第九話 槍
「いくさの
男たちを前に幸村は語る。
「敵と
男たちは黙って聞いている。
幸村は言う。
「槍は打撃兵器の中でもっとも遠くから、敵から離れて
幸村は、
「まずは叩く」
幸村は槍を上に振り上げると、
「次に突く」
すっと踏み込んで、槍を突く。
「この動きが、素振りの
「まずは、これを百回やっていただく。では各部隊で始めてください」
幸村が言うと、
「よし、百回だ!やるぞ!」
三千の兵は、その住んでいる
素振り百回は、
「終わりました」
部隊長の
「お疲れ
幸村は言った。
ポラードは
「もう百回だ!」
男たちは、また槍の素振りを始めた。
「終わりました」
「では、もう百回お願いします」
「………終わりました……」
「では、もう百回お願いします」
「…………………………終わりました……」
「では、もう百回お願いします」
幸村は淡々と
男たちは、五百回ほど槍をふらされただろうか。二の腕が張り、槍を持つ手に力が入らない。うつむき座り込んでいる者もいる。
(今日のところは、槍はこんなものか)
男たちの
「では、次は
ウェダリア城の
「そうですな。一時間半というところですか」
「ふむ、行って
「……行くぞ……」
ポラードと部隊長たちは、シブシブ
「えぇ!?行くんですか!?」
槍の素振りで疲れ果てた男たちから
「
「チッ……よそ者が
兵たちから、
(どこで何をしていたのかもわからぬ、よそ者であることは間違いない。仕方あるまいな)
幸村は、その様子を見つつ言う。
「さぁ、行こう」
兵たちは、いやいや立ち上がると歩き出した。
幸村は
「佐助よ、お前は来ないでよい。頼みがある」
「はっ」
「どうも敵に
「
佐助は、忍びらしい
空が
(普段は街の
共に
「では、皆で
幸村はポラードに言うと、さっさと城へ向かった。
「
城に着くなりマーサを見つけた幸村は、言った。
「わかりました。
マーサはそう言ってその
「すぐ
幸村は言うと、馬を南へと走らせた。
(日が暮れるな。急がねば)
幸村は、城から
ジュギフは南からやってくるという。この城壁の
平原の
この平原から、南へ石で舗装された
北にあるウェダリア城を見返す。幸村は
(しかもまた、兵は三千か……)
(妙なことになったな)
幸村は思う。だが楽しんでもいた。幸村にとって
この
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