第十一話 蜥蜴
「
ポラードのその
振り返った。
ダニエルは目にした。
「……リ……リザードマンだ!こんな
ダニエルは走りながら
リザードマンは、
そのリザードマンとダニエルの間に、男が割って入った。
ポラードである。
「息子よ、逃げろ!」
ポラードが
リザードマンは、ポラードに向かって
「キシャー!」
と
ポラードは長剣で受ける。
「ぐぬぅ!!」
ポラードは
リザードマンの
もう一撃。ポラードの長剣がひび割れた。
もう一撃。ポラードの長剣が半ばから折れた。
ポラードの
「父さん!」
ダニエルは叫ぶ。
リザードマンは、手を休めない。しなやかな
湾刀がポラードの
「ポラードさん!!」
ミラナは、
「この魔物!よくも!」
ミラナは怒りに眼尻を上げ、リザードマンに向けて
風にゆれる
腰のレイピアを抜くと、馬でリザードマンの横をすり抜けざまに斬りつけた。
リザードマンは赤い目をほそめると、湾刀でその一撃を弾く。
ミラナは馬から飛び降りると、リザードマンに向けてレイピアを構えた。
「姫さま!やめなされ!」
兵たちが叫ぶ。ミラナは聞いていない。
レイピアの切っ先を向けると、一歩間合いを詰める。
リザードマンの赤い
「グルギャァ!!」
リザードマンは
ミラナはリザードマンが振り下ろす力強い湾刀の一撃を、
「クッ!!」
衝撃に
レイピアの上を滑る湾刀が、
ミラナは下がりながら、一撃、二撃と体をかわして攻撃を受け流す。
隙をついて、レイピアで勢い
その突きの勢いを
振り返るとレイピアを構え直す。
猫のような素早さである。
キッと、リザードマンを
そのミラナの横に、男が立った。
「遅くなり
「ミラナどのと、あのバケモノでは体格差がかなりある。
腰の
「でも!」
「おまかせあれ。かたきは私が討つ。ミラナどのに何かあれば、ジュギフの
「……」
ミラナは押し黙ると、幸村の後ろへ下がった。
幸村はリザードマンとの距離を詰める。
「お相手いたそう」
静かに言うと、
相手はかなり
(一撃で決めるしかあるまい)
逆に言えば、一撃で決めなければ勝ち目は
リザードマンは、その赤い瞳を幸村に向けたまま動かない。
幸村、リザードマンの
リザードマンの呼吸が少し
(来る!!)
リザードマンは地を蹴って、
幸村は手首を返して刀を左に倒すと
だが幸村は、そこにはすでにいない。
湾刀は空を切る。
そのリザードマンの腕の
「せぁ!!」
幸村は、リザードマンの胸当てと腰鎧の間のむき出しの胴を、
刀は狙い違わず、リザードマンの腹に吸い込まれる。
リザードマンが崩れ落ちる。
幸村は返す刀でさらにもう
リザードマンは
下半身の脚と
幸村は刀を構えなおし、
どうやらリザードマンが
「おい、あいつ
「あらららら……どうするよ、これ」
「まったく、
「しかし、
「……
「それにしてもウェダリアのやつら、いくさ支度をしているな。
「うむ、報告に
二人は街道を南へ、馬を走らせた。
「幸村、お見事……です……」
ミラナはリザードマンを瞬く間に倒した幸村を、
「えぇ、まぁ……うまく読みが当たりましたな……」
幸村はミラナの
幸村の戦いを静かに見守っていた男たちから、
「幸村将軍!お見事です!」
男たちが幸村を称える。
だが、幸村は
横たわるポラードの横でダニエルは座り込んでいた。
「父さん……オレのせいで……オレがしっかりしていたら……」
ポラードは、薄く目を開ける。まだ息があった。
腰に挿していた
「どうやら、もう
それは、ポラード家に
ダニエルは黙って受け取る。
「強くなれ。ダニエル」
ポラードは、その言葉を
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