんなには違はないわね」
「『
「なに?」
「その
「そうね……
ミラナは、
「冒険は何があるかわからないからね!いろいろ備えて来たの!」
「ふむ、それは心強い」
そうこうするうち、コモロウの街が見えてきた。この街はウェダリア、アズニアから南への
「
街の入口で馬を降りた幸村たちは、
しばらく行くと、関所が見えてきた。茶色がかった
その関所へと入っていった。
関所の中にはダークエルフの
幸村たちはバラけると、それぞれ窓口に向かった。幸村は、一番右手の窓口立つ。
幸村の前にいる役人は、目つきのキツいダークエルフの女だった。幸村を見ると、ぶっきらぼうに言う。
「
幸村は懐から身分証を出すと、女に渡した。
「ふーん……ウェダリア
女は幸村の顔をじっと見る。幸村は
「ま、田舎冒険者じゃ知らなくても
幸村は振り返る。
「わかった。あれを書いてくれば良いのだな?」
幸村は言うと、机に向かい緑の用紙に記入しだした。その間に、急にたくさんの人が関所に入ってきた。窓口にはそれぞれ二十人ほどの列ができた。
(えぇ!?
幸村は
「書いてきたぞ。これで良いな?」
「ダメよ。用紙がちがうわ。
「えぇ!?」
「……なに?後ろも詰まってるわ。書きなおしてきて」
「え!さっき……」
「聞こえないの!?書きなおしてきて」
女が幸村の
「……」
幸村は仕方なく引き下がる。
(さっき緑って言ったよな……まったく……)
思うが、どうにもならない。また机に向かい、
窓口には、さらに長い列ができていた。
(また並ぶのか……)
幸村は思うが、どうにもできない。最後尾に並ぶ。三時間は待ったろうか。ついにまた幸村の番が来た。
さきほどのダークエルフの女が書類に目を通す。どうやら問題無いようだ。
「うん、いいわ。では通行税を……」
言いかけたその時、
「ごめんなさいね。今、上役から
「えぇ!?」
「聞こえないの?後ろも詰まってるわ。
「……!」
幸村は、がっくりと肩を
「はぁ……ひどい……ひどいわ……。こんなあつかい受けるなんて……生まれてはじめて……」
ミラナは疲弊した
「うん……これはツライです」
幸村も相槌を打つ。
「オヤカタ
才蔵はなんとも思っていないのか、意にも介さない表情で淡々と言った。
「もう!とりあえず、その
ミラナは
窓口に延々と並んでいるうちに、
「うん、そうですね。どこで食べればよいかな?」
幸村が言うと、関所から北へ三人は目抜き通りを歩きだした。
少し行くと、通り沿いに、人だかりのできている店があった。
その店に、三人の目は向かった。
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