第二十六話 北国アズニア
ジュギフ
「幸村さん!槍の
ダニエルが
「うん、そうだな。今日は午後は休みにしよう。
「わかりました!みんな午後は休みだ!非番になる者は家に帰る支度をしてくれ!」
「オォー!」
兵たちが
「
「フフ……そうだな。オレと同じだよ。オレも兵たちに
「まぁ、何はともあれ勝って
「まったくだよ。サスガに疲れたよ」
幸村は、腕を上げ伸びをした。明日より三千の兵のうち二千人は、非番となり家に帰る。
「ジュギフ
「それがなかなか。
「アハハハ、忍びの者たちは
「そうかもしれませんな。そう、忍びと言えば、
「うむ……
「そうですな……」
佐助は青い空のつづく南の
「幸村さん!佐助さん!とりあえず
兵たちに
「うむ、そうしよう!」
幸村は言うと、
午後は休みだ。
アラニ川はウェダリア
このぶどうから造られる
そのアラニ川流域を見に来た。
(「
幸村は、川沿いの葡萄畑を見まわす。その畑に
幸村は、
「どうですか、ぶどうの出来は?」
「あ、これは幸村さまですか!えぇ、今年は
娘は幸村に笑いかけた。
「そうですか。楽しみにしています。では」
言うと、幸村は馬をゆるりと歩かせる。
そこに、城から馬を飛ばしてくる者があった。佐助である。
「御館さま!姫さまがお
「そうか。すぐ行こう」
幸村は、佐助とともに城へと向かった。
城に着くと、幸村はミラナの
「幸村です。お呼びですか?」
「えぇ、入って」
幸村はドアを開けると
ミラナは
「ミラナどの、なにかご用ですか?」
ミラナは手紙を書く手を止めると、額にかかった
幸村に
「えぇ。いま返事を書いているのだけど、西の国ナギアから
「
幸村はうなずく。
ミラナは眼鏡を上げると言う。
「幸村も知ってると思うけど、ナギアはガイロクテイン侯爵率いるジュギフ
「ナギアは敗れますか?」
「そうなると思うわ……ナギア王はきっと殺されるわ。そしてナギアを
「ふむ……」
幸村は言う。
「さて……弱りましたな。ジュギフ本軍の魔物たちは四万とも五万とも言われている。北部方面軍にはなんとか勝ちましたが、こちらは数千。このままではどうにもなりませんな」
「そう、そこで考えがあるの。
「あの援軍に来なかったとこですね」
ミラナはうつむいた。
「……そうなの……」
そして彼女は、ふいに顔を上げた。
「幸村、聞いて!もう!あたま来ちゃう!どうなってるのかしら!なんで援軍を送って欲しいって私の手紙を
ミラナは、突然怒りだした。
「アハハハ。ミラナどの、そう怒っても仕方ありますまい。たしかに
「これを怒らずにいられる人なんているの!?もう!なんのための
ミラナはまだ怒りがおさまらないようだが、気を
「でもアズニアは今、とても
「わかりました。では参りましょう。早いほうが良いですな。今日には出ます」
「お願いね」
幸村はミラナのその
「御館さま、姫さまのご用は何でした?」
「北に行ってくれとのことだ。佐助、
「
幸村は支度をすると、佐助とともに馬を北へと走らせた。
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