再会(1)

 その後、吉丸と別れて帰宅した。ご飯を食べて、風呂に入って、自室に戻る。開け放しの窓からはぬるい風が弱々しく入ってくるだけで、蒸し暑い。すぐに扇風機をつけた。帰ってすぐ鞄から出していた夏休みの宿題は、机の上で雪崩を起こしていた。教科ごとに取りまとめて置き直す。吉丸大先生のおかげで、夏休みをあと二週間以上残し、宿題にはもうメドがつきそうだ。ありがたいことである。

「……朱雀さんの心の中は、今も秀人でいっぱいなんだね」

 数日前吉丸から言われた一言。こんなに動揺するのはおかしかった。「そんなわけないでしょ」と、そう一言で切り捨てればよかっただけだ。あのドロドロした感情はきっちり蓋をして、最近はどこにあるかもわからないくらい意識していなかったのだから。

 吉丸に指摘されたから?

 ……彼に、告白されたから?

「……違うな」

ベッドに寝転がる。扇風機の無愛想な風が、朱雀のつま先から頭まで順番に届く。

 秀人が好きなのか。

 そう訊かれたら、すぐに答えるだろう。

「好きだった」と。

じゃあ、今もまだ好きなのか。今はもう、好きではないのか。

 そんなこと、知るかよ。わかるわけないじゃん。もうどっちだっていいから、忘れたい。秀人のことで、心を乱されたくない。身体を丸めて、頭を抱える。



 最初はもちろん、友達としての「いいやつ」だった。皮肉屋で言いたいことは何でも言わないと気が済まない朱雀とは対照的に、立川はいつものんびりと構え、前向きな言動でクラスメイトや先生を惹きつけていた。「優しさ」「心の広さ」そんな周りの言葉でいつも表現される立川は、けれどなぜか朱雀のところへいつもやってくるのだった。

 俺にないものをあれだけ持ってるこいつが、なんで俺とつるむんだ。

 それは今でも朱雀にとっては最大の疑問だ。嫌みも、皮肉も時にはたっぷり浴びせてやった。それで喧嘩もした。けれど、必ず立川は折れてくる。

「朱雀、勘弁して! お前と絶交すんのもーいや!」

 朝教室に入って開口一番そう言われたこともある。「じゃあ……おしまい」とそう言うしかなかった。

 そういう開けっぴろげなところ、人を思う優しさ、こちらがつられて思わず笑ってしまうくらいの前向きさ。どれも朱雀はなく、けれどうらやましいと思うところだった。立川と過ごす時間が増えるごとに、楽しいと感じた。

「なんかわかんないけど、立川といると性格矯正されそう」

「いいじゃん。俺に染まったらもっと楽しいよ?」

「うわ、その顔やめて。マジ染まりそう」

 この立川と言う男と言葉を交わすごとに、惹きつけられていた。

 一方で立川は、当時二人の通っていた中学校にはなかった軽音楽部を創設させた。バンドをやりたいという知り合いを集め、担任の先生を口説き落として顧問に立てた。中学二年の時だった。朱雀も野球部と兼部しないかと誘われたが、もちろん断った。まったく柄じゃない。

 その、軽音楽部での初めての文化祭ライブ。

 朱雀は、助っ人に駆り出された。なんでもツインボーカル曲でメインの立川とベースの部員が歌うはずだったのだが、その部員が喉をこわしてしまったらしい。練習の間だけ、本番までには治すから、文化祭後の期末テスト範囲、ノート全部貸すから、と頼み込まれ、朱雀は渋々承諾した。……はずだった。

 前日になって、突然「本番も歌ってほしい」と頼まれたのだ。

「はあ!? 無理だって! なんで本番まで」

「頼むよ。竹田も朱雀にしてくれって言ったんだ」

「あいつ声もう治ってたじゃん」

「や、だけど! お前の声にしたいって全員で意見一致したんだよ」

「俺が一番こんなの柄じゃないじゃん。素人だし! ネタでしかないでしょ」

「そう? いいと思うけど。朱雀背高いし、ビジュアルはまったく問題ないし。素人なのは俺たちも同じだって」

「……だけど」

「軽音始める前から思ってたけど、お前の歌声、俺は好きだよ」

じゃなきゃ兼部なんて誘わない。軽くボールを投げてよこすように、そう言われ、朱雀は固まってしまった。

「……お前の前で歌とか歌った覚えなかったけど」

「音楽の授業の時だよ。みんなで歌ったろ、校歌」

「校歌かよ」

適当に言うな、と憤る朱雀だったが、立川の方と言えば、これ以上なく真剣で。

「いや、ほんとに。いいと思うよ、お前の声。てか好き」

 おそらく、この一言が最初だったのだと思う。まっすぐに見つめられ、視線を捉えられる。まるで照れる様子もなく、淡々と言った一言だった。心臓が跳ねた。

 こいつ、ほんと……なんなの。

 朱雀が反応できないでいる間に、次々に準備は整い、他のメンバーや本来歌う予定だった竹田というベース担当の部員からも「頼む」と声をかけられる。結局さすがの朱雀も、それを前にして断ることは出来なかった。二週間も練習に付き合っていた仲間を、本番を前に落ち込ませたくなかったし、何より自分自身も練習の間の楽しい時間を知ってしまっていたからだ。

 そして。

 カーテンが引かれ、非常灯だけがぼんやりと浮かび上がる体育館。噂を聞きつけて大勢の生徒が集まっている。ざわついた雰囲気を一気に吹き飛ばす、エレキギターの音。

 初めて見た、ステージ上の立川。普段とはもちろん、練習の時ともまったく違う、顔つき、仕草、パフォーマンス。元々の顔立ちはどちらかと言えば地味な立川だったが、内側から輝くような魅力にあふれていた。それはおそらく、誰もが彼と接している時に感じているものだったろう。それが爆発的に立川の身体からあふれていた。たまらなくかっこよかった。

 たぶん、あの時、そこにいた全員が、立川に夢中になった。惚れたはずだ。

 だったら、同じステージ上で、たった一メートルの距離でそれを見ていた朱雀は、そして途中お互いの頬が触れ合いながらも同じマイクで歌った朱雀は、どうして夢中にならずにいられただろう。惚れずにいられただろう。

 俺はその時、立川に恋をしたんだろう。

 身体の中を突き抜けるような快感。くだらないものが全部吹っ飛んで、最高に楽しくて、最高に気持ちよくて、隣の男と目が合えば同じ気持ちだとすぐにわかったし、ずっとこの時間が続けばいいのにと思った。

「おっまえ、さいこー!!」

 挨拶も終わってステージそでに戻った瞬間、立川は朱雀に全身で抱きついた。よろけた朱雀は尻餅をつき、二人は床に倒れ込んで抱き合った。

「やべ、……たのしかった」

「だろ!? 超気持ちいい! 朱雀、ありがと! 最高」

「どういたしまして。いてえよ」

「つーかお前ら二人、すげーよ!」

「色んな意味でな! 途中間違え過ぎ」

「竹田が歌わねーからだろ!」

口々に言いながら他の部員達も一緒になってなだれ込んでくる。それでも、立川は朱雀を離さなかった。

「あーお前、やっぱいいわ」

立川の膝が伸びて、さらに全身の体重がかかって、朱雀は気づいた。

「……おい」

「んー?」

「……………お前、勃ってる」

「ぎゃーマジで!? 失礼しましたっ」

「立川ホモってんなよ!」

「やり過ぎやり過ぎ」

「ぶっ! アンコールあったらそのまま行けよ!」

「飛び過ぎ! お前!」

 その後のことについては、苦笑するしかない。


 あの夢のような時間から、一夜明けても、一週間経っても、ひと月経っても、朱雀の中に芽生えた気持ちは消えなかった。覚めない夢。それどころか、立川といればさらにひとつ、もうひとつと輪をかけて気持ちは強くなっていく。声が好きだと言われたことを思い出し、ステージ上のことを思い出し、その後抱きしめ合ったことを思い出し、朱雀の心はそれだけでいっぱいになってしまったのだった。

 あの時マイクなんて取り上げてあの唇にキスしたかった。汚い床の上で、もっと強く抱きしめれば良かった。あいつの勃ったそれを、この手で触りたかった。

 熱が収まっても、もう気持ちは収まることがなかった。それから卒業するまでずっと、朱雀は立川に恋をしていたのだった。



 頭を抱えていた手を離す。思い出すと、恥ずかしくて、いたたまれない。苦い思い出。吉丸と再会してからは、もう消えたと思っていたのに。

 吉丸の言う通りだったな。

 合宿から帰ってきたその夜は、ほとんど寝つけなかった。彼が言った言葉が頭の中をぐるぐると回っていた。

「でも俺の気持ちは信じられない。秀人がいるから。そうじゃなければ、信じたくないのかな? 秀人がいるから」

 そういうことなのだ。結局は朱雀自身が立川にこだわっているから、吉丸が立川のことをまだ忘れられないのではないかと思ってしまう。何を考えるにも、立川の存在が浮かび上がってしまう。

 とらわれたくないと思うのは、既にとらわれているから。逃げるのは、追いつかれたら逃れられないのを知っているから。でも、それではいつまでたっても変わらない。時折発作のように浮かび上がる立川の存在に、振り回されるだけだ。

 だから……どうすれば。

 突然携帯電話が鳴って、朱雀は飛び上がった。見ると、メールが届いていた。立川からだ。

『十三日、どーすんの。部活ないんなら来いよ』

 だったら、覚悟を決めた方がいいのか。同じことを何度も繰り返して、また同じ思いに駆られるのなら。半ば投げやりにそう考えて、「行く」と返信した。

 会ってどうする、ということまでは考えてなかったけれど。



 肌に触れた水が冷たくて、火照った身体にちょうどいい。水面がきらきらと日差しに揺れて眩しい。静かに水の中に潜ってから、軽く浮き上がるようにバタ足をしてみる。気持ちがいい。無心になって、身体を動かして。

 ……それはいいのだけれど。

「つーかさ」

 朱雀は水面から顔を上げ、したたる水を拭った。見上げた先、プールサイドに突っ立っている、立川に声を掛ける。

「なんで男四人で市民プールなの」

「暑いから」

「暑いならいっそ海行けよ」

「海だとほら、恥ずかしいじゃん」

「何が」

「Tシャツ焼け。お前はいいよな、部活で外出てるって言ってもアンダーウェア着てるから」

「俺だって首から上は焼けてるけど」

「インパクトの大きさが違う」

「つっても、恥ずかしいのはここだって同じじゃん」

「ここだったら子供かじーちゃんばーちゃんしかいないからってさ」

「……なるほど」

 「久しぶりに集まれるやつだけで遊ぼう」。夏休みに入ってすぐ回って来たメール。その下に「市民プール集合、水着持参」と書いてあるのを見れば、意味はわかったけれど、動機が不明だった。なるほどそういうことだったとは。確かにフロアを見回してみれば、子供連れの家族客か、小学生のグループ、そしてスイムウォーキングに励むお年寄りの姿くらいしかない。

 朱雀はとりあえずプールサイドに上がって、立川にならって飛び込み台に腰掛ける。

「相変わらずいい身体してんな」

立川が遠慮なく朱雀の身体に目をやり、そう言ってくる。心臓が飛び跳ねた。

「は!? なに、急に」

「やっぱ日頃から部活とかしてると筋肉つくよなぁ」

「いや、それだけ毎日しぼられてるんだって。身体動かないと話になんない」

「まあ、そうだけど」

「おまえ……お前だって別に変わんないじゃん」

立川の水着姿に目をやる。少々Tシャツ焼けした腕が不格好だけれど、引き締まった体つきは朱雀と比べてもたるんでるようには見えない。滑らかな喉元から鎖骨、胸元、腹筋。その下から急いで目を逸らす。

「一応筋トレやってっからねー。俺は見た目も大事だし」

「なるほど」

「こないだの新歓ライブで上脱いだら怒られた」

「だろうな。沖男なら」

「でもおかげで新入生はいっぱい入って来てさ、やっぱ見た目大事だって実感した」

「それお前の裸関係あんの」

 ありきたりな会話を続けながら、朱雀は久しぶりに味わう様々な衝動と感情の流れにかき混ぜられ、どこかふわふわと落ち着かなかった。今自分の心のうちが、はたしてマイナスの感情で満たされているのか、プラスの感情で満たされているのか判断がつかない。うれしいのか、つらいのか、とにかく緊張している。

 だって好きだったやつに半年ぶりに再会したのだから。よりによって市民プールで。しかも水着姿で。そんなもの、これまで中学校のプール授業の時にしか拝んだことがない。目の前の引き締まったきれいな肉体をどうこうする気はなくても、想像を止めることはできずにいた。手持ち無沙汰にとりあえず訊く。

「竹田と、中森まだ?」

「みたいだなー。プールって言い出したの中森なのに」

 竹田は朱雀や立川と同じく東山門に住んでおり、今回久しぶりに帰ってくるのは中森だ。親の都合で高校から地元を離れたのだ。竹田の方は立川と同じく沖男子校に進学し、共に軽音楽部でバンドをやっている。

「ふーん。じゃあまだ泳ぐわ」

「うん」

「お前泳がねーの」

一旦は目をそらした朱雀だったが、振り返って一応訊く。

「や、俺見とく。んで身体焼く」

立てた膝に頬杖をつく立川。

「ベンチで寝とけよ」

言い捨てて、朱雀は再び水に入った。

 朱雀が二十五メートルプールを二往復泳ぎ終える頃には、残りの二人も揃った。そしてそのまま、朱雀はといえば水から上がることもなく、久しぶりの挨拶もそこそこに四人で泳ぎ始めた。おおよそ一年ぶりに会う友人だけれど、実際顔を合わせてしまえばあまりそんな時間の経過もお互い気にならない。とりあえずプールに来たのだから、泳がないことには意味がないとばかりに四人で一コースを独占して泳ぎ続けた。

 静かな水の中が心地良かった。耳まで水にさらされて、何もかもが遠のくような気がする。時折すれ違う友人の姿も曖昧にしか映らず、たった一人でターンを繰り返しているようだ。

 心のうちを整理しようとすれば、なかなかうまくいかない。

 市民プールのロビーで久しぶりに見た立川。変わらない笑顔で朱雀に声をかけてきた。その時、一体自分がどういう衝動に、感情に見舞われてしまうのかとそればかりをずっと恐ろしく思ってきた。半年前に偶然再会した時のように、全身で震え上がってしまうのではないか。うまく感情が処理できずに動けなくなるのではないか。逃げ出してしまうのではないか。立川を殴ってしまうのではないか。

 それの、どれも、実際には起こらず。

 ただ、心が震えた。震えて、ちくちくと痛み出して、まるで痛み出したところから血液が流れるように、確かな痺れが全身を駆け巡る。それだけだった。指を伸ばせば右手が上がって、口を開けば「久しぶり」の一言が出る。「お前が一番乗りとかどうしたわけ?」というずいぶん自分らしい言葉も追っかけて。

「やーたまにはいいじゃん。朱雀こそ去年部活ないくせして来なかったろ」

「俺も色々忙しいの」

「その言い方すげえ腹立つ」

 取るに足らないやり取りができることに困惑する。落ち着いているのに、落ち着かない。解き放たれているようで、つながれている。何も気にならないようで、忘れられない。

 訳がわからない。

 一時間半くらい泳いだ後は、プールサイドのベンチについた。パラソル付きのテーブルに疲れた上半身を預ける。

「あー気持ちよかった」

「久々に運動したわ」

「中森、お前本当Tシャツ焼けひでえな」

「そうなんだよ。袖まくると先生に怒られるし。プールの授業、マジ恥ずかしいぜ」

「つってもみんなそうだろ?」

「女子もいんの。うれしいけどさ、俺色白だから目立ってさ」

「朱雀そうでもなくね?」

「部活だと長袖だから」

「立川もそうでもない」

「俺部活屋内だし」

「竹田もそうか」

「ああ。だいたい俺元々色黒だし」

「……そうか」

がっくりと中森が肩を落とす。立川が咳払いをしておもむろに言った。

「みんな中森くんのために貴重な休みを割いて、こんなしなびた市民プールに集まってきたんだ。何かアイスでもおごったらどうだね」

「しなびた言うな!」

「あ、俺チョコチップ」

「バニラ」

「キャラメルあったよな? それでいいよ」

「金、出せ! 金!」

アイスをはさんでようやく近況の話になる。

「朱雀は部活、休みかよ」

「うん。明日まで」

「毎日毎日外だろ。死にそう。遊びたいとか思わねえ?」

心底うんざりとした表情で中森が訊いてくる。朱雀は首をひねった。

「まあ、中学ん時もそうだったし。遊びたいとは思うけど」

「遊ぶ相手がいない、か」

「うるせーよ」

「立川と竹田はまだバンドだろー?」

「まあな」

「楽しいことはやめられませーん」

竹田が腕組みしながらうなずいたところに、にこにこと立川が答える。

「そういやさ、一回朱雀もなんか歌ってたよな、二年の時」

中森の言葉に、ドキッとする。

「最初の文化祭。ライブデビューの時だよ」

「……竹田が俺に押しつけたせいで」

「はいはい。楽しかったーって言ってたくせに」

「いやーあれは本当に楽しかった」

「あれ良かったよなー。俺もやりたいと思ったもん」

「お前は全然音感がないからダメ」

「そもそもさ、音感ってなに」

「ほら、このレベルだから!」

「え、俺も知らないんだけど」

「朱雀は何となく身体でわかってる」

「ひいきじゃん!」

相変わらず、中森は騒がしい男だ。それで場が楽しくなることももちろんだが。不意に言った。

「もう、ああいうことやんないの?」

朱雀、立川、竹田で顔を見合わせる。

「もう無理だろ」

「朱雀がこっち来ればいつでもできるよ」

「別にいつでもやればいいじゃん」

同時に三人の声が上がる。中森は吹き出した。

「何言ってっか、全然わからん」

「だから朱雀次第ってこと」

「立川さ、なんでそうやっていつも俺に振んの」

「俺らはいつでもいいもんね」

「やりたくなったら連絡しろよ」

竹田も軽い口調で言ってくる。

「……頭痛い。もうそんなの俺二度とやんねーから」

「ほらー。普通に誘っても朱雀絶対乗ってこないもん」

「ひねくれてるからな」

「モノで釣るか、脅すかしないと」

「……なんなの、俺」

 なんだか自分が問題児のような扱いを受けていて気に食わない。だから自分はそういう柄じゃないと何度も言っているのに。

「じゃあ、あとひと泳ぎしたらカラオケ行くか?」

珍しく竹田がニッと笑って提案した。普段あまり表情を動かさない彼がそういう笑い方をすると、非常に大人びて見える。

 ……まさか。

「おーいいね」

立川が手を叩いて賛同する。

「それこそさ、あの時みたいにさ、歌ってよ! 立川と朱雀でさ」

中森は目を輝かせてこちらを見ている。

 朱雀は、言葉を失った。

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