第二十五話 ふたり
城でも、
街のレストラン、
城の
「
ウェダリアの
ミラナも次々に身なりの
幸村は、しばらくその騒ぎにつきあっていたが、
幸村のきた
「あら、幸村」
ミラナだった。
「ミラナどのか」
「お客さんの
「そうですか」
「貴族や、商人のみなさんには、
ミラナは笑った。
「そうですよね。お若いのに
幸村も笑みを返す。
「やぐらの上から戦いを
「
「そう、そう。あれは考えていたの?」
「そうですね。やろうと
幸村は答えた。
「日ノ本で昔、
ミラナは、きょとんとした目で幸村を見てる。
「すみません、良くわからない
「いえ、いいの。いろいろ考えてくれてたのね」
ミラナは言った。
夜風がながれる。
少しして、ミラナが口を開いた。
「幸村、
「え!あの魔剣のことですか!?私もあれが、この
「そう……王家で……」
ミラナの髪が、夜風になびいている。少しうつむき考えると、微笑みを浮かべ た。
「なら幸村、
「え!?ム、ムコ!?!?!?」
「そうよ。ダメなの?」
幸村は
「え!?いや!あの!ですね……見た目はたしかに若返ってしまったのですが、
「そうなの?若く見えるのにね。あたしは気にならないわ」
「あの!それにですね!日ノ本にはですね……その……つま」
幸村が言いかけると、どやどやと
「将軍!やっと見つけましたよ!!」
ともに戦ったウェダリアの兵たちであった。
「お!
ほろ酔いの
「こっちの広間の飲み会のほうが、よい酒がでてるな。このテロワール、アラニ川左岸のぶどうで造られた
「ジンゴさん、ちょっともう。こっちの広間の
幸村が言った。
そこに兵たちが割って入る。
「将軍、兵舎の呑み会にも来て下さいよ!みんな将軍と呑みたいって言ってますよ!
兵たちとジンゴは、幸村をひっぱって
幸村は振り返り
「すみません、ミラナどの!
と言うと、連れ去られていく。
「フフ、いってらっしゃい」
ミラナは笑って手を振った。
幸村と男たちが去り、城の庭には
「はぐらかされちゃったかな───」
ミラナは月を見上げて、つぶやいた。
「月か………」
血まみれのダークエルフは、
「……クッ!………グ!………」
動くのに
だが声を出すわけにはいかない。
目立てば、何が
「ク!…グ!!……グフ!!!!」
声を噛み殺して、
まわりを見回す。かつて
動くものの
静かに立ち上がった。
なんとか歩ける。
「
一歩一歩、なんとか進む。
「ガズマス……か」
つぶやく。
(どうせいつかオレが
ダークエルフは思う。
だが、今はそれどころではない。
一歩一歩が苦しく、痛みが走り、
(
棒立ちの
(まだ運がある)
馬をやさしく撫でると、またがった。
そして、そのダークエルフは、
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