第八話 遅れて来た男
「…ォ…ォャヵた…サマ…」
「…サ……
ホコリにまみれてはいるが、その鋭い
そう、いま幸村の目の前にいるのは
「
佐助は、やっと
「佐助!
幸村も笑みを返して、佐助の肩を叩いた。
「御館さま!
何が
佐助は言うやいなや、
世話役たちの
「では各々方、まいろうか」
幸村は
「私も、行きます」
言うと、ミラナも続く。
「なにぶん
「六日後……」
世話役たちが、ざわめいた。敵の
「ウェダリア騎士団は、
世話役の
(騎士団はすでに南の地で
幸村は
その
「ポラードさん、それに
ボラードと
「姫さま、つまりは来るかどうかわからないと言うことですか?」
「はい……そういうことになりますね」
「
「はい……」
世話役たちは黙りこんだ。
幸村は、その様子を意にも介さぬように言う。
「そのようなことになっているゆえ、
世話役たちは、お互いに顔を見合わせた。
「
幸村は頭を下げた。
「みなさん、よろしくお願いします」
ミラナも世話役達に頭を下げる。
「……姫さま、頭を上げて下さい。幸村さまも」
ポラードが言った。世話役たちの中でもまとめ役のようだ。
「ポラードさん、よろしくお願いします」
ミラナはまた頭を下げた。ポラードは、
「わかりました、姫さま。幸村さまの、お
ポラードは、
「ありがとう。では皆さんも昼食を。午後より市街外の南の
幸村は軍議の
「ククク……御館さまが軍議をなさるお姿、また見ることができようとは……」
ミラナと幸村の
「佐助か。いつからそこにいた?」
幸村が
「いえね、久々に飯もたらふく食ったんで腹ごなしに軍議の様子を聞かせていただいたのですがね。
どうやら、佐助はどこからか中の様子をうかがっていたらしい。
「……え……いつのまに後ろに……」
ミラナが驚いた。
「この男は忍びの者ですからね。その中でも
幸村は笑ってミラナに
「佐助……あなたも、日ノ本というところから?」
ミラナは聞いた。佐助が言う。
「……
「アハハ、そうか。お前の話も聞きたいから
幸村とミラナ、佐助は中庭へと歩き出した。
「いや、ほんと
中庭につくなり、さっそく佐助は話しだした。
「
幸村は笑った。
「アハハ、困るよな。オレもどこなのか、よくわかって
「
と佐助。ミラナが言う。
「きっと近くの
「鉱山か。かもしれませんなぁ。で、
佐助は言った。
幸村、うなずき言う。
「ふむ……サスガは佐助よ。兵員に紛れ込めば飯が食えるか……。よく考えるものだな。うむうむ」
幸村は妙に
「まぁ良い。佐助、お前が来てくれて心強い。どういうわけかまた、いくさをすることになった。力を貸してくれ」
幸村が言った。
「
佐助、膝を付き応えた。
中庭には、昼食を終えた兵たちが
「……さて…始めるか」
幸村は言うと、
「皆!
幸村、佐助、そして男たちは、歩き出した。
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