第12話 コンテスト ③

この『カクヨムという罠。』も10話を超え、「あまり長々と続けるとしつこいのでは?」と思い始めた今日この頃・・・。


今回は「コンテスト」についてです。

恐らく、コンテストについて語るのは、これが最後になると思います。


私は、これまでコンテストについて様々な意見を(勝手に)述べて来ましたが、この「コンテスト ③」で語る内容が、コンテストに対して、一番引っかかっていた事柄です。

皆様の中にも、引っかかりを感じていた方が少なからず、いらっしゃるのではないでしょうか?


私が引っかかりを感じているのは、コンテストの応募要項に書かれている「プロ・アマ不問」という一文です。


編集部に原稿を送り、編集部内で選考が行われる新人賞の応募要項でもよく見られる一文であり、私自身、今までは引っかかりを感じていなかった一文なのですが、このウェブ上で行われるコンテストでは非常に引っかかる一文でした。

と言うのも、編集部内で選考する新人賞では、どんなに上手なプロの作品であっても、その新人賞に合っていなければ、ご縁がなかったとして、惜しまれながら落選となってしまう作品もあるでしょう。

ですが、このウェブ上でのコンテスト、つまりカクヨムでは、編集部に行く前に、読者選考が行われます。

プロとして一度でも本を出版した経験のある方は、自身のサイトやツイッターなどで、宣伝をするでしょう。

「カクヨムでも応援をお願いします」、「カクヨムに新作を載せました」などのように・・・。

そうすれば、その作者や作品のファンの方は、当然、カクヨムにやって来て、その作者に★やレビューを大量に付けるでしょう。

こう見れば、一見、読み手が多くいるように感じますが、そのファンの方たちは他の書き手の作品を読むでしょうか?

普通に考えれば、追っかけをしている作者の作品には★やレビューをしますが、それ以外の、作者の敵となる作品に★やレビューをするとは思えません(多少はいるかもしれませんが・・・)。

・・こうして、ランキング上位のプロの方と、アマの方たちの差が開いていき、ランキングからはずれてしまう作品が出てくるのです。

ここまで読んで、「これは★やレビューが入らなかった人の都合の良い考え方なんじゃない?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、あながち間違っていないと私は思っています。

コンテスト中にランキング上位にいる方の作品をざっと見たのですが、プロフィール欄に必ずと言っていいほど、「今までは出版したことのある作品名」、「自身のサイト名」が書き連ねてありました。

中には、「仕事ください」と堂々と書いている方もいました。

また、ランキング上位の方のレビューは「作品をススメる内容」ではなく、「出版している本はすべて持っています」、「サイトに至るまで追っかけをしています」などで、作品に関する感想というより、作者に対するファンレターのようなものが多々見受けられました。

だからと言って、ランキング上位の方にプロフィール欄に「作品名を書くな」、「宣伝をするな」とは決して言いません。

これがウェブ小説での宣伝方法であり、戦法だからです。

ですが、カクヨムには言いたいことがあります。


どうして、プロ部門とアマ部門に分けなかったのか?


プロ部門とアマ部門に分けなければ、読者選考なのですから(それも圧倒的な読み手不足)、プロに票が流れるに決まっています。

そして、読者選考の後に編集部に行く作品は、プロの作品がほとんどに決まっています。

これでは、なにが、「Web小説コンテスト」なんだか分かりません。

「新人賞」ではなく、「コンテスト」と言う辺り、プロのような即戦力が欲しいのかもしれませんが、それならば初めから、ウェブ上でプロを集めたコンテストを開いて、読者選考をすればいいと思います(某週刊誌の、読み切り作品への投票結果により、本連載になるような感じで)。

「コンテスト ①」で述べた読者選考といい、カクヨムはもう少し言葉の意味を考えた方がいい気がします。

このコンテスト自体にというより、最近では、カクヨムのこうした後手後手な感じに疑問と、不満を感じている自分がいます。

もしカクヨムがこれから、第2回、第3回とコンテストの回を重ねていこうと思っているなら、書き手としても、読み手としても、明らかな偏りのないコンテストを開催して欲しいと思います。

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