花火大会(1)

 空はまだまだ明るいのに、落ち着かない。ついつい校門の方へ目を向けてしまう。彼がいるかどうか気になる、というような具体的なことを考えているのではなく。ただただ、校門には誰もいないのだ、だから何も気にすることはないのだと、自分に言い聞かせる。

 今日は花火大会の日だった。吉丸とは七時半に駅前で待ち合わせだ。だから、校門にいくら目をやっても仕方がないのに。朱雀は校舎の時計を見る。六時五十分。そろそろ部活も終わる時間だ。はたして、顧問の先生が合図の笛を鳴らし、最後のランニングと体操をしてミーティングもそこそこに、終了となった。

 他の部員たちも心なしか急いだように着替え始める。

「じゃ、俺お先ー」

バタバタと出て行く者もいる。毎年、部活が終わると部員たちで花火大会に行くのは恒例だった。主に、他に行く相手が(友達だろうが恋人だろうが)いない者たちだ。朱雀も去年は野球部組に入って、五、六人で夜店を回った。今年は別で行くことは既に伝えている。しかし友達と行く、と言った途端、内田から「ああ、あの沖男のやつね」と言われたことには驚いた。

 まだ待ち合わせ時間までは二十分以上あるので、急ぐ必要はない。けれど、周りがなんだかそわそわして、急いで着替えたりしているのを見ると、自分もなんだか気がはやる。


 でも。

 シャツを頭からかぶりながら思う。

 別に今日はなんでもないんだ。ただ吉丸という友達の友達──言うなら、知り合いがここの花火大会に行ったことないって言うから付き合うだけだ。それ以上もそれ以下もない。俺にとっても、あいつにとっても。

 胸のうちが一気によどんで暗くなる心地がした。

 俺、やっぱり何か期待してたんだ。ため息がもれる。

 吉丸が今、何をどう思っているのか、朱雀にはわからないけれど。それは立川がいないからだという理由は明白だった。

 ご指名は、俺。ただし、いつものように代役だってこと。

 ……つーか、何考えてんだろう、俺。

 また一人部室を出て行く。着替えてかばんを持った朱雀も、それに続いた。


 外に出たところで、前にいた部員……同じ二年の石倉が、勢いよく朱雀を振り返った。いきなり両肩を掴まれて、かばんを取り落としそうになる。

「朱雀っ!」

「嫌だ」

一瞬にしてよぎった嫌な予感に従い、朱雀はとりあえず眉間に皺を寄せてそう切り捨てる。

「うっ……」

すると彼は大変ショックを受けたというように、悲しい目で言葉を詰まらせ、うつむいて二人分のスニーカーを見つめ始める。彼にかかるとどんな時でも自分が悪者になった気がして、非常に疲れる。気がとがめる。あまり今のタイミングで話したい相手ではなかった。

「……なんだよ」

「……頼みがあるんだ」

「断る」

「うっ……」

「……わかったよ。さっさと言え」

「あ、ご、ごめんな、帰るとこ呼び止めて。あの、俺、今日朝丘ちゃん送る当番なんだけど、七時に待ち合わせしてて、その、今もう既に遅刻してるっていうか……その……」

半分目を潤ませながら、たえず落ち着かない様子であわあわと話す。小柄で、顔立ちも整っていて、一見上品な雰囲気すら持つ彼だが、吉丸とは違い、どうにも苦手だ。あまりにも頼りなさ過ぎて、大丈夫かと思ってしまう。そして必要以上に卑屈な態度にイライラしてしまう。

 大体なんで七時に待ち合わせしてんだよ。部活終わる時間が七時だろが。

「で?」

ついつい声が低くなる。

「できるなら、今日当番代わって欲しいと思って……」

「俺も他に約束あんだけど」

腕時計を見る。あと十五分。ゆっくり歩いてちょうどいいくらいだ。

「他のやつら、まだ着替えてるし……。それに待たせてるのが、かっ彼女なんだよ。頼むよ」

「お前……」

ため息混じりに文句を言おうとしたところで、やけに明るい声にさえぎられた。

「石倉くん! いいよ、気にしないで」

「!」

 いつの間にか石倉の後ろには、朝丘が立っていた。

「彼女さん、待ってるんでしょ? 早く行ってあげなよ。てか、行けっ!」

朝丘の笑顔に、朱雀と石倉は固まった。



「ごめん、朝丘。石倉のせいで」

「ほーんと、彼女とかよく言ってくれるよねー。

 ……なんちゃって。こっちこそごめんね。今日は一人でも大丈夫だと思うんだけどさ」

 結局朝丘を一人で帰らせるわけにはいかず、朱雀が送っていくこととなった。石倉には明日誠心誠意朝丘に謝らせることとして。

 今日は日にちが日にちのせいか、大通りにさしかかるといつもより人が多くいて、浴衣を着た女の子たちや、甚平を着た子供、家族連れもたくさん歩いている。夜店はもう出揃っていて、車両通行止めとなった奥の道路は、眩しい灯りがたくさんついているのが見えた。

「人が多い方がかえって危ないんじゃないの。特に家の前とかは」

 コンビニにはいつもより、浮かれた連中がうろついているかもしれない、と思う。

「でも、朱雀くんも約束あったんでしょ? 相手の子に怒られない?」

弱りきった顔で、朝丘が言う。慌てて朱雀は答えた。

「大したことないって。ただの友達だし」

「……ありがとう」

「それより朝丘は行かねーの? 花火」

「あ、うーん……それが……」

珍しく言いよどむ。朱雀は不思議に思った。

「どうかしたわけ?」

「あの、内田くんに、誘われてて」

「えっうそ」

「うん」

 内田。今日は大人しくしていると思ったら。抜け目なく誘っていたのか。

「あんまり驚かないんだね」

「いや。つーかじゃあ、帰っちゃっていいわけ?」

そういえば、一番に部室を出たのは内田だったことを思い出した。

「……それが、迷ってて」

「は? いや、もうあと四十分で打ち上げだろ」

「うん……」

うつむく朝丘。とうとう足を止めてしまった。

「……行きたくねーの?」

「ううん。なんか誰かに会ったら恥ずかしいなって」

「はあ。まあ、内田だしなあ」

朱雀は答えようがなく、頭を掻きつつぼやく。もう少しで駅前通りにさしかかるところで、朝丘が携帯電話を取り出した。と、同時に朱雀の胸ポケットでも携帯電話が振動を伝えてきた。

「あ、電話」

「俺もだ。……もしもし」

お互い向かい合ったまま、携帯電話を耳に当てる。朝丘の不安そうな顔が見えた。

『もしもし、朱雀さん?』

吉丸だ。後ろのざわついた物音で少し声が聞き取りづらい。

「吉丸か?」

『もう駅前着いたよ。それで……』

続く内容を聞き、驚いて朝丘を見ると、彼女も目を大きく開けてこちらを見ていた。

『内田くんに会って……マネージャーさん探してるって』



 いつもの二倍は混み合っている駅前通り。そこに朱雀と吉丸、内田、朝丘が揃ってかき氷を食べていた。

「吉丸くん、一口食べない?」

「うわあ、いいの?」

「さっき迷ってたでしょ。いちごとハワイアンブルー」

目の前で吉丸と朝丘がかき氷を分け合ってはしゃいでいる。風もなく、いつになく暑い今日はかき氷が何よりの水分補給となる。内田はざっくざっくと氷を口に運びながら、横目で隣の朱雀を睨んでいる。

「朱雀のせいだ」

「はあ? 石倉のせいだっての」

「アサちゃんとずるずる駅前で話しやがって。お陰で今日の計画が台無しじゃねーか」

「ふざけんなよ。そりゃこっちの台詞だって。なんでお前が吉丸といるわけ」

すると内田は、コロッと表情を変え、好奇心たっぷりの目を輝かせた。

「え、なに、お前らも今日何か計画あんの?」

「や、ちがっ。ねーよ別に」

「ええー」

 電話を受けた朱雀と朝丘、かけた吉丸と内田で、通話を切った後すぐに合流した。お互いの待ち合わせ相手と会えたので、「じゃあ」と別れようとした途端。

「ねえ、せっかくだから四人で行かない?」

と朝丘が提案したのだ。「や、それは……」とやんわり否定しようとする内田を尻目に、朝丘は朱雀に目配せをしてきた。

 お願い。

 正直なところ、朱雀は朝丘の提案に乗るのは気が進まなかった。内田のことを考えると(考えてやる必要もない気はするのだが)気がとがめないこともないし、大体、吉丸と二人で行くという心構えをしてきていたので調子が狂う、ということがある。

 けれど、結局女子の頼みを断るわけにもいかず、「いいよ」と同意した。吉丸を見やると、彼は少し肩をすくめ、微笑んでみせた。構わない、といった風だ。

 ちなみに今日、彼はなんと浴衣を着ていた。内田と偶然会って、挨拶だけで終わらなかったのもそのせいだろう。朱雀は驚きすぎて、リアクションが取れなかった。紺地に白の細い縦しま模様。渋い山吹色の帯を締めていて、彼の細い身体つきや白い肌がさらに際立って見える。思わず唾をごくりと飲み込んだ。

 綺麗だった。男のものとも女のものとも違うような、ひんやりとした色気。道行く人も吉丸を振り返り見ている。

『男が着てくると思わなかった。えらい気合入ってんじゃん』

そう言うと、彼はぱっと頬を赤くした。

『気合入れてるよ。当たり前じゃん。花火大会なんだから』

どこかむっとした様子で言い返してくる。おかしくて、笑ってしまった。すると吉丸もつられて笑う。鮮やかな笑顔に、どきっとした。

 捨てようとしている感情が暴れて、身体の中を駆け巡る。まずい。どうしたらいい……。



 四人でひと通り夜店を見て回るだけでも、かなり時間がかかった。小さな街の小さな祭りなので規模は知れたものだが、通りは満員電車並みの人の多さである。移動時間がかなり長かった。

「あ、もう破れた!」

「おま、早えよ」

「吉丸ちゃん残念。俺に代わって」

「あー私もダメ」

「朝丘どれがいい? 俺取ってやろっか」

「えー、えっとねー……」

 四人並んで金魚すくいなどやっている。不思議な気分だ。朝丘の隣を確保できた内田はうれしそうにしている。朱雀も黒い出目金を狙ってお椀を持っていた。ゆったりと優雅に泳いでいるくせに、捕まえようとすると、するりとかわされる。

 横で吉丸の声が聞こえた。周りがざわついていて、何を言っているのか聞き取れない。

「あ?」

耳を近づける。吉丸の手が、朱雀の腕に触れた。初めひんやりとして、あとから確かな体温が伝わってくる。

「花火、ここから見えるかなって」

言われて腕時計を見ると、打ち上げ十分前だった。

「ああ、もう時間か」

顔を上げると、吉丸と目が合う。白熱灯に照らされて、オレンジ色をした瞳がひたと見つめ返してくる。一瞬、彼の指がぎゅっと、朱雀の腕を掴んだ。

 ぽちゃん。

 気づけば、黒出目金は紙を破ってしまっていた。内田と朝丘は、まだ金魚を追って水槽を探している。

「……行くか」

朱雀は吉丸の手を取り、道具を置いて立ち上がった。そっとかばんを持ち上げる。そのまま二人は、音もなく人通りに紛れて歩き出した。


 時間もいよいよ迫ってきて、通りは打ち上げ会場へ進む人の流れが多くなっていた。そんな中を朱雀たちは人の間をかきわけながら、反対方向へ進んでいた。つないだままの手が汗ばむ。

「朱雀さん、こっち?」

「うん」

 そのまま三分ほど歩いた。夜店の通りを抜けて裏道を歩くと、そばの小山の入口、鳥居の構えが見える。点々と続く頼りない街灯に、石段の長い上り階段が照らされている。その一番上の段まで上がったところで、朱雀は足を止めた。つないでいた手を離す。

 暑い。すでに額に汗がにじんでいる。吉丸もさすがに息切れしたらしく、石段に座った朱雀の隣にどっかりと座り込んだ。

「朱雀さん……速いよ。俺今日走れないんだからさ」

「あ? なんで」

「浴衣。走ったら、着崩れする」

「ああ、それか。何も考えてなかった」

吉丸はくすっと笑った。触れている肩が揺れた。

「……抜け出しちゃったね」

「まあ、邪魔しても悪いし。朝丘には内田に付き合ってもらうけど。……残りたかった?」

そう訊くと吉丸は笑って首を振った。

「朱雀さんを誘ったんだから。二人がいいよ」

目を伏せてそう言う。

「……あっそ」

 顔が熱くなってくる。

 なんでそういうこと平気で言うんだこいつ。……あ、いや、だから立川の代わりか。そうだった。

「内田くんって、朝丘さんのこと好きなの?」

「みてーだな。ちゃっかりしてるよ」

 ヒュウウッっという音が聞こえた。朱雀と吉丸が揃って目の前の空を見上げると、大輪の花火が鮮やかに上がった。真っ黒な空に一瞬輝いて、消える。するとまた、次が打ち上がる。

「わあ……」

「きれい」

「うん……本当、大きい」

「ここ、会場からちょっと離れてるからさ。しかも周りがそんなに明るくないから、人も来ない。結構穴場なんだよ」

「ゆっくり観れるね。やった」

 次々に打ち上がる花火を観ていると、朱雀はなんとなく、静かな……凪いだ気持ちになっていくのを感じていた。

 隣に座る、吉丸。その横顔は柔らかく微笑んでいた。時折花火の光に照らされて、色に染まる。

 胸のうちの感情を、もう一度確かめる。

 確かに、俺はこいつに惹かれている。頼りない外見のわりに、気を張って立っているところに。危なっかしいところに。うれしそうに笑うその笑顔に。

 でも、もう、捨てよう。

 こいつが俺といる限り、こいつは立川のことを考え続ける。

 今、この位置は立川の位置だってこと……。

 ふと、左肩に何か乗っかってくる。吉丸が朱雀の肩に頭を預けていた。いつかの電車の時と同じ。けれど、見やると吉丸は目を開けていた。知らない振りで花火を観続けている。頬が赤くなっているのが見えた。

 その途端、急に胸のうちが穏やかでなくなった。胸から頭に、しびれるような甘い感覚が駆け巡る。それをこらえるために、朱雀は両手を握り締めた。

 苦しい。

 考えれば考えるほど、感情は輪郭を持っていく。

 朱雀は、ゆっくりと左手をほどいて、吉丸の肩に回した。抱いた身体が、小さく身じろぎする。しかしすぐに身体を預けてきた。肩に感じる熱い頬。浴衣の布越しに伝わる細い身体、息づかい。心臓がうるさく音を立てて、夜空に目をやっても意識がついていかない。

 この花火が終わったら。

 この花火が終わったら、この感情は捨ててしまおう。

 そう、決意だけする。



 最後に大きな花火が上がって、打ち上げは終わった。辺りが急に静まり返って、蝉の鳴き声が耳に届いてくる。朱雀は目を閉じて、しばらくその音に聞き入った。

「……帰ろっか」

抱いていた手を離し、吉丸の背中を叩く。

「あ、うん」

どちらからともなく立ち上がって、尻についた砂を払い落とす。朱雀はその間も、吉丸の顔を見ることができなかった。

 長い映画を観終わった後のような気分。頭がぼうっとして、感情も感覚もどこか曖昧にしか感じられない。

 石段を下りようとしたところで、吉丸がそれに反し神社の境内に入っていくのが目の端に見えた。

「吉丸?」

 明かりもない、真っ暗な広場。石段の街灯の明かりがわずかに届いて、頼りなく朱雀と吉丸の距離を照らす。彼は社の方を向いたまま、数歩歩いて立ち止まった。浴衣の白い縦しま模様が浮かび上がっている。それがなにか……今にも消えてしまいそうに見えた。

「ずっと、言いたかったんだけどさ」

「……吉丸?」

こちらに背を向けたまま、吉丸は言葉を続けた。

「朱雀さんに感謝してるんだ、俺」

「は?」

唐突な言葉に、朱雀は思わず聞き返した。すると、吉丸はふり向いた。足元を見ている。

「俺は朱雀さんにとって、恋敵でムカつく存在のはずなのに、俺のわがままも弱音にも全部付き合ってくれた」

「…………」

「そりゃ、嫌味とかきついことも言いながらだけど。でもお陰で俺は秀人にとらわれずにすんだんだ」

伏せていた目を上げる。朱雀を見て、柔らかく微笑んだ。

「朱雀さんがいてくれてよかった」

ズキ、と心臓が痛んだ。感情も、感覚も、頭がうまく処理してくれない。朱雀はかろうじてかすれた声を出した。

「俺は……何もしてねーよ。泣かせたし。俺のこと、ムカついてたのはあんたも同じでしょ」

「うん。でも、今は感謝してる。それに、朱雀さんがどう思ってるかなんて関係ない。俺は、朱雀さんに救われたと思ってるんだ」

心臓の痛みが、やがて早い鼓動とともに何度も刺さってくるように感じた。甘い痛み。

 救われたなんて、おい。

「大袈裟すぎ」

朱雀の言葉に、吉丸も苦笑した。

「だよね。けど、俺はそう思ってる」

真剣な目だった。はっとした。思わず唾を飲み込む。

 吉丸が、一歩近付く。

「ありがとう。俺を救ってくれて。俺を受け止めてくれて。わがままに付き合ってくれて。朱雀さんにはひどいことをしたと思う。それを謝りたいと思う。でも、俺はあの日、朱雀さんに会えてよかった」

さらに一歩近付いて、朱雀を見上げ、照れくさそうに笑う。次に優しい瞳が見えた。どうしてか、それがやっぱり今にも消えてしまいそうに見えて、不安なのか何なのかわからない感情があふれてくる。

「どういたしまして。何もしてないけど」

吉丸はくすっと笑った。

「……それで、もうひとつ」

 もう一歩、近付く。そのまま吉丸は、朱雀の胸に頬を寄せた。両手がシャツを掴む。

「!」

「俺、朱雀さんのこと好きになっちゃった」

軽い口調とは裏腹に、抱きついてきたその身体は小さく震えていた。

「朱雀さん……俺はどうしたらいい?」

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