第十六話 新たな策略
「あら、幸村。来たのね」
ミラナは顔を上げると微笑んだ。ジュギフが来てから、これといった戦いが
事務仕事をする時に使っているのだろう
「どうかしたの?」
ミラナは髪をかきあげながら聞いた。
(おいたわしや……
幸村は、そのミラナの疲れの色を見て
幸村は
「今のジュギフとの
「何をすればいいの?」
「まずはジュギフへ、文を書いていただく。あと
幸村は文の
ミラナは静かに聞いている。聞き
「……わかったわ。用意しましょう」
幸村はミラナが
これで
「お疲れではないですか?」
幸村は聞いた。聞かなくても疲れているのは、見れば
「えぇ、
ミラナは笑って言った。
(何かやることのない方が疲れることもある)
幸村は思った。机の上の書きかけの手紙に目が入った。
ミラナは、その
「いまアズニアへ
「そうですか」
幸村は、うなずいた。確かに無駄だとは思うが、ミラナなりにやれることをしようとしているのだろう。
「さて、幸村の言ってた品と文、今から
幸村の策に、
「マーサ!ちょっと手伝って!」
その
「では、お願いします。それでは明日」
言うと、ミラナの執務室を後にした。
「さて、オレも準備をしないとな」
幸村は
幸村は、
丘の前には、
幸村は言う。
「軍使である。
少しすると、そのオーク達に
「これはこれは。幸村どの。
ザクマは、丁寧ではあるが
「では我軍の大将ガズマス公にお通しします。どうぞ中へ」
オークたちが門を開いた。ザクマが
「幸村どの、こちらで
ザクマに促され、馬を降りると
「こちらへ」
ザクマ、幸村と佐助を先に通すと、その天幕へと入っていった。
「ガム、ゴフ、ゴク、グフ……うむ、
大将ガズマスは、食事中であった。脂ぎった肉の塊を焼いた物を、ベチャベチャと忙しそうに
ガズマスの横には、
(こんなものを振ることができるのか?)
幸村は思うが、目の前のガズマスのその
「こちらは、
ザクマが言った。ガズマスは
「ゲフ!……ゲフォ!!……ゲーップ!!!……あー、食った食った……うむ、軍使か……」
と言った。目を細め、幸村を値踏みするように見ている。
幸村はその視線を意に介さず、一歩前に出ると、
「ミラナ
ザクマに渡す。ザクマはそれをガズマスに渡そうとする。
「ザクマよ、よい。読んでくれ……ゴフ……グフ……」
(ザクマめ、ワシが字が読めんことはわかっているだろうに……細かい嫌がらせを……ゴフ……グフ……)
ガズマスは、あごでザクマに早く読むように促した。
ザクマはうなずくと手紙を
ザクマは言う。
「ガズマス
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