嫉妬
美しい夜から、何週間かが過ぎ、俺は学校にはるを迎えに行った。
はるが通う高校は日本でよく知れた、誰もが知っているような高校だった。
その中でも彼の成績はずば抜けて良いと聞いた。
それを保護者として学校から聞いた時、俺は驚かなかった。
俺のはるだから当たり前だ、とは思った。
彼が校門の方へ近づいてくる。声をかけようと思った時、彼の横へ俺の神経を逆なでする男が入ってきた。その男は、背が俺よりちょっと低いぐらいで、色が黒く、はるに敬語で話していた。年下だろう。
何が俺を腹立たせたかというと、彼はおもむろにはるの方にその汗で塗れた腕を回し、儚くも美しい彼の首を占領しようとした上、こんな会話をしていた。
「ねぇ、先輩、俺のこと好き?」
「なんで?」
「いいじゃん先輩、教えてよ。」
「…好きだよ…。」
彼の赤らめたその顔が目から、頭から、脳みそから、心臓から…離れなくなった。焼きついて、俺を狂わせそうだった。
彼に近づき、腕を引っ張る。
ちょっと、というはるの声が聞こえた気もしたが、構わず引っ張りつづけた。
家に着く。
彼をソファーに押し付け、服を脱がす。有無を言わさず、彼の体に吸い付く。首を舐めまわし、彼の首を俺の唾液でいっぱいにする。次は彼の上半身にしゃぶりつく。彼の感じる場所を触り、それ以外のところも適度に舌でなぞる。最初は彼も何かを言おうと抵抗していたが、数分すると、ぐったりとソファに寝そべり、ただ喘ぐだけだった。ベルトを取り、ズボンを脱がせる。露わになった彼の秘密は何回見ても誘惑されてしまう。強引にそれを舐めまわし、硬くなったところで、手で掴み、上下に拳を動かす。彼の声が大きく、激しくなる。
「でぇ…るっ…!」
彼のその高校生らしからぬ、エロティックな声に聞き入っていると、彼の腹の上に白い液体が飛び散った。痙攣する彼に、何回もキスをした。深く唇を押し付けたり、掠る程度に触れたり、舌を絡ませあったり、唇を舌でなぞったりし、口の周りは唾液まみれだった。
「…これで…満足?」
彼は疲れた声でそう言った。
「…あいつ誰なんだよ。」
「後輩だよ。仲のいい。「りょう」っていう。」
「なんで好きとか言い合ってたんだよ。」
「…わかんないけど、言わせてくるから…。」
「…。」
「好きっていうことは悪いことじゃないでしょ?」
「じゃあなんで照れてた。」
「暑かったのと、言うのに慣れてないから…。」
「俺のこと好きか?」
「…好き。大好き。」
「…俺以外にはもう言うな。」
「…うん。」
もう一度、彼を押し倒した。
✦ ✦ ✦
「おい。」
色黒の男に声をかけた。
「お前、涼だろ?」
「…そうですけど。」
「はるは俺のだから、手を出すな。」
彼は数秒間俺の顔を見つめた。
「…すみません…なんか。」
「別に可愛いってのは知ってっからいいけど、極度の干渉はやめろ。」
「…はい。」
校舎の方から誰かが走ってきた。
「あのぉっ…!」
息切れしていた。
「こいとぅがなんかぁ…悪いことしたならすみまてん!!!」
慌てている。
「謝りまとぅ。す…すみまてん…!!」
結構、いい顔立ちをしている。
「だから、許てぃ…許してやってください!!」
「あ…あぁ、いいぞ。」
彼の必死の謝りに圧巻された。
「ほら!謝って!」
「お前、俺がなんで怒られてるか知ってんの?」
「お前がこのお兄た…さんに怒られるようなことしたってことが分かってりゃいいでしょ!」
「…ご、ごめんなさい。」
「ほら!行くよ!本当にすみまてんでした!!」
嵐のようにあらわれ、涼くんを連れ、嵐のように彼は去っていった。
高校生に本気で怒った自分が馬鹿らしく感じた。
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